【レース予想】秋風来る 2024 シリウスS / スプリンターズS全頭コメント【教育系競馬予想】

予想発表の方針はこちら。


シリウスS

馬場予想・バイアス

 先週の中京競馬のダート競走はそこそこ時計がかかっている。少なくとも高速馬場という感じではない。雨もほぼ考えなくてよさそう。

ペース予想

 逃げ馬がいない。展開が非常に読みづらく、オメガギネスが先手をとるかもしれない。ペースはスローかもしれないが後続馬がそれを見越して向こう正面で動く展開なども考えられ、予断を許さない。予想勝ちタイムは1分57秒台~58秒台くらい。

予想区分とその理由 

 予想区分はB。 

 現状オメガギネスが一番人気である。前走は2着に1秒以上をつける圧勝だがタイムは普通だし着差ほどの価値はないと思っている。斤量は1キロ増えての59キロ、コースも二度の坂越えを含む中京1900は1800ともまた異なる適性が要求されるので、簡単ではないはずだ、というのが出発点。
 ロコポルティが二連勝で休み明けとは言え勢いがあり、このコースにも実績がある。勝利に最も近いのではないかとにらんでいる。実績上位のハギノアレグリアスは年齢的に上積みが見込めず、中京大得意のハピがスローの団子レースが予想される展開で大外枠を引き、詰めの甘さも考えると早めにも動きづらいという状況。その他にはオープンで実績のある馬が少ないメンバー構成。
 そこで、ビヨンドザファザーに目をつけた。三走前の東京での好走、二走前の盛岡での交流重賞2着などから、左回りの中距離戦がベストの馬で重賞での好走の下地も既に作れていると見る。テンに置かれる馬で、忙しかった前走から中京の1900でじっくり走れるのは好転。あとはペースが遅くなるとキツイのだが、スロー濃厚とは言っても上がりの速い展開はあまり想定しておらず、この距離に適性のない馬が脱落していく直線の攻防になると案外差し届くのではないかという見立てである。
 理想は他馬が向正面でまくったりして乱ペースになる展開である。
 サンデーファンデーが逃げの手に出るならこれが残る目もありそう。

結論

馬連 4-9 (60%)
   5-9 (20%)
   1-9 、8-9(各10%)

スプリンターズS・全頭コメント

①オオバンブルマイ
 前走キーンランドCの最後は鬼脚だったが、札幌でこの脚が使えるとなると洋芝巧者である可能性が高まっている。洋芝に向いている馬が同じくらいの能力を野芝でも発揮できる確率は高くはない。札幌で33秒2の脚を使えるなら中山なら32秒5くらいでは上がって来ることが期待されるが、そのような単純な比例計算にはならないのではないか。脚質から言って最内もいいとは思わない。

②トウシンマカオ
 京阪杯二連覇、が一番強い競馬をしていたように見えていた。跳びが大きめで外枠を好み、そのことが、外差しが届きやすい秋の京都開催の京阪杯とマッチしていたのだろう。ダメかと思われていた左回りで前走脅威の末脚を発揮した。この勝ち方は本当に強かったとは思うが、ママコチャとの斤量が2キロ詰まることやこれまでのG1で一歩どころか一歩半、二歩足りていなかったことが多いことを考えると、内枠に入ってしまった今回そこまで大きな躍進があるとは思えない。4~6着のイメージである。

③ウインマーベル
 間違いなく実力のある馬だが、阪神C、阪急杯、京王杯SCの勝ちを見ても1400がベストであることは疑いない。3歳時のスプリンターズSで2着しているが、この時が7歳馬ジャンダルムが勝ってタイムが1分7秒8、いかにもレベルが平凡。昨年が8番人気6着で、これくらいが実力相応の順位。歳を重ねるに従って適性が1200よりは1400、となってきているように思える。

④エイシンスポッター
 前走は名手モレイラの敏腕炸裂。それでも勝つ匂いはまったく感じられない完敗の2着で、それ以上の結果を求めるのは難しそう。ペースが上がれば上がるほど差しやすいはずなのに前との距離が開いて差し届きにくくなるという矛盾を体現する競走馬である。斤量58キロでの成績もよくない。

⑤ナムラクレア
 昨年スプリンターズSや今春高松宮記念までは恐らく馬券購入者・ファンが皆「今度こそは今度こそは」と思っていたはずだが、今回はキーンランドCで3着を外したことなどからも「さすがにもう無理か」「年齢的にも厳しくなってきたな」の空気に変わりつつあると思うのである。私もまあそう思っている。しかし、オカルト的な話にはなるが、周りの空気がそっちに傾きつつある今回だからこそ馬券的には逆に狙い目があるとも思うのである。実力は疑いない。浜中騎手がほぞをかむ展開を、横山武史、作れるか。

