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blender 4.3 - Freestyle でイラストレーション
わたしはこれまで、イラストを描くということにほぼ無縁に過ごしてきましたが、記事中にかんたんなイラストが必要なことがあり、使い慣れた Photoshop は本来の用途と異なるためすこし使いにくく、blender でできないかと思い立ちました。2 パターンをトライした結果を紹介します。
環境 Blender 4.3.0 , Mac Mini M1 OS 14.4
セットアップ
下のようなかんたんなシーンを作成した。
レンダー設定はデフォルト。キャラクターは mixamo から。「What is Euler」 のテキストはテキストオブジェクト。ライトは、影をつくるためのサンライトのみ設置した。
![](https://assets.st-note.com/img/1737013869-rR7uVltK6o0Y9EJFICvQDpTN.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1737014271-wzydcqh3iEIZJsvgxno6K7ul.png?width=1200)
イラスト調のレンダリングなので、背景(環境)光は、明るめのホワイトに設定。
デフォルト設定の EEVEE でレンダリング。ここから、Freestyle の線画を描画する。
![](https://assets.st-note.com/img/1737014463-fZAwyYTOxuoEWcDPUC24LFki.png?width=1200)
Freestyle
レンダープロパティ Freestyle にチェックを入れる。
![](https://assets.st-note.com/img/1737014715-NvYbXsncORdxDULSzrI42yw6.png)
レンダー > 画像をレンダリング(F12)で、レンダリングを行う。Freestyle はレンダリング画面でないと結果が反映されない。
![](https://assets.st-note.com/img/1737015016-xeKoM65iTISFjE3PclgOuUJ2.png?width=1200)
アウトラインが描画された。このままでもとくに悪くないが、ラインの太さは、「ライン幅」で設定できるものの、あまりに均一なので、もうすこしアヤをつけたい。
Freestyle ラインセット
ビューレイヤープロパティ内、Freestyleラインセットを表示する。
ラインセットとは、描画するラインの設定値セットのことで、ラインの細かな設定が可能であり、後述の通り、複数の異なるセットを使い分けたり重ね合わせたりすることもできる。
![](https://assets.st-note.com/img/1737015734-lVDd3Wu8rCP6tsZvjOhFoS1e.png?width=1200)
オプションは豊富だが、ここでは、「Freestyle幅」を表示し、ラインの幅にややランダムな太さを加えてみた。
![](https://assets.st-note.com/img/1737016856-J2h5OXdT9aLCFsx84GcgmNAq.png?width=1200)
「モディファイアを追加」から、ノイズ、および、カリグラフィ モディファイアを追加し、上の設定を行った。
![](https://assets.st-note.com/img/1737016352-0z2HC6UItiORXAc8BkfqENPZ.png?width=1200)
はじめてにしてはそれらしくなっていないだろうか。イラストのスタイルがちょっと古いのはたぶん歳のせいだ。
線画風
上では書籍等のイラスト風だが、線画風を試みる。
![](https://assets.st-note.com/img/1737079681-svWM5ht8nOKyRJe4DiLX97Zb.png?width=1200)
照明は上パターン同様、サンライトおよび環境光のみ。マテリアルは適用していない。
今回も、Freestyle幅に、ノイズモディファイアを適用し、下のように設定した。
![](https://assets.st-note.com/img/1737080681-nleC8fMVo6gdFIUOAzmi2u79.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1737080801-kWZNYAjb6B1fOQaSVEMKvGdF.png?width=1200)
基本的には同じタイプのラインが入るので、さらに別のタイプのラインを重ね合わせてみたい。
Freestyle ラインセットで、+ ボタンをクリックし、新規ラインセット LineSet 2 を作成する。
![](https://assets.st-note.com/img/1737080948-zLvAnuXiN3K96Dgr1MS5QxWt.png?width=1200)
ラインセットは複数作成でき、重ね合わせることができる。ラインセット名右のチェックボックスで、表示/非表示の切り替えも可。
LineSet 2 の Freestyle 幅に「ストローク追従」モディファイアを適用、以下のようにカーブを操作した。
