のらねこ旅日記≪乗り物酔い・沖縄≫
子供の頃から、乗り物酔いしやすく、
車が苦手でした。
その日の体調によっては、酔い止め飲んでも、ダメなこともありましたが、
実際に吐いてしまったことは、少なかったので、精神的なものもあったのかもしれません。
通勤通学でバスに乗るようになり、子供の頃に比べると、だいぶマシになりましたが、今でも運転の荒いタクシーに当たると、具合が悪くなります。
社会人になってから、あちこち旅行に行くようになりましたが、なるべく鉄道利用で、乗り物酔いが怖くて、あまり飛行機も使いませんでした。
でも、『夏は海!できれば青い海!』
という自分でもよくわからない欲求の方が勝り、沖縄へ行くようになりました。
乱気流で飛行機が想像以上に揺れて、
気分が悪くなることはありましたが、それでも酔い止めを色々試して、なんとか克服しました。
でも憧れの青い海で、私は乗り物酔いの本当の辛さを体験することとなります。
初めての沖縄・石垣島でシュノーケリングに参加した時、ボートでちょっと沖まで連れていかれたのですが、行きの時点で私は少し気分が悪くなりました。
それでもなんとかシュノーケリングで、青い海と南洋のカラフルなお魚さんを堪能しました。
時間になり、ボートに上がった途端、
こみ上げるものを堪えきれなくなった私は、海のお魚さんたちに撒き餌をしてしまいました。
すると、今度は手足が急にしびれ始めたのです。
『船酔いって、こんなになるんだ!』
この件で学習した私は、なるべく酔い止めを飲むようにしましたが、その日の体調によっては、飲めなかったり、飲んでも効き目が弱かったり、ものすごく眠くなったりして、万全とは言えませんでした。
また、シュノーケリングで海面に浮いているだけで、波酔いをするということも知りました。
そして、沖縄で一番やらかしてしまったお話をします。
小浜島に滞在中、日帰り西表島ツアーに参加することにしました。
ここで私は1つ目の判断ミスをしました。石垣島から小浜島まで高速艇で25分かかったのですが、小浜島から西表島はとても近くに見えていたので、10~15分位で着くかなと思ったのです。
そして当日の朝、私は2つ目の判断ミスをしました。
朝から胃の具合が良くなかった私は、さんざん迷った挙げ句、酔い止め薬ではなく以前病院でもらった吐き気止めの薬を飲みました。
結果、西表島行きのフェリーは私の予想に反して、停泊する港の位置関係からか、西表島まで1時間近くかかりました。
そして酔い止めを飲んでいない私は、ひどく船酔いました。
おまけに、吐き気止めを飲んでいたため、吐くことができないまま気持ち悪さが続き、手足がしびれました。
ようやく西表島に上陸した私は、港でへたりこんでしまいました。
そんな私の目の前には、川登りの観光船が待ち構えていました。
「無理です、捨てていってください…」と私が言うと、ガイドさんが
「ここには戻ってこないので、船に乗ってください。川だから揺れませんよ」と言いました。
友達に支えられながら、観光船(TDLのジャングルクルーズみたいなボート)に乗り込むと、私はタオルを被ったまま、ずっとぶっ倒れていました。
「これがマングローブで…」と、ガイドさんの声が聞こえましたが見る気力もありませんでした。
川登りの後は、マイクロバスに乗せられ、由布島行きの水牛車乗り場に連れて行かれました。
浅瀬を水牛車で渡る由布島を、私はとても楽しみにしていたのですが、体調の悪さでテンションが上がることもなく、言われるがままに観光記念の集団写真を撮られ、水牛車に乗せられ、由布島に渡りました。
そこは熱帯植物園で、昼食が用意されていましたが、全く食欲のない私は、今更ながら酔い止めだけをお水で流し込みました。
再び、水牛車で由布島から戻ってくると、ホワイトボードに出来上がった記念集団写真とカメラマンさんが望遠レンズで撮ったと思われるお客さんたちのスナップ写真が貼ってありました。
1人やツーショットのスナップ写真は、気に入ったら買ってください、ということでした。
その中に友達の写真はありましたが、私の写真はありませんでした。
集団写真に写っている私の顔は、南国らしからぬ青白さで、
『ああ、こんな顔だから、アップの写真を撮っても買わないだろうと、カメラマンさんも思ったんだな』と納得しました。
この後は、秘密の浜辺で海水浴でしたが、ここでも私は、日陰でタオルを被ってころがっていました。
足元にヤドカリがたかってきて、
『打ち上げられた土左衛門のようだ』なんて思いました。
ちなみに、帰りのフェリーでは酔い止めが効きすぎて、爆睡でした。
こんな最悪な船酔いツアーでしたが、
他のお客さんたちが、親切に気遣ってくれて、本当にありがたかったです。
そして懲りない私は、その後の夏の海を沖縄からモルディブに変えるのでありました。