⑥ママコチャ
 ナムラクレアと逆のことが言える。セントウルSで休み明けの57キロで好走した。斤量が減る今回は「連覇だ!」の空気になると思うのである。どうやっても前走より能力が出せそう。そういう時に意外と落とし穴がある。この馬のキャリアで私が最も強さを感じたレースは京都1400安土城S。1200に対応はするがその豊富なスピードで1400なら敵なし、というのがこの馬の本来の姿ではないか? 昨年は坂でマッドクールに一気に差を詰められた。中山が向いてる、ってほどではないと思う。

⑦マッドクール
 高松宮記念を勝ったときでも「馬はまだ未完成の状態」というニュアンスのコメントが出ていた。この半年の休養を経て、馬はいよいよ充実期に入っているのではないかと期待される。調教の動きなどからも、半年ぶりでも力は出せそうである。昨年のスプリンターズSでは坂で一気にママコチャとの差を詰めたが、坂を登り切ってからは差が詰まらず、最後の最後一歩届かなかった。今春の高松宮記念では完勝かと思われた矢先、坂を登ってからナムラクレアの強襲に遭ってヒヤヒヤの勝利だった。他馬との相対的な比較で坂の走りに特長がある。最後の直線に坂のある中山はベストの舞台だと思う。

⑧モズメイメイ
 見事に脚質転換を果たしたが、G1でもそれが通用するかどうかというと疑問符である。夏のレースを使ってきて疲労のたまりも心配。

⑨ムゲン
 香港競馬には詳しくないのだが、どうも脚質的には差しのようである。差し馬を狙うなら日本馬にもっと良い馬がいそうではないかという感じもする。

⑩ピューロマジック
 横山典に騎手が交替となった。どう乗ってくるかが一番(私にとっては)読みにくい人である。私はこの馬はスタートセンス・スタートダッシュ力を生かして逃げ馬のまま育てるのがよいと思っているのだが、まあそれは外野の勝手な言い分で、内部の関係者的にはそうでもないのだろう。「前3F32秒8」くらいの逃げを打ってほしいと思っていたのだが、そんな展開にはならなそうだ。控える展開まであり得る。急速に魅力を失いつつある。

⑪ダノンスコーピオン
 競走成績を見ていると、世間でのこの馬に対する期待や評判を聞いていると、「能力はあるけど何かが邪魔をして力を発揮しない状態」が続いているのかなという感じがする。もしそうだとすると、最も厄介な状態である。

⑫サトノレーヴ
 中山2戦2勝だが、果たして中山が向いているのだろうか。ここ2戦の強さ。平坦・洋芝の方が向いているのではないか? 中山1200で行われた春雷Sは勝つには勝ったが、わずかの差を詰めさせない強さを感じるには感じたが、G1を狙う馬としては平凡な相手に僅差の勝利である。調教では舌を出して走るようなところも出てきたようだ。強いのは確かである。しかし、G1初挑戦の馬であることも事実である。

⑬ルガル
 今年1月のシルクロードSは驚愕の強さだ。スタート抜群。2番手追走。結果的には中団~後方にいた馬たちが上位を占める展開の中、たった一頭先行から抜け出して後続を突き放す3馬身差快勝。2着のアグリは昨年のスプリンターズS2番人気、阪急杯勝ちやセントウルS2着の実績もある、この時点で決して弱い馬ではない。G1を狙えるだけの勝ち方だったと思う。しかし、坂のコースでの経験実績がまるでない。関東遠征の経験もほぼない。骨折休養明け。常識的感覚は「今回はさすがに厳しいよ」と教えてはいるが…

⑭ビクターザウィナー
 高松宮記念でも走りを見るに、今回は十分チャンスだろう。あのときは直線で真ん中に出した判断が必ずしもよいとは言えなかった。今回はモレイラを配して万全、ピューロマジックの出方が怪しく単騎逃げの展開まで見えてきた。連勝馬券には絶対にみ込んでおきたい馬だと思う。

⑮ヴェントヴォーチェ
 今まで1年半も何をしていたのか。新聞を見ると「脚部不安」とある。そうなのか。それなら仕方ないが…この馬をあまり知らないという人には昨年のオーシャンSのVTRをもう一度見ることをお勧めする。ルガルのシルクロードSと同様、いやそれ以上の驚愕の強さである。しかもルガルと違うのは、オーシャンSが中山1200で行われており既にこのコースへの適性を十二分に示している点である(一昨年の春雷Sもすごい勝ちっぷり)。昨年の3月、私はこのヴェントヴォーチェのあまりの強さに触れ、「G1が狙える」「しかしもう6歳か、もう今年の秋のスプリンターズSがラストチャンスだぞ」とやきもきしていたのである。気付いたら、6歳の秋どころか、7歳の秋になってしまった。生涯戦績は計15戦、「使い減りしていない」と言えなくもない。全7勝が1200以下、うち重賞2勝。狙ってみては?という声が脳内に響いている。

⑯ウイングレイテスト
 調教の動きも良かったようで、59キロを背負って好走したここ二走からも、十分狙える馬だと思っていた。しかし、大外枠に… やや狙いにくい感じにはなってしまった。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?