90歳の友人
10年前
私は脳腫瘍の手術をした。
術前にもいろんな出会いがあったが
術後、一般病棟に戻ったとき
向かいのベッドだった女性と
少しずつ、いろんな話をして
女性が先に退院されるときに
連絡先の交換をした。
ご自身の体のこともあるのに
私の話をニコニコしながら聞いてくださって
当時、当然ながら心も痛めていた私は
どれだけ救われたことかわからない。
出会ってから10年たった今も、
その方との交流は続いていて
今日は、
先日遠出していたときのお土産を渡してきたのだが
笑顔はずっと変わらなくて
優しくてあったかい。
90歳になられたとおっしゃった今日も
手足はだんだん不自由になっているのよ、とお話をされながらも
「髪の毛を染めないと風が吹いたとき恥ずかしい」
「今日は朝から友人が送ってくれたわらびを水で洗っていたの」
とにこやかに話される姿がうれしくて。
できることは自分でしたい
という意欲が伝わってきて
私もあちこちに出てきている体の「ガタ」に
不満を言ってる場合ではないなと
反省しながら帰宅したのであった。
こちらの意欲と相手のニーズが一致するならば
心が喜ぶことを中心に
生きていこう。
人生はあっという間だから。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?