![](https://assets.st-note.com/img/1737081132-JjZuHkXNnMsoVcplK0eBbv7g.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1737082187-vVjU6CigJm3MLAFwThkEqN1K.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1737082201-5UCHXWMsfnpjDbR83F0mEBcV.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1737081855-erl51AFSTi94C32LO6IyBqPH.png?width=1200)
とくにライン幅の設定はすべてを把握しきれないほどで、設定しだいで、かなり自由なラインを引くことができる。
なお、建物オブジェクトのみのレンダリング時間はこちらの環境で 2 秒弱だが、樹木オブジェクトはポリゴン数が多いため、樹木ありバージョンでは 10 秒ほどかかった。確認に時間がかかるため、ポリゴン数の多いオブジェクトを含む場合は、適宜、表示/非表示を切り替えるのがよいだろう。
FreeStyle はレンダリング画面でしか確認できない、ポリゴン数が多いとやや時間がかかる、などのマイナーな欠点はあるが、処理が速くビューポートでもラインを引くことのできるアドオンもあるとのこと。(ただし、アルゴリズムはFreestyle とは異なるようだ)
参考 【blender】繊細なアウトラインのつけ方
補足
Freestyle セットの設定項目はとても豊富で、上ではほんの一部のみ変更した。このほか、基本的で必要を思われるいくつかの設定を紹介する。
![](https://assets.st-note.com/img/1737092873-Z4738ac5wdG9YrofUnhEOvsB.png?width=1200)
Creese Angle
隣接する面と面がつくる角度によって、ラインを引く辺を調節する。
![](https://assets.st-note.com/img/1737093042-FOyzT5tlAuoqHKaniWN8Q2gs.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1737093275-RWwHtdnaQ2Af9keUsXyDBbzP.png?width=1200)
Edge Type
シルエット(輪郭)と、上の角度で指定したクリース辺のみを表示できる。
![](https://assets.st-note.com/img/1737093957-apyTO9PC6AMRfsVgLcxK3ZWN.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1737094189-OxsQvKf1kolph64V85T0Nwmd.png?width=1200)
Dashed Line
![](https://assets.st-note.com/img/1737094471-qkT1N27rUPGAe5VFQd8MywDb.png?width=1200)
Edge Mark
ラインを引く辺を手動で指定できる。
![](https://assets.st-note.com/img/1737094689-jKsX74iQkbO6dlg3YaMVcB89.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1737094956-dp1rmtulcPTN0Rw4MzjeDn6J.png?width=1200)
Exclusive
逆に、ラインを引きたくない辺を指定。
![](https://assets.st-note.com/img/1737095080-NOySbx35Mrv94kfoAPDZ7mQU.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1737095252-zM9fUcGyT8JWxe7tXAoSmdrC.png?width=1200)
Geometry
![](https://assets.st-note.com/img/1737095576-OAWeNKVESXc5G6ujU49BoyYM.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1737095966-xBsG5u2YldCMvt8SVoKzU0y9.png?width=1200)
Render Path
ラインのみ別レイヤー(レンダーパス)としてレンダリングもできる。
![](https://assets.st-note.com/img/1737096534-hyDLUjv9BAPQ3oV02HXIrgki.png?width=1200)
まとめ
わたしもこれまでは、かんたんなアウトラインをつけるだけのオプションだと思っていましたが、Freestyle の解説だけでも、軽く 1 冊の本ができそうそうなほど機能が豊富であることがわかりした。
グリースペンシルを駆使してクオリティの高いイラストを描くひとも少なくないようですが、腕しだいでは、Freestyle だけでも相当の作品を生み出せるのでは。参考まで。
家電などでも、購入して何年もたってから、アレこんな機能があったんだ、と思うことがありますが、blender はそんな機能に満ちていて、いままで開けたこともなかったパネルのなかに大量のスイッチが現れることがあります。