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異世界転生モノ作品の気持ち悪い悪さ説明と、異世界転生モノ作品を否定、論破してみようと思う

アヘン。原子力。歴史を紐解けば、人類に甚大な悪影響をもたらしたものはいくつもある。もっと早く気づいたり、方向転換できれば違ったのに・・・。さて、もしかしたら異世界転生作品もそこに入るのかもしれないと思う。



異世界転生モノ作品の気持ち悪さ

異世界転生モノ作品は、その本質が気持ち悪い。

現実世界で、パッとしない主人公が、何かのきっかけで異世界へ行く。その際に、偶然の産物で、ものすごい力を手に入れる。そしてその力が超順当に成長していき成果を得る。

または、付随するステータス・スキルなるもので、自分だけは可視化し観測できることを利用して、最適最高解を見出し、”確実で無駄のない”努力と工夫で成果を手にする。

または、現代世界教養やネットでかじった知識を利用して、それを知らないとする村人に教えることで、実利や名声を得る。

で、最終的に、強さ、名声、ハーレム、国造りに走る。最後は神様になったりする。むちゃくちゃ。



気持ち悪さを、わかりやすく言い換え

現実世界では俺はどうにもならないけれど、なんか運よく別世界に行って、運よくすげー奴になれるかもだぜ。運って・・・宝くじ当たったら~かよ。現実逃避も甚だしい。

誰かが授けてくれるスゲー力があるんだぜ。宗教かよ・・・他力本願、現実逃避も甚だしい。

俺がやったことは全部報われる。他の人より絶対効果が出る。やればやるだけ繰り返すだけでもスキルが上がる!いびつな自己保身の投影(悪いのは誰かのせい。頑張って成功したのは自分の努力や着眼点のおかげ。)失敗したくない打たれ弱さの露呈。繰り返すだけで上手くなるというお手軽さ(そんな訳あるか)。

自分より弱い立場の人間を作り出して、上に立とうとする。ハーレムを作ろうとする。国造りの王様になろうとする。とにかく承認欲求が強いのかな。認められたいのかな。はべらしたいのな。



現実世界でリスクや失敗や、何かへの1歩を歩き始めることなく、でも、いつか偶然の力で、いきなり導かれて、富、名声、強さ、女を手に入れるんだぜ、俺!!な話で、本当や真の意味で頑張るわけでもないくせに、認めてほしい、評価されたい、成功したい!!でも、そんな無理はわかってるから異世界、ファンタジーのオナニーで済ませます!!な読者が気持ち悪い。なにかあっても、創作物だし、異世界だしという逃げ道作って、安全圏にいようとするところがなお気持ち悪い。


極端なのは承知しているが、現実を変える努力をしたくもなくて、何かするなら絶対成功するべき!!(でも実際は成功しないからしない)。一番安直に、現実から逃げて夢の中で幸せ♪な考えの人を強化して拡大再生産してしまうようだから、異世界転生モノ作品は滅んでくれないかなぁと思ってしまう。尚、異世界転生ながらも、上記以外を主題主眼に置いた面白い物語もあるので、あくまで現実逃避系作品とその氾濫への糾弾です。




異世界転生モノ作品を否定

以下より、感情移入したり物語を楽しむための説得力という要素を潰しにかかろうと思う。要は、異世界転生モノ作品のテンプレを見るたびに、こんな世界ありえねーよ!と現実に引き返しやすくなるように、異世界モノ作品の根底要素土台にケチつけて、グラつかせようと思う。



冒険者と治安

村人、町の人に対して、冒険者が強すぎる。強さに差がありすぎるので、犯罪行為が容易である。また、捜査能力も発展してないだろうし、証拠もすべて焼き尽くせるので、捕まりにくく抑止力も弱い。犯罪し放題。

冒険者の欲が満たされていて、家庭や地位があるなら犯罪行為をしないだろうが、素行不良の冒険者や、そこそこ強いけどこれ以上は無理だから悪行に走る(賄賂の腐敗と同じ)とか、いくらでも犯罪行為をするだろう。



冒険者の目的や役割がおかしい

冒険者の目的や役割が未知数。だから好き勝手な冒険譚が成立するわけだけれども…。

プロスボーツ選手や登山家のようなもの、あるいは石油や金を堀当てる!みたいに、名声あるいは富や路銀を目当てに冒険しているのだろうか。

現実で考えれば、前者は応援してくれるスポンサーの資金提供が必要であるからそんな好き勝手に多くの冒険者はいられない。後者ならば、冒険者の成果がそのまま誰かの利益になる必要がある。でないとお金に換算できない。

魔物を倒した素材を換金して金持ち!な展開をよく見る。しかし、市民の利益の観点で見ると、これもどこかおかしい。石油のように大多数の市民が使うエネルギー源や、ライフラインにかかわるものならお金になるだろうけれど、魔物が石油を落とすのか??

