【小規模事業所の採用ノウハウ】“離職率0%は無理”と本気で思ってますか?|30日間投稿 Day18
“離職率0%は無理”と本気で思ってますか?
「人が辞めない職場を作るためには、結局“成長”と“利益”を確保しないと難しい。
将来性が見えなければ、どんなに雰囲気が良くても不安は拭えないんです。」
はじめに
前回(Day 17)は、「右腕が欲しい」と言うだけではうまくいかず、受け入れ態勢や経営者の“徳”が重要だとお話ししました。
そして今回のDay 18では、「離職率0%は無理だよね…」と諦めている方に向けて、小規模事業所ほど“成長性”や“利益を上げる仕組み”を示すことが大切だという視点を強調します。最低賃金や原材料費が上がる時代だからこそ、スタッフも「この会社、大丈夫かな」と不安を抱きやすい。
スタッフが「ここに居続けたい!」と思うには、会社がしっかり成長していく見通しを伝えなければならないのです。
1.辞めない職場づくりに“将来性”は不可欠
最低賃金が上がる中、給与水準を維持・アップするには会社の利益拡大が必須
スタッフが「いつまで経っても給料が増えない」「会社が苦しい」と感じると、当然将来を不安に思って転職を考える
小規模だからこそ、売上や利益が伸びればスタッフ全員に還元しやすいメリットがある
ポイント
離職率0%を目指すなら、会社が伸びていく見込みを示すのは欠かせません。雰囲気や人間関係だけでは不安を消しきれない時代です。
2.数字を“きちんと把握し、伝える”という文化
経営者だけが数字を知っていて、スタッフにはまったく共有していない状態だと、皆“実際どれくらい苦しいか、伸びているのか”が分からない
毎月の売上や利益、コスト増加の要因をスタッフに開示し、「だからこう伸ばしたい」「こう改革したい」と共有する
“社員に数字は見せるものじゃない”という時代は終わりつつあり、小規模ほど透明性を出したほうが、スタッフが主体的に動いてくれる可能性が高い
3.将来性が見えればスタッフは踏ん張る
給与アップやキャリアアップを、ちゃんと“計画”している事務所ほど、若手・中堅が辞めにくい
“数字”があって初めて目標設定が可能。たとえば「来年の利益を○○万円増やす→人件費に○○万円回す」など具体的に話せる
スタッフ側も「ここで頑張れば、報酬や役割が確実に上がっていく」と理解できる
ポイント
“今は条件が悪いけどそのうち良くなる”の空手形ではなく、具体的な数字とスケジュール感を見せることで“応援しよう”と思うスタッフが増えるわけです。
4.経営者が“伸ばす気”を見せるかどうか
**「この規模で十分」**と現状維持志向の経営者だと、スタッフは将来が描けず不安になる
最低賃金や経費が上がるなか、利益拡大が見込めなければ維持すら困難
結局、会社が伸びるかどうかは“経営者の覚悟”にかかっており、その姿勢をスタッフが感じ取れば離職しにくくなる可能性大
5.具体的に何をすればいい?
経営計画や予算目標を設定し、スタッフに共有
「来年度は売上○%アップ、利益△%増で、給与も○万円上げたい」と公言
定期的に数字を振り返り、全員でアイデアを出し合う
「今月の売上は○%伸びたが、材料費が上がったので利益が…」など、リアルな数字を全員で理解
成果や成長をスタッフに還元する仕組み
わずかでもいいから、上がった利益の一部を賞与や資格支援に回すなどモチベーションアップ施策
ポイント
スタッフは「会社が本気で成長を目指している」こと、そして「自分もその成果を享受できる」ことを感じられれば、簡単には辞めません。
まとめ
「離職率0%は無理」という思い込みは、もしかすると会社が伸びる可能性をスタッフに伝えきれていないから来ているのかもしれません。
最低賃金や原材料費の上昇に負けず、利益を増やす具体的プランを立てる
数字をきちんと把握し、スタッフに共有する
成長したら待遇やキャリアに還元する道筋を示す
小規模事業所だからこそ、全員を巻き込んで“わが事”として経営に取り組む土壌が作りやすいのではないでしょうか。そこが整えば、“辞めない職場”は決して夢ではないと感じます。
次回予告
【小規模事業所の採用ノウハウ】キャリアパスが曖昧で、若手に選ばれるはずがないと思いませんか?|30日間投稿 Day19
次回は、「キャリアパスや将来像が曖昧なままで若手が入るはずがない」という視点。会社と人の夢をすり合わせるためのキャリア設計が、実は採用の鍵になっているかもしれません。お楽しみに!
この記事は、喜多が“小規模事業所”での採用や運営を経験し、「成長意欲がない会社ではスタッフが不安になり辞めやすい」という事例を数多く見たことを背景に構成しています。利益を増やし続ける覚悟と数字の共有こそが、離職率0%に近づく道かもしれません。