のらねこ旅日記≪耳が痛い話≫
私が乗り物酔いしやすいお話は、何度か書いていますが、気圧の変動にも弱く、飛行機で直ぐに耳が詰まります。
(航空性中耳炎と言うそうです)
新幹線のトンネルでもなりますし、高層ビルのエレベーターも然りです。
起きている時は、あくびしたり飲み物を飲んだりして治しますが、酔い止め飲んで寝てしまっていると、耳が痛くて目が覚めます。
こうなると、ちょっとやそっとでは、元には戻りません。
鼻つまんで口を閉じた状態で息を吐く
『耳抜き』を何度かやって、漸く耳の中で『ペコッ』と音がしてちょっと抜けたような気がしますが、実はまだ詰まっていて、飛行機から降りて空港内を歩き始めたころで、突然周りの音が大きくクリアに聞こえたりします。
とにかく、寝てしまった時の痛さがハンパなく、空港で専用耳栓を何個か買って試してみましたが、ほとんど効果がありませんでした。
数年前の福岡出張の時のお話です。
午後から会議の予定だったので、福岡空港に着いてから、お昼を食べて現地に向かうつもりでした。
ところが、飛行機が遅れたので、お昼の時間がなくなりそうになりました。
機内では、いつものように酔い止め効果で寝てしまい、あと20分で到着という頃に耳が痛くて目が覚めました。
ペットボトルのお茶を飲んだり、あごを動かしたりしても、全然改善しなかったので、私は耳抜きを試みました。
息を大きく吸い、鼻をつまみ、口を閉じて『ふん!』と勢いよく息を吐いた次の瞬間、右眼の裏からこめかみにかけて『ピシッ!』と何かが弾けた感じと共に痛みが走りました。
『痛い!ヤバい!力を入れすぎてどっか血管でも切れたのか?』と私は焦りました。
飛行機は着陸に向けてどんどん高度を下げていましたが、痛みはいっこうに引きませんでした。
私の頭の中では、右の白目は血で真っ赤になっていました。
『着いたら、空港の診療所に行こう。会議は遅刻しちゃうけど仕方がない』などと考えていました。
ところが飛行機が着陸すると、急に痛みが引きました。
飛行機を降りると耳の詰まりも治りました。
とりあえず、トイレの鏡で右眼を確認しましたが、なんの異常もありませんでした。
なので診療所に行くのはやめて、予定通りJR博多駅に向かい、駅のコンビニでおにぎりを1個買いました。
どこで食べようかと辺りを見回すと、ホームの端のベンチで駅弁を食べている人がいたので、その近くに座って
『あのピシッ!は何だったんだろう?』と考えながら、おにぎりを食べました。
そして午後の会議にはなんとか間に合いました。
行きでそんな目に遭ったので、帰りは普段噛まないガムをずっと噛んでいました。
その甲斐あって、耳の詰まりはあまりひどくなりませんでしたが、元々噛み合わせが悪いのか、自分の口の中を何度か噛んでしまい、口内炎ができました。
後日、この体験をジムのトレーナーさんに話したところ
「無理に耳抜きすると、危ないですよ、下手すると鼓膜破れますよ」と言われました。
若い頃、沖縄や海外に行っていた時はここまでひどくなかったような気がします。
『加齢と共に耳の中も固くなっているのかな…』と思いました。