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blender 4.3 モディファイア 詳説 - Screw スクリュー

使用頻度の高いモディファイアから、可能なかぎり、すべてのオブション、機能を整理しています。今回は、初心者のチュートリアルなどでおなじみの、スクリューモディファイア。


環境 Blender 4.3.0 , Mac Mini M1 OS 14.4



Axis - 軸座標


スクリューモディファイアは、X、Y、Z のいずれかを軸として、オブジェクトを回転させ形状を生成する機能。たとえば、下のような頂点と辺のみでできたオブジェクトにスクリューモディファイアを適用する。

X 軸視点。オブジェクトの原点はワールド原点(中央の底)
軸座標は Z Z を軸に回転
軸座標は Y Y を軸に回転
軸座標は X X を軸に回転。ここでは平面オブジェクトになる。




Angle - 角度


回転の角度を指定できる。デフォルトでは、360度回転するが、下では、180 とし、半回転させた。

角度 180 座標軸 Z の場合



Steps Viewport - ビューのステップ数


ビューポート表示時の、回転のステップ数(細分化数)を指定できる。「レンダー」はレンダリング時のステップ数。

ビューのステップ数 32 64



Axis Object - 軸オブジェクト


回転軸をオブジェクト原点ではなく、別オブジェクトを指定できる。下では、エンプティ > 十字 オブジェクトを軸オブジェクトに指定した。

軸オブジェクトにエンプティ(Empty)オブジェクトを指定
エンプティを、ここでは Y 軸に右に移動。左に移動。


Screw - スクリュー


回転に「ねじれ」を加えることができる。たとえば、下のような円オブジェクトに、スクリューモディファイアを適用する。

X軸、Z軸からみたオブジェクト。原点はワールド原点。
スクリュー 0 トーラスができる。
スクリュー 3 m 上方向へねじれが生じる


Iterations - 反復


上で適用した「ねじれ」に、繰り返しを加える。

反復 3 スプリング状のオブジェクトができる。



Merge - マージ

たとえば、下のネジ状のオブジェクト等を生成した場合などで、辺間にすきまや重なりができることがある。本来、このようなケースに、距離の近い頂点を接合する機能が「マージ」であるはずだが、この機能を確認できなかった。

すきま、あるいは重なりができてしまう場合

このケースでは、始点/終点のマージも含め、溶接(Weld)モディファイアの追加で解決できる。

溶接(Weld)モディファイアを追加。

チュートリアルなどでも溶接モディファイアで代用していることが多く、簡易でスマートな解決法なので、これらのケースではとくに問題がないが、スクリューのマージ機能についてご存知の方がおられたらコメントしてください。


Stretch UVs - ストレッチUV


左の平面オブジェクトにスクリューモディファイアを適用した場合。
中央 : ストレッチUV OFF 右 : ストレッチUV ON

UV の適用されたオブジェクトの場合、角度の大小によって生じる UV の伸長を補正する機能と思われる。


Normals


ノーマル(法線)の処理を行う。

Smooth Shading - スムーズシェーディング

スムーズシェーディング OFF ON

Flip - 逆転

逆転 OFF ON 赤い表示は不正(面の向きが逆)

辺のみのオブジェクトにスクリューモディファイアを適用するなどして、表面が不自然に暗くなる場合は、ビューポートオーバーレイで「面の向き」を確認し、「逆転」を ON にして、ノーマルの向きを反転できる。

Calculate Order - 順序を計算 の詳細については現状で不明。オブジェクトの形状によっては、このオプションを ON にすることでノーマルの不正を解決できることがある。


TIPS

スクリューモディファイアをかけても思うような形状にならない多くの原因は、オブジェクトの原点の位置と、「回転」だ。ほとんどの場合、原点の位置が回転の中心にあることを確認し、オブジェクトモードで、オブジェクト > 適用 > 回転を実行して「回転」をリセットすることで解決できる。


参考

ねじの作り方。上下の先端と終端を閉じる方法(6:00〜)は参考になる。なお、単にボルト状のオブジェクトが必要な場合は、BoltFactory というフリーのアドオン/エクステンションも。


まとめ


この機能を使い、壺やコップを作っている方も多いのでは。また、名称の通り、ねじ、ばねを作るのにも便利なモディファイアです。参考になれば幸いです。


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