彼女になりたくない物語(3)
今回のお店は、私のお気に入りの創作居酒屋。
「先に始めちゃいましょうか」
と声をかけ、ドリンクを注文。
「麻友子さん、改めてご婚約おめでとうございます!乾杯」
音頭を取り、グラスの甲高い音が重なる。
彼はひと口ふた口、口をつけたくらいでグラスを置き、私に声をかけた。
「結ちゃん、もういいよね?」
公園で見つけた宝物を披露したい子どもみたい。
無邪気な様子が、心に刺さる。
だめだ。封印したはずなのに。
彼はどんなキスをするんだろう。
彼はどんなSEXをするんだろう。
…どんな顔