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歌の上達法③

怒涛の忙しさで、随分、前の記事から日にちが空いてしまいましたが、今回は歌の上達法の「マイク」「表現力」「センス」「ステージング」について書いていきたいと思います。

▼マイク

クラシック等マイクを使わないで歌うジャンルもあるが、おそらく私のnoteを見て頂いている方々は、マイクを使って歌うジャンル(ポップスやロックetc・・・)だと思う。

マイクは武器なので、うまく使いこなせるかというのも歌がうまくなる(うまく聞こえる)ポイントだし、テクニックとしては外せない。

私のボイトレでは、歌手と役者ではやり方が違う。歌手の場合はマイク乗りの良い声というのを含んだレッスンとなるし、役者はマイクを持ってセリフを言う訳ではないから。マイクを使う歌と使わない演技では声の指向性が違うので基礎発声の部分で分けているし、もちろん応用編でも変わってくる。

歌の場合は口の開け方もマイクに乗りやすい開け方、マイクめがけて声が飛んでいく発声方法。もちろん腹式呼吸とかそういう呼吸法は歌も演技も同じだけれども・・・(ちなみに私が教えている呼吸法は腹式呼吸ができるようになったら、更に別の呼吸法を教えている。)

マイクの持ち方、口とマイクの角度、口とマイクの距離によって、いろいろなことがコントロールできる。マイクの使い方が下手だと、いくら歌自体は上手でも結局耳障りになってしまうので、きちんとマイクの使い方は身に着ける必要があるだろう。

ちなみに、カラオケボックスとかにあるマイクは、どんな人が使ってもある程度声を拾ってくれるようにできているから、プロを目指すならばちゃんとしたマイクで練習した方が良い。

マイクの頭をポンポン叩いたりは絶対にしてはいけないので、念のためお伝えしておこう。

実際にマイクの使い方を文章で伝えるのはちょっと難しいなと、書いていて思った。とにかくマイクは武器だということだけは覚えておいてもらいたい。ボーカルレッスン等でマイクの使い方を教えているところは多いと思うので、文章では断念・・・すみません。


▼表現力とセンス

当たり前過ぎるんだけど、いくらしっかりした発声が出来て、ピッチや声質やリズムやマイク乗りが良くても、表現力やセンスが乏しいと、とても残念な歌になってしまう。

声は出てるんだけどね、歌はうまいんだけどね・・・という何かが足りない感じ。正直たくさんこの手のタイプの人います。うまいはうまいんだよね。でもそれだけなんだよね。

逆に言うと、表現力やセンスがあるだけで、歌は「いい感じ」に聞こえる。「上手」なのと「いい」っていうのはちょっと違う。「上手」は技術的なことでいくらでもカバーできる。もちろん表現力やセンスも磨けるものだ。

最初から表現力やセンスを持っている人もいるし、意識しなくてもいい感じに歌える人もいる。でも中には、表現力とセンスが乏しいのに気付いていないのか、表現力やセンスを磨かない人が多い。発声やピッチやリズム等、テクニック的なことにばかり気がいってしまうんだろうけど。

表現力はボーカルレッスンに通えば講師が教えてくれるだろうけど、センスまで口出さないっていう講師が圧倒的だろう。センスって持って生まれたものと勘違いしている人も多いし、講師としても言いづらいのもあるだろう。でも、センスは磨けますから、ご安心を。ただ、磨くかどうかなんだよね。歌のセンスを磨くという概念がないかぎり、ずっと変わらない。

そして、センスと同じくらい、いやそれ以上に歌のとって大事な表現力とは何を指すかというと、特にどこからどこまでという定義はないと思う。歌詞に気持ちを乗せるとかそういう当たり前な部分だけじゃなくて、声色をどのフレーズでどうするかとか、ブレス(タイミングや深さや長さやマイクに乗せるのかとかいろいろ)とか、自分がどういう表現をしたいかをきちんと考えているかにもよってくるんだけど、歌を聞いてる方はこの表現力によって心を揺さぶられる部分なので、歌では一番と言って良いほど大事な部分だ。

ダイナミクスとかも含め、結構テクニックが必要な部分もあるし、テクニックがなくても出来る表現というのもある。いかにその曲にきちんと向き合って歌っているか、掘り下げて歌っているか、自分の歌を客観視できるかによっても変わってくる。

ちなみに、表現力はあるけどセンスがない人、センスはあるけど表現力がない人ももちろんいるし、センスと表現力はあるけどそれだけの人もいる。

結局技術的な部分だけうまくてもダメだし、表現力やセンスだけでもダメだということ。


▼ステージング

レコーディングだけをする歌い手じゃない限り、ライブ等で歌っている姿を見せるのが歌手の仕事だ。だから、聞いている人の耳だけに訴えるのではなく、視覚(見た目)も楽しませたり、視覚的に何かを伝えるというのはとても大切だ。

もちろん表情もそうだし、ダンスをしながら歌うとか、ダンスは出来なくてもステップ踏んで歌うとか、何かしら振り付けをするとか、楽器持って歌うとか、いろいろ方法はあるが、自分に合った、曲や歌詞に合った見せ方を出来るといい。

もちろんルックスが良いに越したことはないが、ここで言うステージングはそれとは違う。音楽の世界観を伝える為には、声だけじゃなく全身を使うということ。マイクが武器なように、自分の全て、使えるものは全部使うという感じだ。

必ずしも全身が動いていなくてはいけないとかそういうことでもない。
どうすれば最大限にその曲を自分らしく聞いている人に届けられるか、トータル的に考えることが必要だ。

そういう意味では、衣装やメイクや髪型も曲のイメージを考えるというのは大事だ。でもライブやコンサートはその曲1曲じゃないので、ライブのトータル的な世界観で衣装とかは決めると良いだろう。

少し話がそれたが、ステージングについては、自分が歌っている姿を動画で撮って見てみるというやり方で、考えてみて欲しい。鏡でもいいけど、鏡だと目線がね・・・その点、動画の方が目線までチェックできるし、お客さん目線で見れるので、動画をお薦めしておきます。


ということで、今回はあまり自分でどうこう出来る具体的なやり方を提示できるものが少なくて申し訳ないのですが、歌うということを仕事にしたい人にはとても重要なことなので書いてみました。

表現力やステージングは、わざとなのか癖なのかで全く違うから、意識して自分を観察してみるのをお薦めします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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