ケーキの作り方(創作小説)
ケーキ店に入るなり大祐は周りを見渡した。
思ったより甘い匂いなんかしないじゃないか。
入口入ってすぐにはショーケースで、その左側には店内で食べられるようにいくつか机と椅子があった。
ショーケースに歩み寄れば木造の床に大祐の革靴の音がごつごつと響く。店内には落ち着きのある洋楽が流れていた。それをジャズというのだと知らないくらい大祐は音楽に対して関心が無かったし、つまり今までの自分とは全て無縁の異国の場所に来たようだった。
暖かなライトの光がショーケースに反射しては大祐の180を