お手軽ディストピア飯
100均に行くとつい目をむけてしまうアイテムがある。
仕切り皿である。
43歳児の僕には大変魅力的なお子様ランチ用プレート…いや、厄介な大人様ディストピアディナープレートに見えてしまうのだ。
アルミ製ならもっと良い。
何言ってんだコイツはと思われる人も多いかもしれないが、ディストピアで栄養を管理されながら食べる謎の合成肉なんかは厄介な大人の憧れの1つなのだ。
間違いない。
ディストピア、逆ユートピアとも言われるこの管理社会で、管理された食事を食べてみたいのだ。
味気無い物が良い。
カロリーバーとか錠剤とか。
食べ物を創造しにくい人工的な色合いだと尚良い。
食紅の青色とか使って欲しい(どんな色でも食『紅』というのはどうなんだろうと毎回思う)
で、そういう管理社会の管理された食事を管理された食堂の青白い照明の下で食べながら同僚にグチるのだ。
「本物の肉を食べてみてぇな」
「そんなもん、この世にはねぇよ」
乾いた笑いを青くもったりとしたドリンクと共に内臓に落とし込む。
それこそが四十三歳男児の夢なのである。
しょーも無い夢だが、こちとら四十三歳児。
その夢!自力で叶えるのだ!
ライフで!
用意するのはうな次郎
そして、パックのごはんである
うな次郎をパックごはんに乗せるだけでニセうな重…いやディストピアうな重の完成である。
ヤッター!
妻の視線のなんと寒々しい事か!
「そういや第三工区の方で爆発が有ったらしいな…」
とか言いながら食べればより雰囲気抜群である。
お手軽ディストピア、是非ともお試し頂きたい。
ちなみに味は微妙である。
ウナギというより生臭い蒲鉾といった感じで、以前食べた『ほぼホタテ』のほうが本物に近い。
という事を松屋で考えていたが、松屋の定食の方がよっぽどディストピア味を感じるような気がしてきた。
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