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文系の blender

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物理/光学シミュレータとしての側面も持つ blender は、理系の専門用語が頻出し、ときどき文系の頭を揺らします。そんな文系のわたしが理解できる範囲で、ライティングやマテリアル…
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#HDRI

blender 4.2 Sky Texture | 大気テクスチャ で空をつくる

大気テクスチャは、背景として利用することにより、気象モデルに基づいたリアルな空模様を表現できる機能です。 屋外シーンに手軽に空を加えたい場合に便利ですが、さまざまなパラメータを操作することで、「照明」としてもおもしろい表情を出すこともできます。 ここでは、各設定値と、その効果について紹介します。 環境 Blender 4.2.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 Sky Texture 建物の中のポイントライト以外はわずかな背景光があるのみのデフォルト設定でレン

blender 4.2 照明のちょっとした心得

時間をかけて丁寧にモデリングしセットアップしたのに、レンダリングして予想のイメージと全くかけ離れていた時ほどの、むなしい徒労感はめったにありません。ただ、その原因の多くは、照明の当て方、ライティングにあります。 照明は、シーンやシチュエーションによっても異なりますし、一律の正解はおそらく存在しませんが、その上で、これまで少なくないレンダリングを行ってきたなかで、ライティングについて、ちょっとづつ心がけていることを紹介してみます。 環境 Blender 4.2.0 , Ma

blender 4.1 空と雲をつくる

屋外シーンなどで、既存の空背景にちょっとした工夫を加えたい場合に便利なのが、ノイズテクスチャや、ボリューム機能です。 アドオンを使う方法もありますが、ここでは比較的手軽な、基本の3種類の方法を紹介します。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 空 空色の背景オブジェクトを置いたり、スカイテクスチャを使う方法もあるが、ここでは手軽に HDRI を利用し、太陽光も兼ねて、背景(環境)光で空を設置した。  雲 01 雲を表現する方法も

blender 4.1 写真を模写する | スナップショット

フォトリアルレンダリングを目指すには、やはり写真を真似するのが近道ではないでしょうか。そこで、よさそうなお手本を選び、いくつか模写修行に出てみようと思います。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 お手本 お手本はカフェでのスナップショット。 モデリング このシーンでは、壁や天井は作らず、カメラに映るオブジェクトのみ作成、お手本にしたがって配置した。 ライティング HDRI このシーンでは、メイン照明を HDRI による環境

blender 4.1 写真を模写する | インテリア

フォトリアルレンダリングを目指すには、やはり写真を真似するのが近道ではないでしょうか。そこで、よさそうなお手本を選び、いくつか模写修行に出てみようと思います。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 お手本 お手本はナチュラルな雰囲気の下のインテリアシーン。 モデリング 各オブジェクトをモデリングし、お手本に従って配置。 天井や、正面以外の壁はこのシーンでは映らないので、手抜きをしてキューブをかぶせ、照明の入る面のみ削除した。マテ

文系の blender 4.1 | インテリア ライティング

半年ほど前まで、blender に触れていない期間がすこし長く、その間、とくに cycles などレンダラーの性能が(思っていたよりも地味に)上がっていました。 そこで、すこしリハビリテーションも兼ねて、インテリアシーンのライティングの復習をしてみました。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 モデル モデル自体はかんたんな一部屋。下の窓から入る光が唯一の照明になる。 屋外の風景は、後述のようにHDRIを使う方法もあるが、ここで

文系の blender 4.1 | HDRI 照明

ライティングの手法のひとつとして、HDRI 画像による環境光(背景光)を用いる方法があります。 通常のライティングのように、ライトの強さや位置などをそれぞれ調整する必要がなく、現実の環境を用いて簡易に照明を構成できるのが特長です。 ここでは、HDRI の画像のタイプ別に、そのレンダリング結果を試験しました。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.2 3点照明 まずは比較のための、ごく通常の基本の3点照明。キー、フィル、バックライトの3