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のらねこ雑記帳≪美術の授業≫

  高校の美術で油絵組が黙々とキャンバスに向かっていた時、グラフィックデザイン組も、出された課題の作品を作成しながら、デザインのテクニック(のようなもの?)を学んでいました。
  全部は覚えていないのですが、
『好きなレコードのジャケット』という課題ではLPサイズの用紙にデザインするというもので、描いてもよし、写真を貼り付けてもよし、でした。
早くに出来上がった生徒は授業に出なくてもよかったので、美術室に全員生徒が揃うのは、新しい課題が出る時と、批評会の時だけでした。
  先生が皆の前で1作品ごとにコメントをつけて作品を返却するのですが、
グラフィック組の作品は見ていて面白かったです。
メジャーな曲以外にも高校の応援歌や演歌のジャケットもありました。
『すっごく上手!』なものもあれば
『小学生が描いたの?』レベルのものもありました。
でも『ウケればOK』なところもあり、
クラスメイトの知られざるセンスを垣間見ることができました。
『自分のPRポスター』の時は、自分の顔をキャラクター風に描くことができないクラスメイトに頼まれて、私が顔のパーツから全身像まで5~6人分下書きをしました。(当時、校外のサークルでマンガ描いていたので)
批評会では
「女子はこんな感じのかわいい系に行きがちなんだよねぇ」と私が下書きした作品たちがコメントされていました。
もしかしたら、先生にバレていたのかもしれません。
  そしてグラフィック組の最後の課題は
『何でもいいから、手作り作品を提出する』でした。
(全くグラフィック関係なしでOK)
普通に水彩画の人もいれば、精密な切り絵を作った人もいました。
男子生徒は、立体的な作品が多くて、
プラモデルの飛行機
ちゃんと飛ぶ羽ばたき飛行機
ちゃんと遊べる野球盤(消える魔球!)
ちゃんと遊べるサッカーゲーム(レバーで選手をくりっと動かせるやつ)
などなど…。
一番の大物は、自宅が町工場で、そこでパーツを溶接して学校で組み立てた『3人掛けのベンチ』でした。
一方、女子生徒はレース編みや刺繍、極めつけは『手作りクッキー』でした。
もはや、『美術』ではなく『技術・家庭』です。
  先生がこれらの作品にどうやって成績をつけたのかは謎ですが、
『なんか楽しそうだなぁ』と横目で見ながら、こちらは黙々と油絵を描いていました。
  ちなみに1年下から油絵はなくなり、グラフィック1本になったので
『先生、油絵は面倒臭くなっちゃったのかな?』と思いました。
どこまでもフリーダムな先生でした。







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