報・連・相(ホウレンソウ)ができない人について。人を管理する事について
タイトルの件について考えさせられることがあったので、自分の考えを整理するために書く。
ホウレンソウは必要である
大前提として、ホウレンソウは必要である。ただし、自己の行動や問題解決や動作の結果責任が、すべて自己に収束する範疇の事柄ならば、その限りではない。
例えば、お小遣い1000円の予算内で、仕事中の昼ご飯に何を食べるのかホウレンソウする必要はない。自分だけの休日ならば、どこへ行こうとホウレンソウの必要はない。しかし、同居人がいて、ニンニクの匂いがダメな相手ならば、ニンニク料理を食べてよいか相談しないとだろうし、休日の夕飯は一緒に食べるのかどうか相談する必要があるだろう。
結局大なり小なり、人と関わり、人と一緒に暮らし働く我々なので、普段からホウレンソウという意思疎通を図りながら、根回しをしながら、事に当たっているのが普通である。
ホウレンソウにまつわるトラブルの理由・原因
みんなそれなりにホウレンソウしているはずである。しかし、実際問題ホンレンソウについて、不十分であるとか、聞かなきゃ教えてくれないだとか、色々なトラブルや不満がある。いわゆる、あの人はホウレンソウができないというトラブルの理由や原因は以下の6通りである。
1、全体像を知らない、作業の工程進行を知らないため
カレーの作り方を知らない人にしてみれば、事前に材料の有無を相談できないのは当たり前である。しかし、当然知っている人には、なんで買い出しの段階で、お米がないことを事前に言わないんだ!?となったりする。仕事でもなんでも、Aの次はB、同時進行でC。両方が終わればDを開始。いつから始めていてもいいEも適宜進めておく等。パズルのように組み立てて段取りしていく中で、全体像や作業工程・進行を知らなければ、適切なタイミングや余裕をもったホウレンソウができないのも当たり前である。経験を積ませるかよく教えるしかない。人生経験不足、社会人経験不足、仕事経験不足と言い換えてもいい。
2、段取り能力(組み立て構築能力)の欠如
その作業や流れを十分に経験して、理解把握しているけれどもうまくホウレンソウ(段取り)できない人は、段取り能力が欠如している。育成ゲームで最適解、最高効率の育て方を上手に見つけていく人と、だらだらとそこそこの育て方をする人。料理を同時進行で進めたりできる、できない人。そういう各自の差である。効率化に対する意識の差かもしれないし。その意識の差がひいては能力の差になっている場合も考えられる。あるいは、まだまだ効率化まで気が回るほどの経験値がその人にしてみればたまっていない場合も考えられる。つまるところ、具体的に最高効率の育て方のやり方、同時進行するやり方のお手本の教えるしかないと思われる。それがひいては、良い段取りとはということを考えたり参考にする材料が増えていき、いずれは自らすすんで考えられるようになるかもしれない。
3、不出来・失敗・過失・過ち・恥等をうやむやにしたい
1,2に問題がなく、ホウレンソウを本来できるのだが、あえて、ぼかすやりたがらない場合である。誰しもテストの成績が40点だったことをすすんで報告はしたがらない。浮気していることをすすんで言うものはいない。エロビデオを買ったことを家族には報告しない。つまり、その人にとって都合の悪いことを、隠しているのかもしれない。ただ、お腹が痛くてテスト開始早々に退席したせいで40点だった等、単にちょっと恥ずかしいだけで、隠しておいても害がないこともある。
4、結果責任を軽んじている=相手を軽んじている
3と同様で、やりたがらない場合である。休日に自分がどこへ行ってだれと会うのかを家族に事細かに伝えようとは思わないように。自分の行動の自由のためにホウレンソウをサぼる場合である。夕食が必要かどうか、何時に帰るかを本来は伝えた方が望ましいし、相手がそれを知っておいた方がうまく段取り行動できることを頭では理解しているが、自分の自由を優先して、相手の気持ちを軽視する。または、夕食が重複しても、冷蔵庫に入れておいていつか食べればいいじゃん等と、ホウレンソウをさぼることで生じる結果責任を軽視している場合もある。
5、激務や優先順位の高いタスクのために、ホウレンソウが後回し。
4時締め切りの作業を終えることに集中していて、それ以外のことをとにかく後回しにしたような場合。その時だけ多忙なケースならば例外的なものとして問題ないが、慢性的に激務や多忙のようだと、毎回優先度の低いものにミスや遅れや後回しのしわ寄せが生じてくるので、業務分担を見直す必要がある。
6、ホウレンソウの定められている内容や方法に、納得していない。
これまであげた1~5の全てにも関わってくる。その人の仕事観、段取り観、能力経験、心の在り方、優先順位と多忙さなどから、現状のホウレンソウの在り方に疑問を抱いていて、あえてやらない場合である。言い換えるなら、意味のないホウレンソウである、非効率なホウレンソウであると思っている不満不平のアピールの場合である。
適切なホウレンソウとは何か。
1,2,5の場合にホウレンソウができないのはしょうがない。
3,4,6の場合、ホウレンソウができないというより消極的や積極的な意思でしようとしない場合はどうだろう。反対側からみれば、事情は理解されるわけもなく、あいつはホウレンソウしない、能力がないやる気がない、聞かなきゃ教えてくれないというレッテルを貼られる。しかし、そのホウレンソウの在り方や中身に問題があるケースも考えられる。というわけで、適切なホウレンソウとは何か。どういう点で、ホウレンソウを軽視されやすいのか考察する。
ホウレンソウを極力省略したい志向
少し考えてみて、その人の気質や性質によるものが大きいと思った。つまり、その人にとっては、ホウレンソウをできるだけ省略化したいという願望がある。その背景には、
人と話すのが億劫 (対人省略傾向、対人抵抗)
直接や電話で話すのは苦手。メモやラインならOKかもしれない。
見ていればわかる、言わなくてもわかる (高コンテクスト傾向)
いちいち言わなくても、普段の流れと同じだから事細かに説明しなくてもわかるでしょという考え。ここだけは伝えてほしいと根気よく説得するしかない。
口を動かす暇があったらゴールへ進みたい (多動傾向・効率化傾向)
ホウレンソウをすることよりも、目的やゴールに向かう方を選びがち。せっかち。隙間時間にしてもらうようにする。
そのホウレンソウに意義を感じていない
まとめ
経験値や能力の問題でホウレンソウできないケースは、経験を積んで流れを理解できお手本を繰り返して見せれば、自然と改善されると思う。一方で、心構えや考え方の問題で、ホウレンソウされない場合は、どこまでは最低限伝えてほしいのかという点の互いのすり合わせが必要である。性質や気質に寄るので、やり方の工夫で乗り越えられると思う。最後に触れた、そのホウレンソウに意義を感じていない場合は厄介である。例えば家に無事着いた帰宅連絡をしてほしいと言われたら、私はなんでいちいちと思ってしまうだろう。ホウレンソウとは、目的達成のための情報共有協力であり、問題解決や目的達成に近づかない心の安心の為には、やりたくないのだ。ホウレンソウとは何かという各自の定義やルールから逸しているホウレンソウを、当然その人はしない。各自の主義や信条に関連したこの点のすり合わせは、非常に困難だと思う。