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紙ヒコーキワークショップを開催してみた

こんにちは、株式会社Relicの北川です!
今回はスクラムを簡易的に学べることで有名な紙ヒコーキワークショップを開催してみましたので、そのレポートをまとめてみたいと思います。

ワークショップの様子

対象とする読者の方

  • アジャイル/スクラム開発を知りたい方

  • ワークショップを開催しようと思っている方

  • ワークショップ開催を推進しようと思っている方

紙ヒコーキワークショップの目的

前提としてなぜワークショップを開催するかと言えば、アジャイルな考え方やスクラムに関する理解を深めたいと思っているからです。

ワークショップ始めるに当たっての説明中です

先日プレスリリースしました「ScrumMaster as a Service」のご支援でも紙ヒコーキワークショップを取り扱っていますので、ご興味があればご連絡ください!

紙ヒコーキワークショップとは?

概要

そもそも紙ヒコーキワークショップとは何かといえば、簡易的にスクラムを楽しみながら学ぶことができるワークショップです。
紙ヒコーキを作る部分のルール説明が先行されがちですが、ゲーム全体の前提を共有するのが良いと思います。

何をすれば良いのか、どうすれば良しとなるかを、まず説明したいですね。

流れ

スクラムの流れを模して進めていきますので、事前に「スクラムとは?」を説明・共有することで参加者の理解度が上がります。

今どこスプリントか図で表現しておくと良いと思います

各項目の説明は以下の通りです。

■計画
スクラムにおいてスプリントプランニングに相当します。

  • いくつ飛ばせるか見積もる

  • どうやって作るかを計画する

役割分担をしている様子

■実行
スクラムにおいて、スプリントプランニング後からスプリントレトロスペクティブ前までに相当します。

  • 紙ヒコーキを作る

  • 作った紙ヒコーキは飛行場で飛ばす

決まったルールのもと紙ヒコーキを作成している様子
綺麗なフォームで飛ばしていますね

■振り返り
スクラムにおいて、スプリントレトロスペクティブに相当します。

  • やってみてわかったことは何か?

  • 改善した方が良さそうな問題はあるか?

  • やれば良かったかもしれないアイデアはあるか?

ルール

このワークショップの1番のキモであるルールです。
すぐに覚えられないので、各スプリントの「実行」時には下記と同じスライドを表示しておくことをおすすめします。

禁止事項

一応、禁止事項も載せておきました。
デジタルデバイスの使用禁止は「”よく飛ぶ紙ヒコーキの作り方”と検索しないでくださいね」と言っておくとちょっとだけ盛り上がりますw

準備したもの

開催にあたって準備物もあります。
今回用に購入したものがありますので載せておきます。

ワークショップレポート

ここからは、実際に開催したときのレポートになります。
今回はAチーム、Bチームの2チームで行いました。
いずれのチームもチーム内に知った顔と初めての方を混ぜたチームにしました。
各スプリントごとの両チームの状況をレポートしていきたいと思います。

1スプリント目

計画

<Aチーム>
まずは、紙を折る人、ハサミで切る人など役割を決める。
役割の能力差が出ないと判断したのかジャンケンで役割を決める。
予想は2機。

<Bチーム>
役割分担よりも、紙ヒコーキをどう作るのかを議論。
Aチーム同様予想は2機。

実行

<Aチーム>
ルールを確認しながら紙ヒコーキを作る。
各自の役割(紙を切る、紙を折る)に没頭する。
誤って1人の人が連続で紙を折ってしまう自体も。
結果0機。

<Bチーム>
Aチーム同様ルールがまだ飲み込めていない状況。
計画が時間内で終わらず、どんな紙ヒコーキにするかを話しながら作成する。
結果0機。

振り返り

<Aチーム>
役割分担したが、各自の役割に没頭したので、まずは飛ばせる紙ヒコーキを作ろうと。

<Bチーム>
結果0機だったので、まずは紙ヒコーキを作って飛ばそう。

2スプリント目

計画

<Aチーム>
4人チームなので、隣同士で交互に1回ずつ折る作戦に。
予想は4機。

<Bチーム>
Aチーム同様、隣同士交互に1回ずつ折る作戦。
飛ばす人は1人で担当。
予想は5機。

実行

<Aチーム>
このワークショップ初の飛行を実施するも天井に当たって失敗。
飛ばし方がダメだったと反省。
結果は3機。

<Bチーム>
1回折るごとに隣に渡す際に声掛けを行っている。
「ここは丁寧に!」などの声掛けもあった。
結果は3機。

振り返り

<Aチーム>
飛ばし方について議論が白熱!
天井に当たってしまうので、砲丸投げの要領で肩甲骨を使った投げ方で!?