金やダイヤモンド等の高額装飾品としても、需要と供給で高額になっているだけであり、市場に多くが出回れば価格は下がり金持ち!にはなれない。生活必需品である薬草や薬でも、同様に値崩れする。そもそも、冒険者でないと取れないような安定供給できないものを多くの市民が日用品にしているとは思えない。つまり、そんな冒険者は存在できない。

冒険者相手の武器防具の素材として売れるという案もありそうである。しかし、簡略化すれば、レベル15の魔物で作った装備はレベル15以下の敵に有効というように、レベル15を倒せる人には不要のものである。つまり、自分より弱い人に売りさばくわけだ。でも、弱い人の財布のお金はどこからでてくるのか?その人も同じく、自分より弱い人に向けて売りつける。ではその人は、その次の人は・・・。というわけでその商売は成立しないのである。

つまり、魔物を倒すと、グリーフシードを落とす。それをエネルギーや生活必需品レベルのものに加工している石油みたいな設定ならギリギリ許容できる。しかしそうなると、かなりの利権なのだから、国やらが魔物出没ポイントを押さえたり、安定供給を図ろうとする。つまりは国かやくざの事業になり、これも好き勝手に魔物をかる冒険者像とはいかない。

かろうじての次点として、健康や治療、成長効果、町村人活動に強い補正がかかるようなアイテムの素材になるということなら、極小でありえる。しかし、そうなると前述の悪い冒険者の盗難事件を引き起こし、結局誰もそんなもの持てない買えない。冒険者はお金を稼げない。

食事や使いきりのスキルアップ石とかならどうだろう?盗難はされにくいかもだけど、無意味な力の増加は犯罪や争いの温床にしかならないだろうし、貧富の差でただの奴隷(素の人間)と強化人間と冒険者という構図になってしまう。



現実的な冒険者がいる世界とは

魔法が使えたり、スキルがあって他の人より活動範囲や対障害への物理的対応能力が強い人が生まれる世界があるとする。

科学力がおいついていなければ、その強いミュータント同士の戦争やこぜり合いになる。弱い普通人類は負けて絶滅するか、見つからないようにこっそり暮らした少数が生き残っている。科学力があるならば、特異能力に制限をかけて一般人相応に弱めたり、必要時以外の使用に厳罰をもうけて社会の枠組みにとりいれる。特殊能力分いい仕事をするので、高給とりだろう。まだ大多数ではなく、社会的に確認できていないならば、それはヒーロー物のように、隠れて活躍!金がもらえることはまれだけど、正義や平和のため!の活動になる。

夢や一攫千金や日々の生活を担える冒険者など、つまりは存在しないのだ。他の市民同様の少し特徴がある労働者でしかない。



ギルドがあって冒険者がいての世界を仮に再現するならば

冒険者がいるという無理を貫くなら、設定も無理よりになるがまぁできないこともない。

商魂ある冒険者の一人が、あるときに魔物の素材や何やらの組み合わせで、それまでの日用品よりも遥かに効果がある商品を作ることに成功。素材や製法を頑なに秘匿し、販路を作り流通も安定させた。そして他にも目玉商品を作り出していき、いずれそれはギルドという組織になり細分化され運営されていく。

新しい冒険者はその能力に応じて、それらの製品の素材集めや販路、流通や治安を任され出来高制か、給料制で雇われるのだった。うん、これただの会社組織…。作ってるのは市民向けの日用品、一部は冒険用のグッズ品、冒険者という労働者は稼いだお金で、またその会社の品物を買うという悪循環。というかただの総合独占企業じゃねぇか。それだけ経済に力があるならば、国王や政治を傀儡にして、色々やらかしそう。いや、これはただの社会派ドラマ…。



おわりに。

というわけで、冒険者という武力火力で魔物を戦い、日々を暮らしているという存在は、存在しえないし。仮にいたとしても社会の枠組みの中に取り込まれ、それは単なる労働者になります。命を削ってとか、夢追い人、一攫千金などではありません。というわけで、異世界転生モノのテンプレ設定は現実的には通用しません。

ファンタジーの世界なんだから、別に小うるさいことはいらない、関係ないと思う人もいそうですが、そうなんです。あれはファンタジーなんです。だから、現実の世界とは全く異なりますし、現実の世界の知識やらなにやらで成功するというのも、完全な空想(ファンタジー)です。つまり、現実逃避です。

空想を空想として楽しむのはいいと思います。でも、現実の要素や現実の人間がそこに入り込んで、なんやかんやと、現実と空想の境界を曖昧にして楽しむのは、現実逃避に繋がります。

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