Stable Diffusionで人間が描いたみたいなマンガを作ってみたかった件 - その1
うぇいうぇい。
人間が描いたみたいなマンガをStable Diffusionをはじめとした生成AIで実現したい「きたきつねねこ」でございます。
早速でありますが、実はすでに一作同人マンガを作り終え、FANZAにて販売中でございます。fanzaに移動して「巨乳ザコま◯こ彼女の寝取られイキ地獄生配信」で検索してね!
さて、私のPCのGPUはGTX1070TIといういささか時代遅れのGPUでして、最近流行のSDXLのモデルで利用するにはスペック不足。
ということでGoogleColabを利用して画像生成に励んでおります。
なんとか一冊を作り終えることができましたので、今回は同人マンガをAIで作ってみたうえで、感じたことを書き連ねて行きたいと思います。
AIしゅげえ
AIしゅげえ、というのが最初の所感です。さほど上手に絵なんて描けない私にも、美麗なイラストを出力することが出来る……。感動でした。
しかし、その感動も最初だけだったかもしれません。
私の頭の中のビジョンはAIじゃ生成できない・・・。
さて、突き当たった問題はコレですよ。
割とStable Diffusionはモデルによりけりではあるものの、Hなシーンはバチクソ生成可能です。
しかーし、問題は「ちょっと複雑な体位」だとかは生成が難しいわけです。
そうすると、やはりその問題を色々と解決するために工夫を始めるわけですが、ここからが長かった・・・。
Image2Image(ドラえもんの声で)
さて、思い通りの構図の絵を出力するために、Image2Image(i2i)という技術がございまして、これは元画像を入れて画像出力をすると、それに似た画像が出力される、という技術でございます。
しかーし、実際にこのi2iを用いて狙いの画像を出力出来るか、というと否ッ!
まあ上手くイクときもアルカナ、ってくらいで全然微妙な感じの画像が出力されることが多かったので、割と応用的な用途に絞りました。
ContorolNet(ドラえもんの声で)
さて、思い通りの構図の絵を出力するために、Contorolnetという技術がございます。
これはi2iとは異なりますが、ポーズをとった棒人間のポーズで画像を出力できたりする技術です。
ぶっちゃけContorolNetはめっちゃ色々な種類があるので割愛しますけれども、CannyだとかDepthだとかOpenPoseだとか、いろいろと試したけれど狙い通りの画像はでてこない・・・、なんてことも多々ございました。
かなり期待していたのですけれども、イマイチでしたね。
マスターピース顔問題
Stable Diffusionのモデルそのままでは、いくらプロンプトを工夫して「AI生成の顔」になってしまいます。
いわゆる「超整ったAI顔=マスターピース顔=マスピ顔」というやつです。
さて困った。俺の生成している画像って、かなり没個性的で全然良くないって感じでした。
まあこちらを後々解決することになるわけですが。
Stable Diffusion、バカで使えない
さて、序盤に私が感じたことはこれにつきます。ChatGPTなんか使っているときもそうですが「痒いところに手が届かない感じ」がおにえぐい状況でした。
そもそも漫画家やイラストレーターの方々が「AIに仕事取られるぅ~!」みたいな感じで荒ぶっておられたときもございましたけれど、ぶっちゃけこんなバカツールに仕事奪われるなんて、ChatGPTに仕事奪われるくらいお馬鹿なことですよ。
要するにStable Diffusion、全然使えないッ! というのが私の最初の所感ですし、ぶっちゃけ言うと頑張って同人マンガ70P作ったあとも「使い勝手のクッソ悪い道具」という印象は今でも変わっておりません。
課題解決には「Lora(ドラえもん声で)」
さて、そこで私は諦めまして、Loraを使うことにしました。CivitaiだとかHuggingFaceだとかでLoraをダウンロードしたりしました。
しかし、画風が変わってしまったりするものが多くて大変……。
そこで「Lora block weight」というLoraの学習層をコントロール出来る拡張機能を導入してみたり、なんと最後は「自前でLora作る」ということまで始めちゃいました。
さて、Loraの導入は簡単ですけれども、お仕事でPythonいじったりしたことが無いと初心者にはハードル高いかもしれません。
私、Web系のお仕事で多少プログラム書けるので困りませんでしたけど「人間が書いたみたいなマンガをStable Diffusionにさせる」というのは、実はなかなか結構なITスキルが必要なのかもしれない、と思いました。
ちなみに「マスピ顔問題」もLoraで解決。まああれですよ。ごにょごにょごにょなことはしてますけどね。でも私はその辺りのモラルはまーったくありません。サンプリング全盛時の90年代HIPHOPファンなので。
ちなみにLoraは便利ですが、実際に使ってみると結構問題にぶち当たることもあります。
とにかく2024年10月現在、生成AIはどの分野においても「痒いところに手が届かない」「バイトよりは使えるかもだけど、社員にしては駄目社員」といった感じでは無いでしょうか。
やっぱContorolNet。そして神がかってるのは「AnyTest」だったァッ!
