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【小規模事業所の採用ノウハウ】採用費ばかりかけて、肝心の面接がおろそかになっていませんか?|30日間投稿 Day12

採用費ばかりかけて、肝心の面接がおろそかになっていませんか?
「大金を投じて広告を出しても、面接で見極められなければ宝の持ち腐れ。
“いざ会ってみたらダメだった…”を繰り返していませんか?」


はじめに

前回(Day 11)では「大手に行ける優秀な人材が、なぜ小規模事業所を選んでくれるか?」という視点をお話ししました。小規模ならではの裁量ややりがい、ビジョンへの共感がカギになるという話でしたよね。

しかし、いくら魅力を発信して応募が来ても、面接で見極められず採用ミスマッチが起きるようでは台無しです。さらに、広告や紹介にそれなりの費用をかけているのに、肝心の面接がおろそかになっている――そんなケースに心当たりはありませんか?

今回は、**「採用費はかけたのに、面接を軽視して結局失敗」**というパターンを防ぐためのポイントをお話しします。


1.採用費をかけても面接時間は同じ…本当に十分ですか?

  • 広告や紹介会社に費用を払って大量の応募が来たとしても、「一人あたりに割く面接時間」や「面接の中身」が薄いと、結局採用ミスを繰り返す可能性大。

  • 小規模だからこそ、大量応募をさばく余裕がないという事情もあるかもしれませんが、それならこそ「質」を高めるしかないんです。

ポイント
面接の場が軽くなればなるほど、広告費はただの出費で終わってしまう。**“1人1時間じっくり話す”かどうかよりも、“本当に深堀りする質問をしているか?”**が重要です。


2.「面接で深掘りできないまま内定」→早期退職の典型ルート

  • たとえば、広告費を投じて来てくれた応募者に対して、「雰囲気が良さそうだから」と即決。

  • 「他の応募者もいるし、会話が盛り上がったし大丈夫でしょう」とあっさり合格にしてしまう。

  • ところが、入社後に「こんなはずじゃなかった…」とお互い食い違いが出て、数か月で退職。

広告に費やしたお金も、面接での労力もすべてムダになってしまいます。
「合わなかったなら仕方ない」は簡単ですが、小規模事業所にとって“1人の採用ミス”は大打撃。面接で探り切れなかったリスクは非常に大きいんです。


3.“質の高い面接”を行うための2つの要素

(1) 深掘り質問

  • 「なんでうちに興味を持ったの?」→「前職との違いをどこで感じている?」「長期的にどう成長したい?」

  • 「パンは好き?」と表面的な話で終わるのではなく、「どんなパンが好きで、どう選ぶの?」くらいまで具体的に聞くと、本質が見えてくる。

一問一答にせず、“どうしてそう思うのか?”“どこが魅力と思ったか?”を再度聞くだけで、応募者の価値観や本音が把握しやすくなります。

(2) 事前テストや実技の簡易チェック

  • 「PC操作ができる」と言われても、本当にできるかは試さないとわからない。

  • マニュアル手順での入力作業や、簡単な図解問題をやってもらえば、面接だけでは見えない部分を補足的に確認できます。

ポイント
費用をかけて集めた応募者こそ、丁寧に見極めるための面接が欠かせません。「たくさん来るから、さっさと選考を終わらせよう」は危険ということ。


4.経営者の“面接時間確保”を惜しまない

「広告費は出せるけど、面接に時間を割けない…」という声を聞くことがあります。しかし、小規模の経営者こそ面接に時間とエネルギーを注ぐ必要があるはず。

  • お金より大事なのは“経営者の時間”

  • 面接で盛り上がっただけ、条件だけ良かった…という判断では、せっかくの広告費も意味が薄い

「1人30分で終わらせる」でもいいのですが、その30分がただの雑談で終わらないよう、事前に聞くことリストを用意して、きちんと深堀りする質問をするのが大切です。


5.採用費ばかりかけて成果が出ないとき、まずやるべきこと

  1. 面接フローの見直し

    • 事前テストを入れる、質問リストを作る、所長やスタッフの2名体制で観察するなど、仕組みを整える。

  2. 面接後の振り返り

    • 「なぜ合格にしたのか」「不明点はちゃんと聞けたか」をその都度振り返る。

  3. 再度“必要な人物像”を言語化

    • 条件だけの求人ではなく、面接でも「こんな仕事・こんなマインドの人を探しています」と具体的に伝え、相手も納得して入社できるようにする。

「うちには合わなかった」という結果が続くなら、面接段階での見極めが甘いか、“必要な人物像”をうまく共有できていないかのどちらか。高い広告費を払い続ける前に、そこを改善するほうが遥かにコスパがいいはずです。


まとめ

小規模事業所にとって、人材募集の広告費は決して安い出費ではありません。それなのに、面接を軽視して採用ミスを繰り返すのは本当にもったいない。

  • お金をかけて集まった応募者こそ、しっかり面接で見極める

  • 深掘り質問や実技テストを組み合わせ、相手の本質を探る

  • 経営者の時間を惜しまない

これを徹底するだけで、採用成功率は格段に上がるでしょう。費用と労力がすべて無駄にならないためにも、今一度面接の在り方を振り返ってみてください。


次回予告

【小規模事業所の採用ノウハウ】“条件が悪い”と決めつけていませんか? 実は別の問題かも!|30日間投稿 Day13
次回は、経営者が「うちは条件が悪いから若者が来ないんだ…」と思っているときの落とし穴。意外と、条件以外の要因で応募者が離れているかもしれません。お楽しみに!


バックナンバー一覧
喜多の採用ノウハウまとめ


この記事は、喜多が“小規模事業所”で実際に採用を行う中で感じた経験や失敗談をベースに構成しています。広告費にお金をかけるだけではダメ。本当に大切なのは“面接での深掘り”だと痛感しませんか?

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