メタバースに公的空間を。3つの世界でよくね?という話。
メタバースというと、あらゆる人の手で、あらゆる世界が出来て、と多様性や多世界、無限の可能性みたいな雰囲気もあるが、最終的には、3つの世界に落ち着くのだから、最初から3を目指してもいんじゃないかと思ってしまう。今日はそんな話。
世界と秩序(共通認識)
いくつもの世界が作れるといっても、そもそも世界には、秩序という概念が必須である。
例えば、ロールプレイングゲームを始めて、セーブポイントとか、回復場所とか、武器防具を買う方法とか、そういうものが全くわからなかったら、なんとも取っつきにくいゲーム、下手したら、すぐ放り投げてしまうゲームにならないだろうか。あるいは、デパートに入ってトイレの位置がわからない、トイレの記号や案内がわからないとか、服を買いにいきたいけどどこにいけばいいのかわからないだと、苦労しないだろうか。するだろう。
つまり、世界とは、大体こういうもので、こんな感じにやればいい、こんな風に存在するという秩序(その参加者全体が共有する認識)が必要なのだ。
まぁ、大量のメタバースができつつ、メタバースとは基本こんな感じという風に、随時更新されていって共通認識が醸成されて落ち着くのだろうけれど、最初からそういう共通認識を作るべく動けばいいのにと思ってしまう。
世界と座標
いくつもの世界が作れるといっても、そもそも世界には座標という概念も必須である。経験したことある人はそういないだろうが、上下左右がわからなくなる宇宙や、深海、ホワイトアウト時、自分がどちらにすすんでいるのか、どちらからきたのかさえわからなくなるような空間ほど、居心地の悪いストレスフルなものはない。
ローププレイングゲームにおいて、広大なマップにポツンと放り出されて、最初の村を見つけてくださいといわれたら、なんだこのくそげーと思うことだろう。今と未来、現在地と目的、3次元空間においては、座標や目印が必須なのである。
2次元のインターネットの世界ならば、”戻る”という機能で強制的に自分の元いた位置へ引き戻してくれることができたが、メタバース上ではそうもいかないときがあるだろう。一昔前のできの悪い3Dゲームをプレイしたときのストレスのように・・・だ。
自分の元の座標へ戻る。あるいは目指した目的地に着実に進んでいくという、自分の目指す上や前や左右やら、目的地に確かに近づいているという確信や感覚を作ることができなければ、居心地の悪いストレスフルなものになってしまう。
というわけで3つの世界
第1世界 アナログ世界
第2世界 アナログをそのままデジタル化した3D世界
第3世界 第1世界の秩序や規範や基本ルールを踏襲しながら、拡大拡張しつつも軸足は残した新公的空間
第4世界 消費や個性、個人の趣味や、作品としての個人の部屋として乱立するメタバース空間
というわけで実利実体、効率、合理などを考えていくと上記のような3世界に落ち着くと思う。アナログは3ではないというなら、2~4を3にカウントしてもいいし、アナログや現実も関連するのがメタバースとするならば1~3を3とカウントすればいい。どちらでもお好きに。
第1世界
今のリアルの暮らし、眼前にあるものら。
第2世界
リアルの眼前には、過去のデータや関連データを見ることはできない。目の前の不動産がいくらで売買されたのか。誰が工事したのか。どこが売却したのか。誰が住んでいるのか。その前には、どんな建物があったのか。そのお店の評価はどうなのか。等々。
リアルでは一見わかりにくいが、本当は残しておくべきというかアクセス制限をかけつつ必要に応じて、閲覧できる情報を蓄積する必要があると思う。より正しい判断と運用のために、実務実用上においては。それがこの第2世界である。
現実の世界を忠実に3D化して、あとはアクセス権限によるがそこにデータを関連付けて保存し、必要に応じて参照できるようにするわけだ。現実の世界の3Dの位置情報を座標にして、世界を理解する流れともいえる。
第3世界
上述のようにメタバースとはいえ、秩序と座標が必要になると思う。でないと使い勝手が悪い。なので、図書館の本が決まった方法で分類されて並べられているように、メタバース空間で、秩序だった、分類方法で、公的な空間を作れないものだろうか。新しい街というか、新しい都市というか、町と街を繋ぐ首都圏というか。
山手線で秋葉原に行けばオタク街、池袋や新宿のラーメン激戦区といったように、目印となる座標があるように。メタバース空間にも、各企業や個人やらの個別のメタバースではなくて、メタバース上の○○町に行けば、医療や美容系の話や企業が集まっているとか。そんなイメージだ。
既存の社会の秩序や通念をそのまま用いつつ、土地利用やらの問題を超越した新しい専門街を1つ1つ作っていけたら本当に便利だろうにと思う。
第4世界
原罪乱立しているメタバースと同様の試み。個人的に○○な世界を作り上げたいとか。物体やアバターを作ったとか。小物を作ったとか。等々。動物の森やマイクラで作った世界を公開するような、要は、世界を作るとは言いつつも、そこで行われているのは、同志に向けた、作品や商品やアイディアや芸術性の販売・提供活動である。
第3世界の1区画に設けてもいいだろうし、もっとエロとか性的、もっと日閉鎖的なコミュニティの活動拠点になったり、そういうアングラ、裏、日陰、舞台裏で細々した活動ともいえる。
終わりに
都市計画とかを立てられる人と、図書館の分類表を作れるような世界をきれいに整理できる人、後は、ディベロッパー的な不動産関係の人、CDクリエイターたちを集めて、公的に使える空間を作って提供する。で、既存の土地代のように、使用料をとるビジネスでもやるのが一番いいのだろうけれども、そんなことにさせたくないので、公的空間としてみました。
無秩序に虫食いに発展していって、なんとなく有名なメタバースのいくつかがのこり、そこに出展料や土地代?使用料のビジネスができちゃいそうなので、嫌だなって思って記事を書いてみました。