下肢痛が出る腰椎疾患の鑑別
今日も柔道整復師、理学療法士、整体師の方、新人の方に向けて、僕の実際行っていることについて書いていきます
今日は下肢痛が出る脊椎疾患別の鑑別について書いていきます
腰痛の患者が、脚の方にも痛みが来る時がある、みたいな訴えって沢山あると思います
ただ、それが全てヘルニアに当てはるかというと、違いますよね
こういった時にどのように考えて僕が判断しているのかを書いていきたいと思います
ただ全部書いていくと大変なので、多いものに絞って書きます
下肢痛が出る可能性がある腰部の疾患
①腰椎椎間板ヘルニア
②脊柱管狭窄症
③腰椎椎間関節障害
④腰椎椎間板障害
⑤仙腸関節障害
を挙げました
関連痛での鑑別
①腰椎椎間板ヘルニア 責任椎間各領域
②脊柱管狭窄症 責任椎間各領域
③腰椎椎間関節障害 腰部から膝よりも近位
④腰椎椎間板障害 坐骨神経領域
⑤仙腸関節障害 下肢全体や鼠径部
動作時痛での鑑別
①腰椎椎間板ヘルニア 屈曲で疼痛
②脊柱管狭窄症 伸展で疼痛
③腰椎椎間関節障害 伸展で疼痛
④腰椎椎間板障害 屈曲、伸展で疼痛
⑤仙腸関節障害 屈曲、伸展で疼痛(正座が楽であることが多い)
テスト法や症状での鑑別
①腰椎椎間板ヘルニア SLR FNS 疼痛性側弯
②脊柱管狭窄症 ケンプテスト 間欠性破行
③腰椎椎間関節障害 椎間関節部の圧痛 マリガンで疼痛消失、軽減
④腰椎椎間板障害 棘突起の圧痛 マリガンで疼痛消失、軽減
⑤仙腸関節障害 上後腸骨棘(PSIS)圧痛、仙腸関節部圧痛、パトリックテスト
年齢では、脊柱管狭窄症が高齢者でそれ以外は、幅広い年齢層に見られます
ほかでは、神経学的所見をとってMMT、反射、知覚を確認することも重要だと思います
各疾患の施術でのポイント
①腰椎椎間板ヘルニア 梨状筋など神経絞扼を起こしやすい筋や股関節周囲の筋の緊張をとるような施術
股関節の屈曲の可動性出す
病院受診を勧める
(内服と併用しての施術の方が効果があると思うため)
②脊柱管狭窄症
梨状筋など神経絞扼を起こしやすい筋や股関節周囲の筋の緊張をとるような施術
股関節の伸展の可動域を出す
病院受診を勧める
(内服と併用しての施術の方が効果があると思うため)
③腰椎椎間関節障害
股関節の伸展の可動域を出す
胸椎の伸展の可動性を出す
体幹を安定化させるトレーニング
④腰椎椎間板障害
股関節の屈曲の可動性出す
大臀筋機能回復
脊柱を安定化させる多裂筋や腹横筋トレーニング
⑤仙腸関節障害
股関節の伸展の可動域を出す
骨盤を安定化させる
(緊張している筋を評価し施術)
体幹を安定化させるトレーニング
といったように評価や施術を行っています
あとはセルフでの腰痛指導も行います
正直、セルフでの腰痛指導がうまく出来ていないと結果が出るのが遅くなる印象です
なぜなら、僕が介入できるのはせいぜい一時間程度で、他の23時間は患者自身で介入してもらわなければならないからです
この施術以外の時間も使って、患者を治癒に導くことが実は一番の治癒への近道なのではないでしょうか
じゃあね