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blender 4.2 EEVEE NEXT グラスマテリアル設定
blender 4.2 から、EEVEE レンダリングエンジンに、2.0 あるいは NEXT と呼ばれる大きなアップデートがありました。
ガラス(グラス)マテリアルについても、設定が従来とはやや異なっています。比較的リアルなガラスマテリアルの作成について、かんたんにまとめました。
blender 4.0 4.1 EEVEE の設定については、下記事にまとめています。シーンはそのときのものとほぼ同じ。
環境 Blender 4.2.0 , Mac Mini M1 OS 14.4
テストシーン
床といくつかの小物を配置したシンプルなシーンを用意した。照明は、左からのエリアライト、および、HDRI による背景光のみ。
エリアライトは、サイズ 0.4 m パワー 40W。影を明確にするため、通常よりサイズを小さくしている。
![](https://assets.st-note.com/img/1721460814374-BeEkQTr5xC.png?width=1200)
背景(環境)光に使用した HDRI は、
PolyHaven から入手した brown_photostudio_02_4k.hdr
cycles
比較のため、まず、cycles のデフォルト設定でレンダリングを行った。
![](https://assets.st-note.com/img/1721460969510-QUC7aYazTQ.png?width=1200)
グラスマテリアルは、デフォルトの グラス BSDF。
![](https://assets.st-note.com/img/1721462002325-gPqqpivcrh.png?width=1200)
EEVEE
そのまま、EEVEE に切り替えてレンダリング。
![](https://assets.st-note.com/img/1721461287212-68CyJtliq1.png?width=1200)
4.1 以前と同様、デフォルトでは、グラスマテリアルは正しく表示されない。
マテリアル設定
グラスのマテリアルプロパティ、設定 > サーフェス > レイトレース伝播(Raytraced Transmission) にチェックを入れる。
![](https://assets.st-note.com/img/1721462435853-Cg86aRaoSG.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1721462680229-8dq7x8kwGS.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1721462700120-bcViIJBGm2.png?width=1200)
「幅」の値は、形状によって適しているオプションが異なり、板ガラスのような平面のオブジェクトは「厚みのある板」が適しているようだ。
マテリアル修正
EEVEE NEXT 新機能の「レイトレーシング」は、ガラスの屈折まで正しく処理できる段階ではないようで、右の板ガラス以外は、ガラスの表情がすこし不自然だ。
4.1 以前でも適用していたマテリアルノードの修正を加える。
![](https://assets.st-note.com/img/1721524657928-qJy7xloqm1.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1721524746478-cEdNJvGvFK.png?width=1200)
ノードの変更後、影の透過がやや不自然になったので、通常に影に変更。
![](https://assets.st-note.com/img/1721524980941-HW2EAPKMWD.png?width=1200)
比較的自然なグラス表現になった。このシェーダーでは、フレネルノードを利用し、反射率の高い周辺部分と、低い中央部分に異なるシェーダーを表示させ、擬似的にガラスを表現している。物理的には正しくない。
![](https://assets.st-note.com/img/1721525807223-uJZ3RXiVyK.png?width=1200)
結果
レンダリング結果。下は比較用の cycles によるレンダリング。
![](https://assets.st-note.com/img/1721526162006-3EYeS08axi.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1721526169378-uJABiUpyPd.png?width=1200)
設定にもよるかと思うが、とくに左の CS の表現はいまひとつ。フェイク的なシェーダーなので、ガラスによる屈折も表現されていない。ただ、フォトリアルにこだわらなければ、実用的なレベルではないか。
まとめ
大幅なアップデートがあった EEVEE ですが、ガラスマテリアルに関しては大きな進展はなかったようで、リアルな質感については cycles にまだアドバンテージがあるようです。あるいは、細かな設定調整や、みせかたの工夫しだいになるかもしれません。参考まで。
普段みなれているガラスや水ですが、CGによる再現はわれわれが考えるよりもずっと複雑で、リアルタイムでは処理しきれない大量の計算が必要なのでしょう。