見出し画像

blender 4.2 写真を模写する | 朝食

フォトリアルレンダリングを目指すには、やはり写真を真似するのが近道ではないでしょうか。そこで、よさそうなお手本を選び、いくつかの模写修行に出ています。


環境 Blender 4.2.0 , Mac Mini M1 OS 14.4



お手本


お手本はベーコンエッグトーストの朝食。

引用元 : Pinterest


モデリング


お手本を参考に各オブジェクトをモデリング。

すこし時間はかかるがテクニック的にむつかしい点はない


マテリアル


とくに食品は、マテリアルに手を抜くとフォトリアルにはならないので、時間をかけて丁寧に適用した。

素材

pinterest などから収集したテクスチャ用画像


目玉焼き

左は画像テクスチャを貼ったのみ。右は、お手本に似せ、黄身の部分のみ別マテリアルとし、表面にランダムな起伏をつけた。

cycles マテリアルプレビュー
黄身部分。ノイズテクスチャを使用し、バンプ(凹凸)を適用している。

ベーコン

モデリングの段階で大きな起伏を、編集モード メッシュ > トランスフォーム > ランダム化 などで作り、左はテクスチャを貼った状態。

右は、さらに、貼ったテクスチャを再利用し、それをもとに、細かな凹凸と、粗い表面となめらかな表面を設定した。

すこし微差だが、カリカリした雰囲気が出やすい。
テクスチャ画像は ベースカラーに接続するとともに、
HSV でモノクロに変換し、粗さとバンプ > ノーマルに接続

トマト

左はテクスチャ画像を貼ったのみ。右はディスプレイスメント(ジオメトリによる起伏)、また、ノイズテクスチャで粗さとメタリックの不均一性を与えた。

トマトはもちろん金属(メタリック)ではないが、気持ちだけ鏡面反射を増やすため、適用した。

マテリアルが大掛かりなわりにはすこし微差だが、本番のライトを当てた際に差が出る
トマト画像テクスチャはベースカラーとディスプレイスメントに、
ノイズテクスチャはカラーランプで調整後、粗さ、とメタリックに接続。

なお、ジオメトリ(形状)によるディスプレイスメントは、デフォルトでは適用されない。マテリアルプロパティ > 設定 > サーフェス > ディスプレイスメントとバンプ を選択する。

4.2 より、EEVEE でもこのオプションが適用されるようになった。

ジオメトリのディスプレイスメントをかけるには、平面はあらかじめ細分化する必要がある。

左は擬似的なディスプレイスメント。みためには起伏があるが、平面のまま。右はジオメトリのディスプレイスメント。

なお、イチゴのマテリアルは、すこし長いですが、マテリアル | フルーツ で紹介しています。ラズベリーでは上のジオメトリのディスプレイスメントを適用している。


ライティング


ライティングはシンプルに、HDRI による背景(環境)光と、エリアライト 1 灯のみ。

HDRI

PolyHaven から入手した acoustical_shell_2k.hdr
強さ は 0.5 とすこし暗め

Area Light

パワー 8W サイズ 0.8 m


画像修正


少し暗いので、明るさのみ、カラーマネージメントで修正。

カラーマネージメントは、レンダープロパティの最下段 カーブを使用 をチェック

トーンカーブで、コントラストをやや強めながら、明るめに。ビュー変換は「Filmic」とすると、すこしナチュラルな雰囲気になる。


完成


ポストプロダクト後。下はオリジナルのお手本。

cycles 1024 samples レンダリング時間 28 秒
オリジナル お手本



EEVEE


なお、4.2 より EEVEE の大幅なアップデートが行われ、レイトレーシング機能が導入された。下は EEVEE でのレンダリング。

EEVEE レンダリング時間 6 秒 レイトレーシング ON

もちろん細かな違いはあるが、cycles と大きな差異はない。あくまで「フォトリアル」を追求するのでなければ、じゅうぶんな品質に思える。

レイトレースを有効にするとすこし動作が重い


まとめ


実際の食品の画像を貼り付けていることもありますが、比較的、お手本に近いレンダリングができているのではないでしょうか。
適切な表面の起伏と、光沢などのノイズを設定することがキーではないかと思います。参考まで。

わたしはどちらかといえば強硬な cycles 派なので、まだもうすこし cycles を中心にレンダリングを行うでしょう。最大の課題であるレンダリング時間の長さも、「cycles レンダリング時間を 10倍速に」で短縮され、かなり楽になりました。タイトルは怪しいのですが、ノイズしきい値を大きくするだけ。知らなかった方は試してみてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?