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のらねこ旅日記≪行きの新幹線にて≫

  神戸に行くため新横浜から新幹線に乗りました。
いつもは、自分で新幹線の予約をしていましたが、今回はパッケージツアーを利用したため、帰りはDE の2列席でしたが、行きは3列席のABでした。
  私たちが席へ向かうと、すでにC席に先客が座っていました。
それも、とても大柄な若い欧米人のお兄さんが、ガツガツと駅弁を食べていました。
おまけにそれは2個目のようで、食べているお弁当の下に同じお弁当の空箱が置かれていました。
お食事中、申し訳なかったのですが
『スミマセン』と声をかけると、お兄さんはお弁当を手に持って立ち上がり、私たちを通してくれました。
その時、お箸が1本、床に落ちてしまいました。
でも、お兄さんは着席して、お箸を拾うとそのまま食べ続けました。
  一方、お兄さんの隣に座った私はひじ掛けがないことに気がつきました。
体格のいいお兄さんは、席が狭いので、ひじ掛けを上げていたのでした。
  『まぁ、仕方がないか…』と思いましたが、ひとつ困ったことがありました。
  リクライニングを少し下げたかったのですが、レバーがついているひじ掛けが手元にない!
英会話が苦手な私は、外国の人にこちらから話しかけることができません。
でも黙ってひじ掛けを下げるのも失礼かと思いました。
  しばらくは、背もたれをそのままで座っていましたが、やっぱり少しリクライニングしたくて、お兄さんが通路をはさんだD席のお連れさんとお話をしている隙に、上がったひじ掛けのレバーをこそっと操作して、リクライニングに成功しました。
  その後、お兄さんはPCを取り出して、なにやら動画の編集をしたり、お連れさんとおしゃべりしていました。
  京都や大阪でたくさんのお客さんが降りましたがお兄さんたちは降りませんでした。
  そのうち、お兄さんは居眠りを始めました。
『まずい!』と内心焦りました。
『降りる時に、またどいてもらわないといけないのに、どうやって起こしたらいいの?』と。
とりあえず、『もうすぐ降ります』をアピールすべく、荷物をゴソゴソ整理して下車の準備をしました。
お兄さんは、寝たり覚めたりしていましたが、私たちが立ち上がると、気がついてくれて、また席を立って通してくれました。
その時、私はものすごく小さな声で
「Excuse me」「Thanks」と言いましたが、お兄さんに通じていたかは定かではありません。

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