【小規模事業所の採用ノウハウ】新人放置で辞められる…それ、本当に本人のせいですか?|30日間投稿 Day15
新人放置で辞められる…それ、本当に本人のせいですか?
「『若手がすぐ辞めるんだよ』と言う前に、
新入社員へのフォローや仕組みづくりを見直してみませんか?」
はじめに
前回(Day 14)では、条件を見直す前にまず“ビジョン”をしっかり語ることの大切さをお伝えしました。小規模だからこそ描ける夢や目標を共有できれば、多少の待遇面のマイナスを補うことができる、という話でしたよね。
さて、今回は**「新人を採用しても、すぐに辞められてしまう…」**という悩みに焦点を当てます。特に小規模事業所の場合、一人ひとりの負担が大きいので、人が抜けると大きな痛手。「また辞められた…やっぱり今どきの若い者は…」と嘆く前に、経営者や先輩スタッフ側のフォロー体制を点検してみませんか?
1.新人を“放置”していませんか?
入社初日から「とりあえずこれやっておいて」と丸投げ
誰に質問すればいいのか新人が分からない
初期研修やフォローアップ面談を全く設定せず、「忙しいから頑張って」の一言で済ませる
こうした状態では、若手や未経験者が不安を抱えたままになって当然。せっかく採用しても「何をやればいいか分からない」「ミスが怖いし質問しづらい」とストレスを溜め、短期で辞める流れは想像に難くありません。
2.育成とフォローが必要なのは、大企業だけの話じゃない
「うちは少人数だから、OJTで十分」「そもそも研修に時間を割けない」という声もありますが、小規模事業所ほど“放置”が致命傷になります。
人数が少ないぶん、新人がカバーしてほしい部分が多い
逆に言うと、新人がやってくれないと回らない業務も多い
放置した結果、辞められれば、残ったスタッフの負担がさらに増える
短期的には大変でも、最初の数か月である程度手厚くサポートするほうが、長期的に見てプラスになるケースがほとんどです。
3.新人フォローに有効な4つの仕組み
メンター制度 or 指導担当の明確化
「先輩Aさんがあなたの担当なので、何でも聞いてOK」という形を作る
誰に質問すればいいか明確だと、不安が減る
定期的な面談や進捗チェック
月1回でも「困っていることはない?」と聞く機会を設けるだけで違う
小規模ならこそ柔軟に時間を作りやすい
簡易マニュアルやチェックリスト
何をどう覚えればいいか、段階的に分かるようなシートを用意
新人が自主的に進められる部分は進めやすい
試用期間内でも、成功事例や失敗談を共有
先輩や所長が自分の失敗談を話すと、「質問していいんだ」と新人が安心する
4.「時間がない」こそマニュアルや段取りが必要
「少人数でギリギリ回しているから、教える暇なんてないんだ…」という経営者の方もいると思います。
しかし、最初に時間をかけずに放置すれば、結局新人が辞めてしまい、さらに回らなくなるという悪循環に陥る可能性が高いです。
事前にマニュアルを用意する
OJTの計画を、先輩スタッフと相談して組む
この程度の準備でも、新人にとっては大きな安心感につながります。
5.新人が辞めた理由を“本人のせい”にしていませんか?
「あの子は根性がなかった」
「飽きっぽい性格だったんだろう」
「今どきの若者は、すぐ投げ出す」
もちろん、本人の問題もあるかもしれませんが、**会社側の受け入れ方やサポートはどうだったのか?**を反省なしで済ませると、同じことを繰り返しかねません。
一人抜けるたびに「やっぱり若者はダメだ」と嘆いていては、採用活動を続けるメリットも半減してしまうはずです。
まとめ
小規模事業所ほど、「新人が辞めるリスク」は大きな痛手になります。
最初の数か月で集中的にフォローする
誰にどう質問すればいいのか、マニュアルを整備して明確にする
メンター制度や定期面談で悩みを早期発見する
こうした対応をするだけで、新人放置→早期退職という悪循環から抜け出せる可能性が高まります。「また辞められた…」と嘆く前に、本人以外の原因をまず検証してみましょう。
次回予告
【小規模事業所の採用ノウハウ】3か月で人は化ける!投資期間を諦めていませんか?|30日間投稿 Day16
次回は、最初の3か月こそ集中投資すべきというテーマをさらに深掘り。そこでどれだけ手厚いフォローができるかで、新人が“戦力外”か“大化け”するかが変わるかもしれません。お楽しみに!
この記事は、喜多が“小規模事業所”で採用を行うなかで出会った“新人がすぐ辞める”問題への具体的対策をベースに書かれています。結局、最初から放置されると誰だって辞めたくなるのは当たり前。ここを変えれば、若手が長く続く環境を作れるはずですよ。