写真で見る日本の伝統色(5)二藍
日本には、古くから多くの種類の色が伝えられています。そんな「伝統色」の数々を写真とともに紹介して行きたいと思います。
第5回目は「二藍(ふたあい)」です。二藍は江戸時代からの染色法で、藍で染めた後に紅花を重ねた色を指します。紅は「紅藍(くれない)」とも表記されることから、2種類の藍を重ねたことが色名の由来となっています。このため、色味にはある程度の幅があり、それぞれの染料の濃度により色相が変わります。
自然界では、昼と夜との境目の時間帯にこの色は多く出現します。残照の紅色と夜のはじまりの藍色が混ざり合い、あたりは幻想的な風景に包まれます。
風景がこの色に輝くのはごくわずかの時間。少しずつ青が支配を強めていき、やがて完全な夜が訪れます。
毎年5月に見頃を迎える「あしかがフラワーパーク」の大藤。ライトアップされたその姿も、二藍に輝いていました。
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