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【てんこ盛り】フェイクスピア
タイトルを聞いた時から、面白そうでしかないなと気になっていた、NODA •MAPのフェイクスピア。舞台初心者と言っても良いくらい、舞台を見たことがないのですが、そんな私でも響くところが大きい舞台でした。
シェイクスピアの劇がベースかと思っていましたが、お芝居が始まってみると、舞台は恐山?!
シェイクスピアに恐山って盛り込みすぎやしませんか。と思っていたら、サン=テグジュペリ、星の王子様が出てくるわ、最後の30分にはまさかのモチーフも出てくるわで、全部盛り感半端ない。
コロナ禍と言うことでか、休憩無しの2時間ぶっ通し。そのせいか、内容のせいか、見終わった後はぐったり。でも演者さんはもっとぐったりだったんだろうなと思わせる内容でした。白石さんや橋爪さんは舞台に出突っ張りで、テンション高めな役柄でもあり、ご年齢を考えるとすごいとしか思えませんでした。ただ、アンコールの時には白石さんを川平さんが労って一緒に歩いていたり、橋爪さんはアンコールの途中から出て来られなくなったりで、かなりのエネルギーを注いで舞台をされているんだろうなという印象でした。
それくらい舞台の熱量が大きくて、最後の方には涙が止まらなくなり、それはストーリーが思いがけない方向に行った悲しさもあったのだろうけど、それだけではない、何か力づけられてるような、後押しを受けたようなどこか不思議な涙でした。知人が、心が震えたとおっしゃっていましたが、まさしく舞台のエネルギーに心が震えたんだろな、というような涙。ぐったりはしたけど、でもパワーをもらったというのも不思議な感覚。
野田秀樹さんはコロナ禍を意識して作ってはいないとおっしゃっていたそうですが、見ている側はどうしてもそこを意識してしまい、特に最後の方のセリフは私個人としては大きなコロナの影響を受けていないのですが、それでも励ましの言葉に聞こえました。目に見えない言葉、声。その力を存分に味わった時間でもありました。
生きたい思い、死を目前にして誰かに伝えたい思い、死にたかったけど生きようという思い、生きることの重みや、生きようという力、発する言葉への意識など、考えさせられることも多々あり、結局この舞台の感想はただただ「すごい!!」になってしまうくらい、本当にすごい舞台でした。至福の2時間。オンラインでも様々なコンテンツはありますが、こういったリアルなエネルギーの交換はオンラインでは味わえないものだと、再確認する機会にもなりました。