ホロライブオルタナティブ / 本編ダイジェスト
ある事件があって、ネット上の複数の想像世界が基底現実と置き換わった世界。各世界は緩やかに崩壊しつつあり、崩壊速度に差がある。自分たちの世界が基底現実になるには、各世界の代表者が戦ってたったひとり残ったものの世界が基底現実となる。滅びを受け入れて暮らすモノ。みなを守るため戦いを挑むモノ。全員が生き残る世界を模索するモノ。それぞれ思惑のなか戦いが始まる。そして最後のひとりが、望む現実を規定する。
おか / ころは違う世界の住人。
「みんなが共存できないの?? 最後まで残ったとこに移住すればいいじゃん」
「世界が崩壊したら、たとえそこの住人が生き残ったとしても、徐々に消えちゃうんだよ」
「ひとつの世界しか残ることができない……か」
「そうなるよね。だから勝たなきゃならない」
「わたし関係ない。ウザ。ヤダヤダ。めんどくさ。なんでわたしなの?」
「あたしはやる。大切な人がいるもん」
「エゴでしょ」
「それがエゴだっつーの」
「もう時間がないの!」
「しね、しね!消えろ! お前のせいで!」
「あたしには!守りたい!人が!いるんだ!」
「わたしだって!」
「もうやだ……。みんな一斉にきえればいい……」
「あいしてる。あいしてるの……ああ、こんなことばじゃたりない。どういえば伝わるの? ねえ?」
「みんなが、みんなに……また会える世界にしてほしい。お願い……!」
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ある島。早朝、港で漁師の船を迎える女子高生のマリン。デニーズでバイトするあくあ。空手道場師範のノエル。マックで目が合うあやめとフブキ。みながそれぞれ関係を持つことなく暮らす現代世界。
休日の新宿。歩いていたおかゆところねがぶつかる。とっさ落ちたお互いの携帯の拾ってしまい、渡そうとする。画面をチラ見して驚くふたり。その壁紙は、基底現実の戦いの中でころねが撮っておかゆにシェアした写真だった。
「あの、失礼ですけど、この壁紙。ぼくと全く同じなんですけど」
とおかゆ。
「え、あ、ほんとだ! 偶然ですねー」
「あの……変なこと聞きますけど、その壁紙どこで拾いました?」
「え?」
「僕、なんかのゲームのスクショだと思うんですけど、正直思い出せなくて。これなんてゲームでしたっけ?」
「え……あたしも何だったか思い出せないまま使ってたんですよぉ。すごいなんか、懐かしいというかきれいというか、子供の頃見たっていうか……」
そう言って壁紙越しにおかゆを見つめるころね。
「あー、わかります。なんかアバター系のゲームだったような。コレ。で、冒険して、みたいな……?」
「あー……そうかも……ですね……」
携帯の画面越しにお互いの顔をじっと見るふたり。次第に涙が溢れるころね。
「あの」
とおかゆ。
「はい」
目にいっぱい涙をためて、言葉を待つころね。
「ちょっと思いついた名前あるんで、言ってもいいですか?」
「はい……」
「…………ころさん」
「おかゆ」
おかゆの胸に沈むころね。だきしめるおかゆ。
「ごめんね、おかゆ、ごめんなさい。ごめんなさい……」
「うん……あえたね。また……」
「これ本当?」
おかゆの胸の中でおかゆの顔をみあげ確認するころね。
「うん。ほんとだよ」
おかゆ、ころねのおでこにキス。
抜けるような青い空。天空の剣のような雲。
<ころさんねぇ、あんときマジ痛かった。死ぬかと思ったよ。死んだけど
おかゆごめんてーごめんごめん。なんでもするからー
ふーん、なんでもするんだー>
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その後、メンバーが各自Vtuber配信を始める場面でエンド。