【小規模事業所の採用ノウハウ】「パンは好きです」で終わっていませんか?|30日間投稿 Day4
「パンは好きです」で終わっていませんか?
面接で「好きです」「大丈夫です」だけじゃ、本音はわからない。
小規模事業所こそ、“深掘り力”と“事前のやり取り”が鍵です。
はじめに
前回(Day 3)までの記事では、求人媒体の使い方や未経験者の見極め方など、小規模事業所向けの採用戦略を中心にお話ししました。
しかし、やはり最後の決め手になるのは「面接」であり、その面接を成功させるには事前のやり取りや具体的なテストが重要だと感じています。
たとえば、「パンは好きですか?」と聞かれて、「はい、好きです!」だけで終わってしまう人。小規模事業所の場合は、ここで止まらずに「どのパン屋の何が好きなの?」とか「そのパン屋を選んでいる理由は?」を深く聞くことで、本当にその人の興味やリサーチ力、熱意が見えてきたりするんですよね。
そんな視点を踏まえつつ、**“採用面接で見抜くべき3つのポイント”**をさらに掘り下げてみたいと思います。
1.「事前の行動」をチェックする
面接当日だけでは、相手の本質は見えにくい――これは私(喜多)がずっと感じてきたことです。
事前の電話やメールでのやり取り
電話をわざとする、質問をする
書類が届いた後、こちらから電話してみる。そこですごく暗い返事しか返ってこなかったり、長時間出なかったり、あるいは失礼な言動があったりすると、結構“本質”がわかります。
「面接当日はいい感じだったのに、電話のときは全然違った…」というギャップも、ここであらかじめ把握可能。
事務所HPを見ているか
求人票に「事務所HPを必ず確認してください」と書いておく
そうすると、本当に見てきてくれた人は「HPの〇〇を読んで共感しました」とか具体的に話してくれます。
逆に「えっ、HPですか?」と全然知らないようなら、そもそも求人票を読み込んでいない可能性大。
我々が“どれだけパン屋専門か”を知っているかどうか、で熱意やリサーチ力が一気にわかるわけです(「パンは好きです」で終わらない人、ということですね)。
なぜ大事?
小規模事業所ほど“一人の人柄”が職場全体に影響します。面接当日の取り繕いだけでなく、事前対応や準備を見ることで、相手の素が垣間見えるんです。
2.面接で「どこまで深く掘れるか」が勝負
Day 2やDay 3でも触れましたが、面接での質問が浅いと、「はい、好きです!」で終わってしまいがち。
たとえばパン屋さんを例にすると、本当に好きな人なら「〇〇のフランスパンが好きです。外はパリッと、中はもちっとして…」と語るはずですよね。
具体的に「なぜ?」「どこが?」を問う
「うち(事務所・会社)を知ったきっかけは?」「どこを魅力に感じる?」
「自由そう」「アットホーム」という曖昧な表現で終わるのではなく、もっと具体的に突っ込む。
「前職(またはバイト先)で面白かった仕事は? その理由は?」
「どんな困難があって、どう工夫したのか?」などを詳しく聞き出す。
「弊社のHPを見たうえで、特に共感できたのは?」
たとえば“採用ページのどの言葉に興味を持った?”など、相手の理解度を深掘り。
なぜ大事?
好きなパン屋さんに行くなら、そのパン屋さんの特徴まで分かっているかどうかがポイント。同じように、事務所や会社のビジョンや強みをどれだけ具体的に話せるかで、応募者の本気度や理解度がかなり変わってきます。
3.「実務に必要な本質的な力」を測るテスト
前回まででも触れましたが、小規模事業所では“スキルテスト”をやるとしても、そこまで大掛かりにできない場合が多いですよね。
でも大事なのは、実務そのものをやらせるというより、“実務に必要な本質的な力”を短時間で測れるテストを用意することだと思います。
例:税理士事務所の場合
簿記の問題はあえてやらない場合もある
「未経験の人に簿記の詳細問題を解かせても、そこはあまり関係ない」と喜多が思う場合は、事務能力テストで“頭の回転”を測る。
たとえば短時間の暗記や読解テストなど、実務で必要な「吸収力」「考え方の柔軟性」などを確認。
タイピングやPC操作もチェック
PC業務が多いなら、実際にパソコンに触れてもらって、タイピングの様子を見たり、ファイル保存のやり方を簡単に試してもらうだけでも、だいぶレベル感が分かる。
なぜ大事?
口頭で「できます」と言われても、本当の実務スキルは測れない
本質的な力とは、単純に「簿記検定〇級持ってる」とかじゃなくて、“覚えの早さ”や“柔軟性”など。小規模の現場では、この“頭の回転”こそ重要な場合が多いです。
まとめ
“面接で見抜く3つのポイント”と書きましたが、実は事前の電話やHP確認の有無も含めて、「どれだけ応募者の素の部分や本気度に触れられるか」が大事なテーマ。
事前対応でコミュ力や意欲を探る
面接では「はい、好きです」で終わらせず深掘り
実務テストは“本質的な力”を測るためにデザインする
あくまでこの3つは基盤で、実際には業種や会社の特性によってアレンジが必要ですが、小規模の事務所や会社だからこそ、アットホームな体制で深く面接できる利点があります。そこをうまく活かして採用の成功率を高めてみてください。
次回予告
明日(Day 5)は、「“若者が来ない”と嘆く前に、今の求人票で魅力伝えられてますか?」
どうぞお楽しみに!