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blender 4.2 Sky Texture | 大気テクスチャ で空をつくる

大気テクスチャは、背景として利用することにより、気象モデルに基づいたリアルな空模様を表現できる機能です。
屋外シーンに手軽に空を加えたい場合に便利ですが、さまざまなパラメータを操作することで、「照明」としてもおもしろい表情を出すこともできます。
ここでは、各設定値と、その効果について紹介します。


環境 Blender 4.2.0 , Mac Mini M1 OS 14.4



Sky Texture


建物の中のポイントライト以外はわずかな背景光があるのみのデフォルト設定でレンダリング。

背景光に「大気テクスチャ」を接続する。

シェーダーエディター。「ワールド」を選択
デフォルトの「背景」の強さ 1.0 はここでは強すぎたので、0.2 に変更。
荒地に佇むダイナー。cycles によるレンダリング。

手軽に自然な空を設置することができた。また、物理モデルに即したいくつかの値を設定し、時刻や大気環境によって、異なった表現も可能だ。

引用元 : Understanding Azimuth and Elevation

基本の設定項目は、太陽の高度(Sun Elevation)と、太陽の回転(Sun Rotation。 上のイラストでは人物を軸とした太陽の方向角度)になる。


上のシーンでは、太陽光が手前から当たっていたので、「太陽の回転」を 200 に、「太陽の高度」を 10 に設定した。

「太陽の円」にチェックを入れると、太陽が表示される。( cycles のみ )


「太陽の回転」を 100 に変更。「オゾン」を 6.0 とした。

「オゾン」は大気中のオゾン濃度で、値が大きいほど青空を表現できる。

さらに「標高」を 10,000 に変更。

南米の高原のような雰囲気に。

標高 1 万メートルは旅客機が飛ぶような高度。(エベレスト山の標高は8,849 m)

さらに「空気抵抗(Air)」を 6.0 に変更。

空気抵抗は、空気中の空気分子の密度のことで、2.0 程度で、汚染されてスモッグがかかったような空を表現できるとのこと。上のシーンでは、軽く砂塵があるような雰囲気か。「空気抵抗」は誤訳だろう。

この他に「ちり(Dust)」値があり、5.0程度で、都会のやや汚れた空気感を出せる。


「太陽の高度」を ー2.5 とし、夜に近い夕暮れとした。また、ノイズテクスチャを合成し、星を表現した。

「太陽の高度」は、90 で正午になり、ゼロより小さい、あるいは 180より大きいと太陽は地平線に沈むことになり、夜になる。

ダイナーにややネオン照明等を加えた。
星はノイズテクスチャで作成、カラーミックス(加算)ノードで大気テクスチャと合成した。


ここでは、雲のある空の HDRI 画像と合成し、雲を加えた。

カラーミックス(ミックス)係数 0.9 

ただし、上では、90% HDRI 寄りの背景となり、HDRI に加える調整要素の意味合いが強いかもしれない。下はカラーミックスの係数で、HDRI と大気テクスチャの合成割合を変えた。

係数 1.0 HDRIのみ。
係数 0.5 大気テクスチャ、HDRIを同割合で合成。

大気テクスチャを利用して、通常の HDRI 背景にプラスアルファを加える使い方もできそうだ。

ただし、HDRI の影響も加わるので、太陽が2つできてしまったり、調整がむつかしい面もある。その場合は、雲のみを背景に追加してもよいだろう。作成方法は、空と雲をつくる 記事を参考してください。


まとめ


テクスチャのパタメーターによって、単に空模様が変化するだけではなく、太陽光の表情も刻々と変化して、同じシーンでもまったく異なる表現ができることがわかります。
わたしはあまり屋外シーンを作ったことがなく、とりあえず相応な HDRI を適用するだけでしたが、大気テクスチャでもおもしろい活用ができそうです。参考まで。


シーンを作っていたら、映画「バクダッドカフェ」を思い出しました。サウンドトラックも印象的で、ちょっと力の抜けたよい映画です。

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