カーボンニュートラルより重要な事
地球温暖化問題を考えた時、二酸化炭素削減だけやれば解決すると思っていたら非常に危険だと思う。 空気中の二酸化炭素含有量が増え、気温が上がっていることは事実だ。 ただ、二酸化炭素排出量が増えたから気温が上がってきたのか? 気温が上がったから、二酸化炭素含有が増えたのか?
これが絶対にどちらかだと特定することは、今の科学では困難だと思う。 ようは、人間の二酸化炭素排出が原因で気温上昇が起こっている可能性だけでなく、他の可能性も有り得ることも想定した上で、地球温暖化問題に取り組んだほうが良いと思う。いわば、地球温暖化問題とはその原因を完全特定できず『不確実性』があることをしっかり認めた上で、政策を作り出さねばならない。
ただし、人間の二酸化炭素排出量が原因である可能性もあるんだから、カーボンニュートラルもやっておいた方が良い、という考えと対立する気は全く無い。 要はカーボンニュートラルを実現しても地球温暖化問題が解決しない可能性もあることはしっかり知っておくべきだ。
地球の温暖化自体が起こっていないという主張もあったけど、こちらはほぼ消えて温暖化自体は起こっているようだ。これは世界全体の二酸化炭素含有量と気温をみると、いきなり寒冷化に向かうような状態では無い事はどう見ても明らかだ。
いわば、極めて高い確率で地球温暖化が起こる可能性が高いので、少なくともカーボンニュートラルのみに人類のリソースを全て傾けて行動するより、地球温暖化そのものに対して、人類が適応するような政策を一番最初にするべきでは無いだろうか。
温度上昇によって起こる自然環境変化に対し適応するのは、カーボンニュートラルより優先順位は高く成るはずだ。 日本の場合は雨量の増大に対して、対応するインフラは絶対に必須だろう。
ただ現在、これをやりたくても、異常ともいえる土建屋叩きによって、人材そのものが少なく成ると、共に高齢化し出来なく成っている。 特に地方の土建業は本当に酷い状況に成っている。 老朽化した橋や水道などすら、修繕の着工が出来ないのだ。
正直、衰退の激しい地方などの場合、作業員を都市部から引き抜いて、地方自治体が高給で正規雇用することまでやらないと厳しいと思う。 市場に任せていては、本当に危険な状況に追い込まれつつあるのだ。
日本の場合、カーボンニュートラルより優先順位が高いはずの問題を酷くないがしろにしている。本当に恐ろしいことにだ。
少なくともカーボンニュートラル問題には不確実性が含まれている問題であることを理解せずに、強引に決め打ちして、短期間で解決を図ろうとしてはならない。むしろ、地球温暖化に対処する国土強靭化や温度上昇に伴った農業の変革をまず優先させた上で、カーボンニュートラルにも取り組むという手順は凄く重要なのだ。すなわち、きちんと不確実性があることを認めながら、政策の重要度や優先度を考える作業は絶対に必要なのである。
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