知られざる、小さき住人たち
皆さん、こんにちは!!
北里アクアリウムラボ15期生の長澤と申します。
7月があっという間に過ぎ去り、今年ももう8月へと突入しました。早いですね〜〜😅
この記事を読んでいらっしゃる方々は8月中にどんな予定を立てていますでしょうか?………
えっ、私??
私はというと………
とてもじゃないですが、やるべき事が多すぎて何も身動きが取れなさそうな状況です🥲
さてさて、先月は試験に課題に企画展準備と、なかなかハードな日々を過ごしてきました。それに加えて連日の暑さのおかげでもうバテバテで……………
そんなある日のこと、私は気分転換のためにラボの水槽を眺めていました。
「やっぱりかわいいな〜〜〜」
「綺麗だな〜〜〜」
「……………………………………………………」
って、アレ???
君たちは一体何者???
そう、私は見つけてしまったのです。
『知られざる、小さき住人たち』を………😰
今回は、そんな『彼ら』の一部をご紹介していきたいと思います。
①水槽を彩る小さな""花""
まず最初はこちらから!
ラボのちょうど真ん中に位置する、熱帯域の海をイメージした水槽です!
ラボの中でも特に目を引くこの水槽ですが、早速ここに『彼ら』は存在しました。
「クマノミ、かわいいな〜〜〜」
いやいや、そっちじゃありませんよ!?
写真の赤丸で囲われている、花のような形の何か。これがまさに『彼ら』であり、『ケヤリムシ』と呼ばれる生き物なのです!
ケヤリムシは、環形動物門・多毛鋼・ケヤリムシ目に属する生き物の総称です。
環形動物門には釣り餌に使われるイソメやゴカイも属していて、お互いに遠い親戚関係にあります。見た目だけだと、なんだかイソギンチャクみたい…🤔
彼らは自らが作った棲管に住み、頭部に生えた鰓冠(さいかん)だけを出して呼吸や食事をしています。
現時点では細かい種類まで同定に至りませんでしたが、かなり目立つところにいるので今後調べていきたいと思います!
②これでも生き物なのだ!
お次はこの水槽!
先ほどの水槽のちょうど反対側にあります。
実はここ、『彼ら』の一大拠点となっているのですが、その中でも特に注目したいのがこちらの生き物です!
「え、これって生き物なの??🫨」
そう、実はこちら『エダアシクラゲ』の""ポリプ""なのです…!
エダアシクラゲは、刺胞動物門・ヒドロ虫綱・花クラゲ目のエダアシクラゲ科・エダアシクラゲ属に属するクラゲの仲間です。
クラゲの仲間はその生活史(サイクル)に固着生活をする『ポリプ世代」と、浮遊生活をする「クラゲ世代」を持っています。普段私たちがクラゲと呼び親しんでいるのは基本的に「クラゲ世代」の方ですね!
水槽側面に張り付いていたのは「ポリプ世代」の方。この形態では条件さえ揃っていれば無性生殖によりほぼ無限に増殖することができます!す、すごい………🫢
そしてさらに、温度変化などの刺激が加わることで、ポリプからはクラゲやその前の段階である「エフィラ」が生まれます!
現在、ラボで正式に展示が行われているクラゲはミズクラゲやアマクサクラゲなどの全4種類ですが、将来的にこのエダアシクラゲも加わることになるかもしれません…!
③◯◯捕獲作戦
ついに最後!と、言いたいところなのですが…
先日、ここで紹介しようとした水槽が改装されると知り、大慌てで『彼ら』を捕まえたため水槽全体の写真を用意することができませんでした😢
(現在はすでに改装も終わり、以前とは全く異なる展示を行なっています!
ちょうどラボの出口付近にあるので、来る機会があればぜひ確認してみてくださいね😆)
話は戻りますが、私は『彼ら』が石の裏に隠れていたのを以前より知っていたので、まずは石ごと水を張ったボウルに取り出してみました…
そしてしばらく放置し、石のみを取り出してみると……
うーん………
細かい何かが沢山出てきましたが、これだけだと分かりづらいですね。
では、1匹だけ取り出して拡大してみましょう!
出ましたっ!これこそが私が紹介したかった『ヨコエビ』です!!
ヨコエビは節足動物門・軟甲綱・端脚目に属する生き物の総称です。
節足動物門といえば、カニやエビ、昆虫、クモなどを含む一大グループ!中でもこのヨコエビは非常に多様性に富んでおり、深海から地上にまで様々な環境に生息しています!
その数も膨大で、時には分解者として、あるいは様々な生物の餌として生態系を支えています!😤
そしてこのヨコエビ、他の水槽にもいることを発見しました!
発見したのは、先ほどエダアシクラゲを紹介した際の水槽です!ただし大きはより小さく、全身が透明だったため、取り出して観察したヨコエビとは別種なのかもしれません。
どちらもまだ同定には至っておらず、現在挑戦中です!
④『彼ら』は一体何処から?
そもそも何故、『彼ら』が水槽の至るところにいるのでしょうか?基本的に、水槽には展示する生き物しか入れていない筈です。
ここで鍵となるのが、水槽内に配置された数々の『石』です…!
多くのアクアリウムショップでは、いわゆる『ライブロック』と呼ばれる石が販売されています。これは無数の微生物を含んだ石で、水槽内の環境を整える目的で使われます。
ここからは私の推測ですが、恐らくかつてラボではライブロックを各水槽に導入したことがあり、そこに潜んでいた『彼ら』が今もなお水槽の中で暮らしているのだと思われます…!!
ここまで長々と紹介してきましたが、これでもなんとまだ一部に過ぎません。
実はラボの様々な水槽に『彼ら』は潜んでいます…!!
次にまた機会があれば、じっくりと紹介していきたいと思います。
(散々『彼ら』と格好つけて呼んでいましたが、つまるところ『様々な小動物』のことですね😄)
北里アクアリウムラボは、予約不要・入館料無料です!!
なお、団体のお客様は事前予約が必要となります。
ご予約の際は、
・希望日時
・代表者氏名
・人数
・電話番号
の4点を海洋生命科学部事務室学生課(042-778-7919)へ、お電話にてお伝えください。
開館時間は""平日10:00〜16:00""となっています!
ここまで読んでいただき、誠にありがとうございました!!!🙇
参考文献
①日本水産学会シンポジウム記録「II.クラゲ類の生態学 II-1. クラゲの生活史」三宅 裕志 https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/71/6/71_6_979/_pdf(閲覧日:2024年8月4日)
②charm「微生物の住処 ライブロック特集」https://shopping.geocities.jp/chanet/archives/docs/liverock/(閲覧日:2024年8月5日)