アキュフェーズDF-75をもうちょっと追試する
アキュフェーズのデジタル・チャンネルデバイダーDF-75の返却期限が近づくに連れ、どんどんやりたいこと、「ここはこうすればいいんじゃないか!?」というひらめきが続出している。手元にある間にやれる実験はやり尽くしてしまわねばならない、という勢いで、締め切り真っ最中だというのにこんなことをやっている。
■ミッドバス・ワイドレンジ化計画その2
今回の思いつきは、またしてもミッドバスだ。そもそもこのミッドバス・キャビネットは、前にも解説したが「逆ホーン型」というもので、理想的な構成とすることができたら、中低域から下をメーカー発表の周波数特性とそっくりに、あるいはそれ以上の急峻さで減衰させることができる。
わが「ホーム・タワー」では、-12dB/octくらいで落ちることを目指したものだが、まだわが手元にノウハウが十分ではなく、どれくらいの周波数から減衰させるかを調整する術が満足でなかった。それで、まぁこんなもんだろうと半ば当てずっぽうで作った作例なのだが、それにしては当初のフォステクスFE168EΣへはそこそこ上手く適合した。
ところが、遥かに駆動力が強い限定モデルの同社FE168SS-HPへ、バッフルを小改造して換装したら、低域がずいぶん早く落ち込むこととなった。まぁこれは物理的必然というもので、強力ユニットをそのまま取り付けた私が悪いのだが。
■今度は低域だ!
それでかの世界的名作を、ずいぶん狭帯域でしか活用できなくなっていたのを残念に思い、いろいろ実験を重ねてきた。前回は高域方向へほぼ1オクターブ伸ばすことに成功したのだが、今回は低域方向へ伸ばすことができるかもしれない方法を思いついた次第だ。
実のところ、「ホーム・タワー」は一番最初の誌面掲載時を除き、全然測定器を使わずに躾けている。それで、現在のミッドバスがどういう特性でローカットされているか分かっていない。まぁこんなところだろうと、聴感で合わせ込んでいる。
■再びスタガーへ
そこへ-18dB/octとするため、DF-75でさらに-6dB/octかけているわけだが、それが正しいスロープになっている保証など、どこにもない。ならば、ここもミッドバスの高域に続き、クロスオーバー周波数をスタガーにしてもいいじゃないか、ということに思い至った。
というわけで、ウーファーのハイカットを300Hz(-18dB/oct)に設定し、ミッドバスのローカット(-6dB/oct)周波数を300Hzから徐々に下げていく。
あくまで仮設定だが、大体250Hzくらいでほぼ全域のエネルギーが整った感がある。これから時間をかけ、聴感で少しずつ追い込んでいかねばならないのだが、果たして返却までに結論へ達することができるだろうか。
■木に竹を接いだ私が悪い
いやはや、思えばこの「ホーム・タワー」、前に書いた通り「限界マルチアンプ」のためにミッドバスの低域をアコースティックに落とすというのが大きな眼目だったのだが、オーソドックスな4ウェイ対応のチャンデバで切るには、むしろ厄介なシステムとなってしまったようだ。
こうなると、DF-75用に最低でも新しいミッドバス、もちろん逆ホーンのような奇策を用いないものを用意してやるか、はたまた「ホーム・タワー」に合わせて3ウェイのチャンデバを別個探し、ウーファーのローカットはまたバスチャンデバに戻るか。どちらにせよ、あまりカネはかけられないし、悩ましいところではある。
まぁ返却までに新しいミッドバス・キャビネットを作ることは無理だろうから、まずチャンデバの手配を何とかせねばなるまい。"限界"に戻りたくはないのだが、さてどうなるか……。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?