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blender 4.1 写真を模写する | 商品 グラスウェア

フォトリアルレンダリングを目指すには、やはり写真を真似するのが近道ではないでしょうか。そこで、よさそうなお手本を選び、いくつかの模写修行に出ています。


環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4



お手本


お手本は、IKEA のグラス商品写真。やはりすこし北欧風。

引用元 : IKEA GLASMAL グラスマル


モデル


お手本にしたがい、各オブジェクトを作成。

左の立方体は、後に設定する HDRI 背景光の左からの光を遮るためのついたて。

グラス

左の紫のラインは、Shift + E でエッジクリースをかけた。中央の水はグラスとわずかに重なるように。マテリアルは右の、ごく通常のグラスマテリアル。

氷 | モデリング

氷は重なりができるとレンダリング後、黒みがかかったりするので、重なりが出ないよう、リジッドボディシミュレーションで並べた。

具体的な作成方法は、「リジットボディで詰めもの」を参照してください。 

氷 | マテリアル

お手本の氷は、普通の冷凍庫でできるような不透明な氷だ。通常のガラスマテリアルでは表現がすこしむつかしい。そこで、「放射(Emission)」を加えてみた。

cycles レンダープレビュー 放射 左なし 右あり

放射は、通常はLEDのような発光を表現する機能で、氷にあてるのはもちろん物理的に正しくないが、強さを控えめにすることで、比較的、不透明な氷をうまく表現できるようだ。

放射以外は通常のグラスマテリアル。
放射色は、ノイズテクスチャで透明と白にランダムにわけた。


レモン

もっともCG感が出やすいパーツなので、マテリアルはすこし丁寧に作った。

マテリアルプレビュー

マテリアルの詳細については、すこし長いですが、「マテリアル | フルーツ」の最終項、「タイプ6 半分にスライスしたパターン」 を参照してください。


カメラ


お手本をみると、奥の椅子のみが軽くボケているので、被写体深度(Field of Depth)にチェックを入れた。

お手本は遠近感があまりないので、焦点距離は望遠に近い 150 mm

「焦点オブジェクト」の focus は、中央のグラスの上に設置したエンプティオブジェクト。大きくはボケていないので、F値は 8.0 と大きめした。小さいほど深くボケる


ライティング


HDRI

おもにガラス面への反射(映り込み)用に、HDRI による環境(背景)光を設置した。

HDRI は PolyHaven の brown_photostudio_06_2k.hdr
自記事への参照ばかりで恐縮だが、HDRI の設定の詳細等についてはHDRI 照明 で。

強さ  0.5 やや控えめに
氷に放射をかけたため、暗い環境ではすこし発光している


3点照明

このような商品撮影でのセオリー通り、キー、フィル、バックライトによる3点照明を当てた。

右サンライト(主要 キー)、左エリアライト(フィル)、中央ポイントライト(バック)

チート

レモンがすこし暗いので、レモンのみにポイントライトを当てる。

  • ポイントライトのオブジェクトプロパティを表示

  • シェーディング > ライトリンキング で + ボタンをクリック

  • 限定したいオブジェクト(ここではレモンスライス)をドラッグする。

ポイントライトは、強さ 3W
レモンスライスのみ背後からポイントライトが当たっている。


調整


ここでは、Photoshop で微調整を加えた。基本的な調整なので、コンポジットノードや、Gimp 等フリーウェアでも可能。

トーン(RGB)カーブ カラーバランス すこし明るめ、若干青を加えた。


微調整後、下はオリジナルのお手本。

ピッチャーの表面に、Photoshop のノイズフィルターで、すこしノイズを加えている。

cycles 1024 samples
上述のオリジナル、お手本


まとめ


ピッチャーの表面で光がすこし暴れている感じがよく出なかった。ただ、ガラスの屈折などは比較的現実に忠実にシミュレートされているような気がします。あとは、照明にもっとノイズを加えるべきだったでしょうか。

お手本では、ピッチャーなどにくらべ、中央のグラスの表面の反射がすこし整いすぎている感じがしなくもありません。メイン商品なので当然ですが、どこかの段階でなにかしらの加工が入っているのかもしれません。



仕事机の横にあるフロアランプは IKEA オンラインで買いました。このクオリティでこの値段はやや尋常ではありません。はやく近くに出店してくれないかなと思っています。

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