子でもが来年、高校生になったら、この町から転出しようと思います。
平成20年頃に私は、住民課で保険年金係をしていました。
この数年間が私の公務員生活に大きな影響を受け、方向が上向きになったときでした。
「北野さん、今日は、相談があります。」
牧村さんのお母さんだ。
「あの、私の実家が、大垣市なんですけど、来年、子供が高校生になる予定なんで、来年の4月になったら、子供を大垣に転出させてもいいですか。」
「わかりました。私たちは、居住の自由があるんで、原則、好きなことろに住むことができます。ただ、未成年なんで、もう少し、お聞きしてもいいですか。相談室もありますし。」
「いいえ、ここで結構です。
北野さんに毎月、申請してますけど、福祉医療の。子供が低身長症なんですね。
それで、できることはしてあげたいと思って、毎月、整形外科へ通ってるんです。今のところ、保険が効くんで、交通費だけでいいんですけど、この町、福祉医療は、中学生までなんですよね。
大垣市は、高校生まで無料なんです。
「よくわかりました。僕も、牧村さんと同じ年齢の子どもがいます。
できることは、なんでもしてあげたいですよね。
今日は、時間ありませんか。これから、うちの課長や町長にも、伝えてほしいと思って。
最後に、胸のうちをぶちまけて、転出してほしいんです。後悔がないように。」
「そんな。いいです。北野さんが、聞いてくれただけで、いいです。
もう、家族で決めたことですから、大丈夫です。できれば、北野さんにお任せします。」
翌年3月の広報
【平成23年度から町の福祉医療は、高校生まで延長されます。】
あのあと、課長を通して町長に伝えられ、福祉医療は、中学生まで無料から、高校生世代まで無料化するという方向となった。
当時に財政課からは、次年度の政策課題として、福祉医療費が、高校世代に延長の場合、その財源を国県に調査せよとのことと、低身長証に加え、幼少期における特殊な疾病について、医療費及び今後3年間の推計、近隣の対応状況のレポートのタスクが通知された。