演技初心者あるある
今日は『役者になるには』の技術編的なものを書こうかと思っていたのですが、その前に初心者あるあるをちょっとピックアップしてみようと思う。パッと浮かんだものだけなので、他にもあると思うんだけど・・・
① 手が『ドラえもん』
立ってセリフを言う時に、両手がじゃんけんの「グー」になってる人が結構いる。セリフを言うので精一杯なのかもしれないけど、見てる方からすると手に視線が行ってしまうんだよね。
手をどうしたら良いのか分からないっていうのもあるようだけど、日常生活で両手を「グー」にして話す時って、そんなにあるか?
怒りに震えている時とかかなとも思うが、そんなセリフじゃないし。
この「グー」になっている場合でも、すごく力が入っていそうな人と軽く握ってる人がいるんだけど、どちらにしてもドラえもん。だだいたいが両手握ってるからドラえもんにしか見えない。
これは指摘すると気を付けるようになるけど、指摘されないと気づかない人が多い。
これまでたくさんのドラえもんを見てきたなぁ・・・
② まっすぐ自然に立てない
普通に立っていられないっていうのかな。普段の日常生活の癖がそのまま出る人もいるし、手がドラえもんの人なんかは、身体はまっすぐだとしても、手がもう全く自然じゃない。
日常生活から自然にそれなりに綺麗に立っている人は大丈夫なんだけど、演技となると立ち方が不自然になる人や、普段の癖そのままだったりいろいろ。とにかく自分がどういう立ち方をしているのかきちんと把握しておく必要はあると思う。
重心を片足に乗せるのが癖の人もいるけど、これがわざと演技でやってるならいい。その役の、そのシーンで自然であれば問題ないんだけど、癖だと厄介だ。
だからと言って女性がモデル立ちするのは、スチール撮影の時だけにしてもらいたいし。まあモデル役なら別だけど。
まっすぐ自然にがポイントだということだ。
③ 歩く時の歩幅が狭い
これは女性に多いんだけど、歩きながらセリフを言ったり、ただちょっと歩くだけとかでも、とにかく歩幅が狭い人が多い。だいたいそういう人は普段から歩幅狭い人が多いけど、普段はそうでもないのに、演技中は歩幅が狭くなる人もいる。
歩幅が狭すぎるのは、ちょっと滑稽に映る場合があるので要注意だ。
これも自然に歩く、自然な歩幅で歩くっていうのが大事。
普段から歩幅が狭い人は、意識して歩くようにした方がいい。私の演技レッスンやワークショップとかでは、歩き方もいろいろレッスンするけど、とりあえず自然な歩き方はいろいろウォーキングについての動画やサイトもあるだろうからそちらでひとまず勉強してもらいたい。
④ セリフの度に死に間
死に間という言葉をご存知ない人もいるかもしれないが、それはググって下さい。初心者あるあるは、自分のセリフの前でブレスをするから、必ず毎回そのブレス分の死に間が入るということ。
セリフの前でブレスをするのは当たり前なんだけど、そのタイミングが何も考えていないというか、自分のセリフの番だということしか考えていないんだよね。
前の人のセリフとのテンポや自分のセリフが食って入る方が良い時とか、間だって芝居ではとても大事なのに、ただの癖の死に間を作ってしまうんだよな。
間はきちんとわざと作る、演技として入れるなら芝居として成立するけど、ただの死に間は全体を崩すということに気付いてないんだろうな。
ブレスのタイミングは本当に大事。ブレスしなければ長台詞だと息がもたなくもなるし、息を吸うのはいいんだ。っていうか当たり前なんだ。
でも、何も考えてないと、毎回同じ死に間を自分で作っているので気を付けてもらいたい。
⑤ 次にセリフを言うのがバレバレ
これもブレスに関わることで、ブレスをする時に肩が上がる人がいる。ちゃんと腹式呼吸とかができない人。
わざと演技として肩を上げるのなら良いが、ただのブレスの癖で息を吸う時に肩が上がる。特に、自分のセリフの前に緊張からか、気合からか知らんけど、ブレスして肩が上がるから、「あ、次しゃべるんだな。」ってバレバレ。
しっかりとした基礎の発声を身につけておく方がいいだろう。特にこれは舞台系の人に多いんだよなぁ。
⑥ セリフが台詞になってない
セリフを言う時に、自分のものになってないというか、役としてセリフを言えないというのか。セリフを思い出しながら、本人がしゃべってる風にしか見えないのが初心者あるある。
これは演技でも芝居でもなく、ある言葉を本人が声に出してるだけ。いくら感情のせてるように見せても、全くセリフとしては入ってこない。
セリフももちろん、その役として自然に言える方が良いんだけど、「自然に」は本人そのままという意味じゃない。役として「自然に」だということ。
当たり前だけどセリフは覚えておくのが普通なんだけど、それすら出来なかったり、自分のセリフしか覚えていないから芝居のテンポが悪くなったり、セリフを覚えるのとセリフを言うのは違うということが分かっていない。
とにかくセリフは覚えて、1つのセリフでも前のセリフの出方によって変化できるように、同じセリフでもいろんなパターンで出せるようにしてもらいたい。1パターンしかできないっていうのは、引き出しが少なすぎるし、相手がそのパターンでセリフ投げてこなかったらまったく噛み合わない。
芝居というのはセリフのキャッチボールが大切な要素でもあるのに、一人で完結してしまっていたら物語を紡いでいくのは難しい。
まあ、また機会があればセリフについては細かく書くと思う。
⑦ 自分のセリフじゃない時に無防備
自分のセリフの時は分かりやすいぐらい集中しているのに、他の人のセリフの時、聞いてはいるけど演技してないっていうのも初心者あるある。
って注意すると、今度は自分のセリフじゃないのに、目立ちすぎなくらいなリアクションしたりする人もいるんだけどさ、とにかく自分が出演しているシーンは、自分のセリフの時も、他の人のセリフの時も、とにかくその役として相槌したり、反応したり、その役として佇んでないといけないわけよ。うっかり、自分が出ちゃダメなの。
まあ、本当にこれは初心者に多い。まあだいたいそういう人は、自然に立ってることも出来ない。
セリフが多い方が楽は楽なんだよね。セリフが少ない役や、受け身の役の方が本当に大変なんだということが分かってないんだろう。
まあもちろん膨大なセリフがある役は、それはそれで大変だけども・・・
まとめ
なんか書き出したらもっといろいろ浮かんできたけど、今日はここまで。
他にもセリフとしては、活舌とかイントネーションとかも初心者あるあるはあるし、何と言っても身体の使い方を知らない人が多すぎる。
初心者の1回90分のレッスンで何回「身体の使い方」という言葉を言わなきゃいけないんだってくらい、度々言うなぁ。身体の使い方も今度、これだけのテーマで書いてみたいとは思う。
いろいろ書いてて思ったのが、初心者は「自然に」っていうのを勘違いしている人が多いんだろうなと思った。
あと、リアルとリアリティは違うということ。
ということで、次回はもう少し、ポイント絞って書いていこうと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。