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【小規模事業所の経営者向け】採用できる“土俵づくり”30日プラン|Day 1

なぜ“土俵づくり”が採用に直結? 小規模事業所の本当の課題


はじめに

前回の連載(30日間の「採用ノウハウまとめ」)では、小規模税理士事務所や同規模の事業所が「若者に見向きされない会社を卒業」するための手がかりをお伝えしてきました。そこでは採用面接や求人票づくりのポイントなど、いわば“正面からの採用術”を重点的に扱いました。

しかし実は、いくら採用活動を頑張っても、社内の“土俵”が整っていなければ人は来ないし、定着もしないという現実があります。

  • 「スタッフに支払う余裕がない」

  • 「オフィスや設備が古く見える」

  • 「数字を把握していないから求人に必要な給与や待遇が設定できない」

こうした問題を放置したままでは、どんなに魅力的な求人票を作っても、面接で人当たりよく振る舞っても、若者からは「ここはちょっと…」と敬遠されてしまうでしょう。

これから始まる**“採用できる土俵づくり”30日プラン**では、数字管理(B/S・P/L)、PCインフラ、HP整備、単価見直し、予算設定や目標管理などを総合的に見直して“採用に強い土俵”を作るプロセスを解説していきます。


1.そもそも“土俵づくり”って何を指すのか

  • 数字を把握する: B/S(貸借対照表)やP/L(損益計算書)が読めなければ、採用に回せる予算を計画できない

  • PC・IT環境を整える: 経営者自身がパソコンを使えないと、スタッフ側も効率悪いまま

  • 社内の見た目や動線を改善: 面接に来た応募者が「ここで働きたい」と思う清潔感・快適さ

  • 単価設定の再検討: 利益を出せなければ給与・福利厚生を手厚くできない

  • オープンブックや予算管理: スタッフが数字に興味を持ち、やる気を出しやすい環境

採用がうまくいっている会社を見ると、こうした裏方の整備をしっかり行っていることが多いのです。


2.採用に苦しむ小規模事業所の本当の課題

  • 「給料を上げたいけど、お金がない」

    • そもそも利益率や経費構造を把握できていないため、給与テーブルすら作れない

  • 「求人は出してるのに応募が全然来ない」

    • 実際、HPやSNSがなかったり、オフィス環境が汚かったり…“働くイメージ”が湧かない状態

  • **「若者が根性ないだけ」**という勘違い

    • 実は自社が“土俵”を整えていないから、そもそも応募者に選ばれない

この1か月でやるべきは、**「土俵がないまま人を呼ぶのをやめ、ちゃんと受け入れ体制を整える」**こと。


3.なぜ小規模だからこそ大切なのか

  • 一人の採用ミスが致命的: 小規模ゆえに、給与や待遇面を適当に決めてしまうと赤字リスクが直撃

  • オフィスが狭いほど見た目が大事: 「なんとなく雑然としていて動線が悪い」と思われればマイナス印象が強く残る

  • 数字の可視化でスタッフに安心を与える: 利益が明確だと「ここで働き続けても大丈夫なんだな」と感じてもらいやすい

つまり、小さいからこそ裏側の整備が効果を発揮しやすいとも言えます。


4.今後の流れ

  1. **Week 1(Day1〜14)**で、B/S・P/LやPCインフラ、経費推移表、単価調整、社内環境の清掃など“基礎づくり”にフォーカス

  2. **Week 2(Day15〜28)**で、HP・SNS・オープンブック・予算設定など“発展策”を紹介

  3. Day 29〜30でQ&Aや総まとめ

Day 1では、この導入編として「なぜ土俵づくりが採用に直結するのか?」を概観しました。明日(Day 2)からは、B/S・P/Lが読める経営者だけが“人をちゃんと雇える”理由を掘り下げていきます。


まとめ

  • 前回の30日連載で「若者に見向きされない会社」を卒業するための採用ノウハウをお伝えしましたが、今回は**さらに根本的な“土俵整備”**へ踏み込みます。

  • 経営者が社内の数字や環境を整えることで、**魅力的な“採用先”**だと思ってもらえるようになる。

  • 明日のDay 2では、最重要となるB/S・P/Lの基本理解と採用費用の関連性をお話しします。

次回予告 (Day 2)
「B/S・P/Lを知らずに人は雇えない? 経営者に必須の数字の見方」

粗利や固定費を知らずに「給料を上げたい」と言っても無理
スタッフの将来像を描くためにも、数字の基礎が欠かせない


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