のらねこ日記いきもの編≪駅にて≫
墓参りツアーの帰り、広島駅で父と車イスの母と私がエレベーターを待っていると、ワンコさんを乗せたペットカートを押して、年配のご夫婦がやって来ました。
乗っていたのは、ふわふわまん丸頭の白いワンコさんでした。
わりと大きな子で、背中の毛並みからこの子もご高齢かな、と思いました。
エレベーターに一緒に乗ると、ワンコさんと同じ顔の高さの母は
「可愛いねえ」を連発しました。
「ピジョンフリーゼですか?」と私がたずねると
「そうです、この子大根が好きで…あらあらダメよ」と、奥様は買い物袋からはみ出ている大根に首を伸ばすワンコさんを優しくたしなめていました。
おそらくピジョンフリーゼを初めて見た父が
「さわってもいいですか?噛みつかない?」と聞くと
「大丈夫ですよ」と旦那様が笑って答えました。
そして、父は頭をなでるのかと思いきや、人差し指でふわふわ頭をツンツンしていました。
『あまりワンコさんをさわったことがないのか…』と思いました。
次は、別の日のエピソード。
最寄駅で私が上りのエスカレーターに乗っていました。
私の前に立っているのは、背の高い男性で、外国の方のようでした。
その手には、半透明のふたのペットキャリーケースが下げられていました。
中にはモフモフの何かがいるようで
『ワンちゃんかな?ニャンちゃんかな?』と、私が首を伸ばして見ていると、それに気がついた飼い主さんが、キャリーをくるりと、中の子の顔が見えるように私の方へ向けてくれました。
中には長毛種の青い瞳の猫さんがいました。
『わぁ!カワイイ』と思って、顔を上げると、飼い主さんがこちらを振り返りニッコリ笑いました。
こちらも満面の笑みで返しました。
猫好きに言葉はいりませんでした。
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