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【小規模事業所の経営者向け】採用できる“土俵づくり”30日プラン|Day 13オープンブック導入:成功&失敗例(全数字公開or部分公開?)
オープンブック導入:成功&失敗例(全数字公開or部分公開?)
はじめに
前回(Day 12)では、SNSを活用して“リアルな社内”を週1でも発信すれば、HPや求人票だけでは伝わらない魅力をアピールできるというお話をしました。
Day 13からは新たに、“オープンブックマネジメント”に焦点を当てていきます。数字をスタッフに公開するとモチベーションアップやコスト意識の向上など大きな効果が期待できる一方で、情報が行き過ぎてトラブルになった例も。この記事では、オープンブックの成功&失敗の両事例を確認し、自社のスタイルにあった導入方法を探りましょう。
1.オープンブックマネジメントとは?
会社の数字(売上・経費・利益)をスタッフに共有し、全員が経営状況を把握したうえで業務に取り組む仕組み
「この月は利益目標に届いていないから、コストを下げよう」「今月は利益を大きく出せたから、少し教育費に回そう」など、経営判断をスタッフと一緒に考えるスタイル
小規模だからこそ、一体感が生まれやすい反面、経営者の報酬などデリケートな情報も含まれるため、抵抗感がある経営者も多い
ポイント
採用の土俵づくりとしては、スタッフが“何のために頑張るか”を数字で明確にできる、というメリットが大きい。
2.成功例:数字意識が高まって採用にもプラス
事例A: とある税理士事務所
毎月の売上・粗利・固定費をスタッフ全員に開示
例:「今月は○○万円利益が出そうだけど、新人さんのPCを買うには△△万円必要だから、ここをもう少し改善して利益率を上げよう」といった具体的な話ができる
スタッフが納得感を持って動き、結果的に「待遇が上がるのも当然」と感じられ、離職率ダウン&新規応募も増加
応募者からも「数字をちゃんとオープンにする会社なら安心できる」と好評
学び
全員が数字を共有することで、“自分がここで働く価値”を理解でき、やりがいを感じやすい職場に変わった。
3.失敗例:全数字公開がストレスになったケース
事例B: 小規模のコンサル会社
社長の報酬から経費の細部まで完全オープンにした結果、スタッフが「社長はこんなに稼いでるのに自分の給料は…」と不満を感じてしまった
さらに、一部のスタッフが「経費をもっと削れないんですか?」と過度に干渉し、社内トラブル化
経営者も説明責任に追われ疲弊→結局オープンブックを取りやめ
学び
“全数字を丸ごと公開”だと、不満や過度な口出しが起きるリスクあり。どこまで公開するかを明確に線引きしないと、逆効果になり得る。
4.全公開or部分公開? 運用のコツ
“段階的に公開”する方法
最初は“売上・利益”など大枠だけ→慣れてきたら人件費や固定費を詳細化
“社長の個人報酬”や“賞与”などは数字をまとめて“代表者報酬”として公開する程度に留める
オープンブック前に“数字教育”が必須
Day 2やDay 4で扱ったように、B/S・P/Lをスタッフが理解していないと、見ても“何が何やら”で混乱が増す
経営者の意志を明確にする
「数字をオープンにするのはスタッフを責めるためではなく、みんなで成長するため」という姿勢を示し続ける
ポイント
“どこまで公開するか”を慎重に決め、スタッフがメリットを感じられる形で運用すれば、成功しやすい。いきなり全部出して「はいどうぞ」と放置すると失敗しがち。
5.採用の視点:なぜオープンブックが効くのか
スタッフが“やりがい”を説明しやすい
既存スタッフが友人に「うちは数字も公開していて、ちゃんと利益が出たら還元してくれる会社」と話しやすい
新人が面接で「将来の給与はどうなりますか?」と聞かれても、ある程度根拠をもって答えられる
応募者が安心感を持てる
「社内の経営状態をスタッフとも共有しているくらい、オープンな会社なんだ」と好印象
特に若手は“経営がブラック”かどうか、数字の透明性で見極める人も多い
まとめ
オープンブックマネジメントはメリット大きい一方、全公開が一気にトラブルを招くリスクも。
部分公開や段階公開など、自社に合ったレベルを検討するのが現実的
明日(Day 14)は、実際にスタッフを巻き込んで予算設定や目標管理をすることで、採用や定着がどう変わるかを深掘りします。
次回予告 (Day 14)
「予算設定と目標管理で『社長の頭の中』を共有し、やりがいUP」
(この記事は、喜多が“小規模事業所の経営者”に向けてお送りする「採用できる土俵づくり」連載のDay 13です。Day 14では、予算設定・目標管理をスタッフと共有するメリットを紹介し、どう採用やスタッフ定着に直結させるかをお伝えします。どうぞご期待ください!)