役者になるには②
役者には大きく分けて「映像」と「舞台」の2つの仕事があると前回お伝えした。
ということで「映像俳優」「舞台俳優」になるにはどうしたら良いのか、今回は「映像俳優」について書いていこうと思う。
「映像俳優」とは、カメラの前で演技をするお仕事。お客様の反応はオンエアー、上映されてからとなるが、今は配信とかもあるので、これから映像はどんどん広がっていくジャンルだと思う。
他に舞台と違うところは、稽古という稽古はない。テストはあるし、本番まで何回か同じシーンをやるにはやる。
カットによって芝居を作っていくので、小間切れで芝居をする必要性があるし、細部まで映るので繊細な演技も必要だ。
舞台が生ものでやり直しができないものであることに対し、映像は撮り直しはできる(だからと言って無限ではない)し、出来上がったものを何度も見ることが出来る。
「映像」の仕事は、大きく分けて「映画」と「テレビドラマ」という時代がずっと続いていたが、ここにきて動画配信やWeb系が今後どうなっていくのかという感じだ。
では、「映像役者になるには」という感じで「映画」「テレビドラマ」「その他」に分けて説明していこう。
▼映画
映画がテレビドラマと違うところは、お客様がわざわざ映画館まで足を運び、チケット代を払い大きな画面で鑑賞するというところだろう。
そして、映画は監督が途中で変わったりしないがテレビドラマの場合は、連続ドラマで数人の監督が居て、第一話と第二話で別の監督だったりすることもある。
制作費は映画の方がかかる。
そんな「映画」に出演するにはどうしたら良いのか。
主役等、メインキャストは監督からのオファーという場合がほとんど。他はキャスティング担当者が監督の意向に沿ってキャスティングすることが多い。プロダクションのマネージャーが売り込んできた役者がちょうどイメージに合えば採用される場合もあるし、役があってその役をオーディションで決めたりする。ただし、オーディション情報は一般には公募されることはほとんどない。プロダクションや大手劇団にクローズ情報として募集をかけるのがほとんど。
だから、映画にメインや役名のある役で出演するには、プロダクションや大手劇団に所属する必要がある。
但し、どんなプロダクションにでも情報がいく訳ではないので、プロダクションにもよる。
小さいプロダクションだから情報がいかないという訳でもない。あとはキャスティング会社がオーディションする場合なんかもあるが、この場合もキャスティング会社からプロダクション等に情報がいくので、一般の人に情報がくることはほとんどないと言って良いだろう。
中にはキャスティング会社が、役者募集として一般の人を登録させている場合もあるので、そこに登録するというのは一つの手段かもしれない。
他にはエキストラという方法になる。
エキストラの場合、ギャラが出ても多少だし、今はボランティアエキストラも多い。
プロダクションに入っていてもエキストラの仕事の時もあるし、セリフがあるエキストラっていうポジションもあって、それはプロダクションにオファーがきたり、エキストラ事務所にオファーがあったり。
プロダクションに所属していないのであれば、エキストラ事務所に入ってエキストラとして出演するか、セリフのあるエキストラを狙うか。
キャスティング会社に登録しておくというのも一つの手段とお伝えしたが、中には10万とか登録料(宣材撮影費という場合もある)を支払わなければ登録出来ないところもある。
10万が高いかどうかは本人の判断に任せるが、キャスティング会社はあくまでキャスティング会社だから、クローズのオーディションの情報をもらいたいというのが目的であれば良いと思うが、情報をもらえるだけでオーディションに合格出来る訳ではないということを忘れないように。
現実的に新人が映像系の「映画」や「ドラマ」に役名のある役、出演者として名前が出る方法はほぼ決まっている。
それについて無料で半日ここに書いていたんだけれど、そういえば20代の頃、知人のプロミュージシャンがルール違反をして、某事務所から「東京湾に沈める」と、映画さながらのセリフを言われたことを思い出して、無料での公開は控えようと思った。
その時は、そんなことを現実で言う人がいるんだ、映画の中だけじゃないんだ、平成になってもそんな世界なの~って驚いたし、令和となった今でそんなこと言う人がいるのかも分からないんだが、業界の中では当たり前の話でも、一般に公開して良いのかも分からないことは有料でその情報がすごく必要な人だけに届けた方が良いと思ったので、ここに書くのはやめておくことにした。東京湾に沈められても困るし。
(といっても、それなりに一般にも知られていることだとも思うから半日放置していたのだけれど・・・)
いずれにしてもプロダクションに入っていない人が、役名のある役をもらえる可能性はかなり低い。
じゃあ、どうしたら映像に出れるのかというと、テレビドラマも難しいので、「自主制作映画」とか「動画配信」だろう。そのあたりについては、その他で述べます。
◆テレビドラマ
テレビドラマは、NHK]以外ならスポンサーがついている。予算的には映画ほどではない。撮影はハードスケジュールで、朝早くから深夜までなんてのもメインキャストならザラ。
テレビドラマも映画同様に、出演者を一般公募することはまずない。
あってもエキストラだ。
なので、テレビドラマに出演する方法は映画と同じなので、「映画」のところを見て欲しい。
◆その他
◎制作会社による作品(webドラマ、Vシネマ。アーティストのMV、CM、再現ドラマ)
これらは、監督や制作会社がキャスティングするのがほとんど。あとはキャスティング会社がキャスティングしたり、プロダクションの売り込みとかで使ってもらえる場合もあるし、CMの場合はその商品に合うかとか競合に出演していないか等の縛りがあったりもする。
プロダクション所属で使われやすいのが、再現ドラマ。でも最近はそれなりに名前がある役者さんが再現ドラマに出ることも増えているので、再現ドラマが新人枠という訳でもない。
制作会社が作る作品は、ギャラをもらえるが、フリーの人が出演するには、なかなか難しい。
◎制作会社が絡んでいない作品。(自主制作映画、動画配信等)
くくりが難しいが、自主制作映画でも制作会社が絡んでいる場合もある。
でも、自主制作映画や動画配信の場合は一般公募でキャストを募集することが多い。
なぜなら予算が低いから。なので、ギャラは出ないことも多い。それでも現場を体験したい、映画に出たいという人は応募してみるのもありだと思う。
いずれにしても役があり、役のイメージで書類選考となるので、書類審査で落ちることも多々ある。
書類審査を通過したらオーディションという流れだ。
エキストラで普通の映画に出て少しお金をいただくか、ギャラはなくても自主制作映画に出るか、それぞれの判断だろう。どちらも経験にはなるし、次に繋がるかもしれない。
ただ、役を演じたいというのであれば、エキストラだと役はないので自主制作映画でエキストラ以外の役名のある役を狙う方が良い。
いずれにしても、映像俳優を目指すのであれば、プロダクションに所属というのが今はスタンダードだが、
これから配信などの形がどんどん変わっていくと思うので、フリーの役者でも映像で活躍できるようになるかもしれない。
これまでフリーの場合は、映像への出演はなかなか厳しく、舞台での活動となることが多かったが、今後はどうなるのか楽しみでもある。
映像俳優を目指している人の、映像での入り口は本当に狭い。
他に地道にやる方法があるが、そのやり方は新規プロサクションなどに関わった際に、タレントの売り込み方と併せて提供しているタレントの育て方の情報の一部なのでここには書けない。(無料で公表することが出来ないが、フリーの人でもできる方法なので、「映画」のところで書こうと思った『新人が映像系の「映画」や「ドラマ」に役名のある役、出演者として名前が出る方法』と併せて有料記事に書くことにします。)
ということで、映像系についてはここまで。次回は「舞台俳優になるには」編を書こうと思う。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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