【西国三十三所巡礼】第六番札所 南法華寺(壺阪寺)
南法華寺(壺阪寺)
本尊 十一面千手千眼観世音菩薩
住所 奈良県高取町壷坂3
眼病封じの本尊、ということで、ここでは目薬が売られている。ガイドブックなどでも取り上げられており、以前からぜひ欲しいと思っていた。なんか効きそうじゃありませんか? 目薬をよく使うわけではないですが、こういうあまりみけけないグッズ(と言っていいのか?)には弱い。
山の中腹にあり、今回は駅からタクシーを利用した。飛鳥から約二千五千円ほどである。帰りは壺阪駅まで千八百円ほどであった。
本堂の奥の観音は頭のうえについている顔の表情がはっきりとわかる。スケールがでかいのだ。ぐるりと周囲には資料的価値のあるものたちが並んでいる。
みうらじゅんさんといとうせいこうさんの『見仏記』の原稿も飾られていた。眼病に効く、つまりメガネ使用者の「聖地」なのだ。あとで読み返そう。
インドとの慈善事業の交流が深いらしく、大きな石仏がいくつもある。壁画もあったり見応えがある。お寺というのはアミューズメントパークなのだな。こんなふうに時間に追われて慌ただしく移動するのは、なってない、というかもったいないことなのかもしれない。
涅槃仏の先に広がる奈良の景色。いい眺めだ。遙か向こうまで見渡せる。西国三十三所は、とにかく山の中の寺、が多い。いつだって日本のなだらかな景色を見つめることになる。疲労が溜まっていたので僕も寝っ転がりたい。
ぐるりと一周した時突然、自分は今大学生の頃のメンタルになってるのではないかと思った。疲労がそこに至らせたのだろう。
自分が最初に六角堂で朱印をもらったのは大学の頃である。京都市内を巡ってそのままだったのを最近再開し始めた。
そうそう、学生の頃はうまく小説が書けず思い悩んでいた。チャラチャラしてたので周りには同情もされなかったし労いの言葉をかけてもらえなかったけど。
いまも思い悩んでいる。学生の頃とはちょっと違ったフェイズではあるけれど。なので外へ飛び出してこんな風に巡礼しているのだ。小説のアイデアやら、小説とはとぐだぐだ考えながら。学生の頃よりも重くなった足と頭で。
実は興福寺から奥へと進むルートで奈良を巡ったのだが、ここから近鉄奈良へ向かうルートの方がバスがあるし、一日で奈良の札所を巡るのならここからスタートのほうがいいとのこと。タクシー使ったのは3時過ぎには近くに停まる行き帰りのバスがなかったからであった。飛鳥駅の案内所の皆さん、ありがとうございました!
夕暮れのなか、帰りの電車を待つ。
何はともあれ、よくやってる、と自分を褒めたい。