ControlNetには「AnyTest」というものがございまして、コレは月須和・那々さんという方が作成された、非常に神がかったContorolNetのツールでございます。
「ぼくがかんがえたさいきょうのi2i」みたいなやつなのですが、画像を突っ込んで生成すると、元画像にかなり近い絵を出力してくれたり、ラフに書いた絵を清書してくれたり、塗りつぶした箇所を書いてくれたりと、これが無いと「同人マンガ70P作るの無理だったな」って思えるくらいの素晴らしいツールでした。
詳細は割愛しますが、これの使い方を理解したあとは猛スピードで作業が進みました。
ちなみに個人的には「AI毛嫌いしてないで、漫画家もコレ使うべきだろ」ってくらい便利な神ツールです。
で、AI同人は「楽に作れる」のか「楽に儲かる」のか。
さて、世間では「AI副業!」とか言ってマンガ作って売ろうぜ、とかグラビア集作って売ろうぜ、みたいな話がありますけど、そんなの絶対に儲かりません。
だって誰でも作れるものにわざわざお金払う人いないでしょ?って思います。
少なくともFanzaにAI生成作品をアップした私の所感からすると、FanzaでAI生成作品を売るにはかなりの「創意工夫」が必要だと思っています。
その辺りの問題については以下になります。
そもそも「手書きマンガ」には絶対に勝てない。
絵だけじゃ人はヌケない。
カテゴリーとか企画とか
価格設定
クオリティ
とかこんなところだと思いますけれども、まじでそんなに簡単じゃないっすよ。
ということで次項は詳細なお話になります。
1.そもそも「手書きマンガ」には絶対に勝てない。
ぶっちゃけた話、絵が下手な作家さんよりもAIの方がよほど絵が上手です。しかし、それは「整っている」というだけでもあります。
エロスとは感情だったり、様々な要素が複雑に絡んで喚起される感情です。
すると絵が下手だろうが、やはり手書きマンガの方がエッチに見えやすいです。
例えばちょっとした腰のラインだとか、ちょっとした表情だとか、そういったところはAIが最も苦手な表現なわけですが、すると下手でも絵が描ける人にはかないません。
2.絵だけじゃ人はヌケない
エロマンガを読み漁って出た結論なのですが、実は「エロい絵」だけでは人はヌケません。
やはり「誰と誰がHするのか」という点は非常に考えなければならない問題であり、するとやはり「ストーリー構成」や「キャラクター設定」が重要です。
当然、セリフや擬音、コマ割りでの展開だとか、いろいろと考えることが多いです。
正直、拙作はこの点でかなりミスったな~、という印象です。
Stable Diffusionの技術的な部分ばかりに集中して、このあたりを掘り下げ切れなかったように感じています。
3.カテゴリーとか企画とか
ここも作品を出したあとに考えた部分です。今、エロ同人界隈で最も人気なコンテンツは「寝取られ・寝取らせ=NTR」というジャンルです。
私も「巨乳ザコま◯こ彼女の寝取られイキ地獄生配信」なんて作品を作っているくらいですので、NTR作品を作成したわけです。
しかし「NTR」というジャンルはFanzaにおいて「週刊少年ジャンプにおける冒険活劇」のようなもの。
要するに「まじで絵がうまくてエッチでマンガ描くのが超上手な人」がゴロゴロいる界隈です。
正直なところもっとニッチなジャンルでも良かったかな、って思います。というのも「ニッチジャンルは絵がそこまで上手じゃない作家さんばかり」という傾向があるからです。
例えばNTRだったり、棚から牡丹餅的なハーレム展開だったり、このあたりは超人気コンテンツなので、ここらで爆売れしている作家さんはいわゆる「神」であります。
凡人が神と戦っても勝ち目は無いので、するともう少し超個人的な性癖に方向性を振ったほうが良かったように思います。
なので適当にAI生成した画像を「500P!」とか言って売るのはもうきついと思いますし、多分Fanzaの作品チェックの担当さんの負担になるだけなので、正直そういった「粗製濫造」する勢力にはとっととご退場願いたいです。
か、Fanzaさんも審査厳しくするべきだと思いますよ。
4.価格設定
自分の作品は「770円」で売りました。
しかし実は発売当初にセール価格設定したいなー、って思ってたんです。でもキャンペーン価格設定をどうやったら出来るかわからず、定価で販売しちゃいました……。
そもそもAI生成作品も一部Fanzaのランキングに食い込むことがあり、これは「発売日当日に90%オフとかで沢山売る」という考えに基づいているかと思います。
しかし、手書きの作家さんたちはここまで過激なセールはしませんよね?
正直なところ「AI生成作品」は未だに手書きの作品に比べて低く見られていると思いますし、実際のところマンガとしての完成度はやはり手書きのものとは比較にならない。
するとやはりこういった「キャンペーン価格込での価格設定勝負」というところが重要になってくるのだろうな、とマーケティング的には見えておりました。
5.クオリティ
やっぱり「手書きのマンガすげえ!」って気持ちがAIで頑張れば頑張るほど湧き上がってきます。
やっぱり細かい描写だったり、表情だったり、どう考えてもAI生成が手書きに勝てる部分というのは「とにかく整った絵が出る」という点だけだとすら感じます。
しかし、実際のところ生成AIでチャレンジングな取り組みをしている作家さんもちらほらいらっしゃるようで、私は二人ほどAI作家さんをベンチマークにしておりました。
要するに「ただ枚数勝負でマスピ顔で生成したCG集」なんていうのは売れる要素無いだろうなって思ってます。
実際、販売数が0だとか2だとかもかなりある上に、無料なのに大したDLもされてない作品もかなりFanza上にありますよ。
ここから生成AI技術も伸びていく可能性が有ると思いますので、「ちゃんとした作品ビジョン」を持っていて、それを表現することが出来るのならば凄い面白いフィールドだよな~、と思いながらマンガ制作に取り組んでいます。
要するに「品質上げろ」ってことです。簡単に儲かるなんて思うなよ、もしそういう態度なら辞めちまえ、とすら思ってます。
少なくとも私は「楽して儲ける」というよりは「苦労しても良いから技術力を高めて、楽しめる作品を作る」ということを命題にしています。
最後に
いろいろと取り組んでみた上での所感がありましたので、そのことをつらつらと書いてみましたらすでに5000文字近く。
また続きを書くかもしれませんし、そうでもないかも。
今後は着々と吸収した技術を書いていくブログにしようかな、と思っています!