肺呼吸の私とエラ呼吸の娘
例えば、私は肺呼吸で娘はエラ呼吸、
くらいの違いがあるなと感じていました。
「普通」に育つことから逸脱した娘を育てていると、
「水の中で育児をしているようだな」と思うことがたくさんありました。
息が出来ない。
ここに空気がない。
自他ともに認める親ばかな私にだって、
そう思うことはたくさんありました。
肺呼吸の私には少々苦しい育児でした。
たまに息継ぎをしに水から出ますが、
しばしば息継ぎを忘れることがあって死にかけました。
地上にいるときは、水の中とは違う試練もそりゃあるけど、
自分のペースで呼吸が出来てわりと楽です。
「もうちょっとここにいたいなぁ」と、
水の中に戻ることを躊躇うこともあるのですが、
それでも毎日、私は水の中に戻っていきます。
最近は娘が成長し、
肺呼吸も出来るようになってきました。
私は水の中で苦しい思いをすることが
ほとんどなくなったように感じています。
すると、水の中の苦しさが、
本当に苦しかったのかどうかさえ、
もう忘れてしまいました。
酸素ボンベを咥えてでも、
また水の中で育児がしたいなと思うことさえあります。
でも、せっかくなので、肺呼吸になった娘と、
井の中だけでは見られなかった世界を一緒に見に行こうかと思っています。