blender 4.1 cycles レンダリング時間を 10倍速に
cycles でのレンダリングには、EEVEEにくらべて時間がかかり、そのため敬遠されている方も多いと思います。そこで、すこし怪しいタイトルではありますが、デフォルトの設定からごくかんたんな変更で、cycles のレンダリング時間を 約 1/10 にまで短縮する方法を紹介します。
環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4
Noise Threshold
レンダー > ノイズしきい値。この値をデフォルトの 0.01 から、0.1 等と高くすることによって、レンダリング時間が大幅に短縮される。
レンダリング時間は 1/10 に短縮されたが、ガラスなど透明マテリアルについても、画質にほとんど変化はみられない。
Noise Threshold とは
技術的な詳細についてはわたしの手に余るが、ノイズしきい値とは、レンダリング中に生じるノイズを制御する値。cycles では、ある程度ノイズが生じていないと判断した時点で自動的に残りのレンダリングをスキップし、ノイズしきい値が大きいほど、そのタイミングが早くなる。
すなわち、出力結果がほぼ同じ上の画像に限るならば、デフォルトでは、9分間はあまり意味のないサンプリングを行っている時間と考えてよいかもしれない。
もちろん、出力解像度が高く、霧が重くかかっていたり、ガラスなどの透明オブジェクトが複雑に配置されていたりするやや特殊なシーンでは画質に関わるだろうし、その場合は、値の調整が必要と思われる。
その他
ノイズしきい値以外にも、レンダリング時間の短縮に関わるいくつかの設定値について整理する。
基本
レンダー > ノイズしきい値 以外に、デフォルトから変更している値を、黄色のドットで示した。
レンダーエンジンは、この場合、もちろん「Cycles」に変更
デバイスは「GPU演算」に変更。これも大幅なレンダリング時間の短縮になる。
サンプリング > レンダー > 最大サンプル数は、1024
もちろん画質にこだわらなければ、少ないほうがレンダリング時間が少ない。デフォルトの 4092 は、通常のシーンであれば必要ない。
出力サイズ
出力プロパティの、出力画像サイズ(解像度)は、当然、低いほうがレンダリング時間が大幅に少ない。
まとめ
他にも、レンダープロパティのライトパスの数値変更など、動画などに紹介されている設定項目はいくつかあるが、少なくとも上のシーンではほとんど影響が見られなかった。
現状でのわたしの理解では、PCの性能を除いて、cycles のレンダリング時間の短縮におおきな効果があるのは、
デバイスを「GPU演算」に変更する(可能ならば)
出力画像サイズを小さくする
ノイズしきい値(Noise Threshold)を、0.1 など大きめに変更する
であり、出力サイズは都合によるので、もっとも有効なのは、ノイズしいき値、の変更ということになる。
シーンの構成によっても異なるだろうが、ほぼ画質の劣化なしに、レンダリング時間が 9 割近く削減できる恩恵は大きい。