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【小規模事業所の経営者向け】採用できる“土俵づくり”30日プラン|Day 2
B/S・P/Lを知らずに人は雇えない? 経営者に必須の数字の見方
はじめに
昨日(Day 1)では、「なぜ土俵づくりが採用に直結するのか?」という大枠をお話ししました。小規模事業所ほど、裏方の数字管理や社内インフラが整っていないと、そもそも新人を迎え入れられず、採用が上手くいかないというお話でしたね。
Day 2は、その最初のステップとしてB/S(貸借対照表)・P/L(損益計算書)の超基礎を確認します。経営者自身が「なんとなくで大丈夫」「税理士さん任せ」では、スタッフの給与や福利厚生、採用費の予算なんて捻出できません。最低限の数字の見方を押さえて、次に繋げましょう。
1.B/S・P/Lが読めると何が変わるか?
人件費をちゃんとコントロール
「利益に余裕があるなら、もっと待遇を良くできる」
「今後の売上予想から逆算して、あと何人雇えるか」
こういった判断が“適当”で終わらず、裏付けをもって行える
スタッフに“将来像”を示せる
「今年はこれだけ余裕があるから、給与を少しずつ上げるつもり」と具体的に伝えられる
スタッフに安心感が生まれ、離職率が下がる
値下げ・値上げの判断が数字に基づく
「赤字ギリギリなのに料金を下げ続けている」状態から脱却できる
B/S・P/Lを知らないと根拠のない決断をしがち
ポイント
採用以前に、「人を雇うお金がどこから出て、どう回収するか?」を理解できているかが試されます。
2.超カンタンB/S・P/Lの見方
B/S:資産と負債を示す表
“今、うちの事務所にはいくらのお金があって、どれだけ借金があるか”が分かる
スタッフを増やすなら運転資金をある程度確保すべき
P/L:売上や利益を示す表
1年間または1か月間で“どれだけ売り上げ、どれだけ経費がかかり、最終的な利益がいくらか”を示す
人件費は大きな固定費なので、P/Lを見て余裕がなければ採用が難しい
ミニTips
「利益=売上-経費」と単純に思われがちだが、経費には“固定費”と“変動費”があり、スタッフを雇う場合は人件費=固定費として大きな割合を占める。
税理士の先生に丸投げで見る機会がない経営者が多いが、自分の目で見る習慣をつけたい。
3.「なんとなく」で経営すると採用は必ず失敗する
給与を出す根拠が“雰囲気”:「うちの業界だと、このくらいかな…」
それで集まる人材は給料目当てか、働き続けられないかもしれない
ボーナスを出すタイミングが適当
実際に余裕があるのか分からず無理やり出して、後で苦しくなる
経費を知らないから、『うちは待遇悪いけどしょうがない』
実際は無駄なコストがあるかもしれないのに気づかず、待遇改善ができない→人が来ない
もしあなたが「いつも採用活動が空回りする…」と感じているなら、まずB/S・P/Lを基礎から理解し、今の事務所の数字を確認してください。これがDay 1で言った“土俵づくり”の根幹です。
4.次にどうステップアップするか
PCを使って会計ソフトやスプレッドシートでB/S・P/Lを見やすく整える
毎月または毎四半期に数値を見直し、採用に回せるお金がどのくらいあるか試算
経費の内訳を深掘りし、余裕が出たら給与や福利厚生へ投資
今後の連載では、Day 3〜4でPCインフラを整える話、Day 5〜6で経費推移表&投資の話などを掘り下げていきます。
まとめ
B/S・P/Lを知ることは“採用費や人件費をどこから出すか”を明確にする第一歩。
感覚的な経営だと、結果として待遇を上げられず、求職者に魅力を示せないまま。
明日(Day 3)では、**“PCインフラを整え、数字を扱える環境”**をどう作るかを詳しくお話しします。
次回予告 (Day 3)
「数字苦手でもOK! PCインフラ整備が最初の一歩」
具体的な機器・ソフト導入、会計ツールの初歩を紹介