君はすごい! って叫びたい。
最近の高校生は写真撮るのが上手すぎる。
友達の妹を最近の高校生としてひとまとめにしていいのかという問題は置き去りにしながら、ディズニーランドに行ってきたという写真を見せてもらった。その写真がそれはそれは上手い。CDのジャケットかと思うほど、フォトジェニックだった。すでに構図が上手い。私がせめて正面からピースとかなのに、どこにカメラを置いているんだか、足下から撮ったような写真や、躍動感溢れるジャンプで跳び蹴りしている写真もあった。見紛うことなきライダーキックだ。
ポーズや表情もキメられていて、なにかのコンテストに応募するんだろうかと思えたが、そんな写真がどっさり。自分のスマホの写真を見返すと、味気ないなと思った。アルバムのなかはスクリーンショットばかりだ。
スマホで何でもできる世代に思えるのも無理はない。少なくとも、私がデジカメで必死に撮るよりも、よっぽどかっこいい写真が撮れる。音楽も聴いているし、動画も見ているし、本当に何でもデキるなと思った。
むしろ私は今まで、スマホは受信端末に過ぎず、それでなにか生産するのはすごく難しいと思っていた。レポートや動画の作成も、スマホでやるよりも、パソコンでやるほうがいいものができるし、品質も高くなる。そう思っていた。
もちろん、品質はそうだろう。画質や音質はしっかりした機材を使った方がいいし、レポートだって、パソコンで打ち込む方が私は早い。ただ、試作品を作るにあたっては、スマホはかなり高い品質のものを生み出すことができる。
最近、働いている出版社で「動画を作って欲しい」と言う話が出た。それ以外はなにもない状態で、とにかく「動画を作って欲しい」そこでまず取りかかるのが、試作品の作成だ。ざっくりとテーマを聞いて、どんな動画を作って欲しいのかを突き止めたら、30秒の試作品を作る。今回はcafeのPRをしたいというオーダーが見えたので、スマホで写真を撮り、パワーポイントとムービーメーカーで画像を動かしながら一本作る。
すると「そうそう、こんなので、それからここを変えたくて」と、もっとたくさんの要望が出てきた。もちろん、全部作り直しになるが、しかし、この試作品として目の前に出せるというのはとても強い。
私はスマホとパソコンを併用して作るが、高校生たちはおそらくスマホ1つで試作品を作れてしまう。とてもざっくりとした要望に「例えば、こんなのですか」とその場で見せたり、もしくは、作り出してしまえる。それも、さらっと、作るのでもしかしたらまだそれがすごいことだと気が付いていない人も多いのかもしれない。
高校生! 君たちはすごいんだぞ!
会議をして、発注して試作品を作っていた世界だったのに、今や会議中に試作品を見せたり、作ったりできる。
これは本当にすごいんだ!
スマホの中に詰め込まれた写真に息を飲んだ私の直感は、間違っていないと思う。
すっごい世代が、すぐ後ろに迫っている。