<Bチーム>
飛行場に飛ばしに向かっている間の時間の使い方に言及。
飛ばす人を変えていく方が良いのではないかと。
反省点もあるが、今回はよかったと褒め合う。

3スプリント目

ここでルール変更します。

このスライドを表示したときは驚いた様子でした
やったーという声が結構あったと思います

計画

<Aチーム>
撤廃するルールは「紙ヒコーキを飛ばすのは1機につき1回」。
別のルールである「紙ヒコーキを飛ばすのは1回につき1機」との絡みで、どうやって飛ばすかを議論。
いくつかの紙ヒコーキを人を変えてエンドレスに投げる作戦に!?
強気の予想は12機。

<Bチーム>
撤廃するルールは「同じ人が連続で折らない」。
前のスプリントの振り返りで飛ばす人を変えることを話していたが、ルール変更に伴い、飛ばす担当専門を設置。
謙虚な予想は4機。

実行

<Aチーム>
ルールが変わったことに適用できなかったのか、実行開始数秒立ち尽くす場面も。
3メートル飛ぶ紙ヒコーキが作れなかったのか、撤廃ルールをうまく使えず。
結果は8機。

<Bチーム>
同じ人が連続して折ることができるようになったので、どんどん紙ヒコーキを量産。
ある程度できたら、飛ばす担当が飛行場と作業場を往復して、どんどん飛ばす(供給が追いつかなくなるときも)。
結果は驚きの10機。

振り返り

<Aチーム>
撤廃するルールの選択を間違えたと反省。

<Bチーム>
量産した紙ヒコーキが残ってしまった(ちょっともったいなかった)。

4スプリント目

ここでルールを戻します。

驚きよりも落胆の方が多かった気がします

計画

<Aチーム>
作戦は元に戻す(隣同士で交互に1回ずつ折る作戦)。
予想は強気の12機。

<Bチーム>
Aチーム同様に隣同士で交互に1回ずつ折る作戦にするが、飛ばす担当は1人が専門で請け負うことに。
相変わらず予想は謙虚な5機。

実行

<Aチーム>
スプリント4回目なので紙ヒコーキ作りに慣れてくる。
交互に折るが、最後の工程を担当した人が飛ばしていく。
結果は6機。

<Bチーム>
慣れた手つきと、連携プレーで、撤廃ルールがなくてもどんどん量産していく。
結果はスプリント3に肉薄する8機。

振り返り

<Aチーム>
Bチームのように、飛ばす専門がいた方が良かったと反省。

<Bチーム>
残った複数の紙ヒコーキの作成途中の工程がバラバラな状態を見て、それぞれ途中までにかけた工数があればもう1機は作れた、と。

総評

Aチームはスプリント3と4のルール変更にうまく適用できなかったのがもったいなかったですね。
ただスプリントが進むにつれて、3メートル飛ぶ紙ヒコーキが作れていったので、プロダクト開発で言うと高品質のリリースができているという状態です。予想と実績の乖離が大きいので計画に精度を上げると良くなりそうなチームだと思います。

Bチームはスプリントを進めるごとに着実に改善されていったチームです。
スプリント4の振り返り時の発言である「残った複数の紙ヒコーキの作成途中の工程がバラバラな状態を見て、それぞれ途中までにかけた工数があればもう1機は作れた」は、良いところに目をつけているなと思いました。
実際のスクラムではスプリントゴールを達成しているか、ということになりますので、レトロスペクティブを通じて改善していってくれそうです。
こちらも予想と実績がAチームとは別方向に乖離していたので、見積もり制度を上げるとより良くなりそうなチームだと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
このワークショップで学べることは下記です。

  • タイムボックス

    • 時間制限があること

  • 制約

    • ルールの変更があること

  • プロセスの改善

    • 検査して適用すること

実際の開発の現場では、時間や制約のある中で、仕様の変更など変化があると思います。
そんな中でどう取り扱って、どう対応していくか、ということを学べると思います。
だいたい1時間程度のワークショップなのでアジャイルやスクラムを手軽に体験するには良いと思いますし、開発に限らず別の職種でも応用できるのではないかと思います。

一方でワークショップを開催するという点における反省点がいくつかあります。

  • 会場レイアウト

    • 今回は貸し会議室だったので下見ができませんでしたが、飛行場の場所と作業場の配置は事前に決めておくのが良いと思います。

  • レポート用の動画撮影

    • 今回の記事のようにレポートを書く場合は、計画、実行、振り返りと2~3分で切り替わっていくので、定点録画かもう一人撮影担当者と手分けするなどが必要でした。

  • 作った紙ヒコーキやハサミで切った紙切れの回収

    • 意外と忘れがちだったなと反省しました。ゴミ袋を用意しておくのが良さそうです。

今回の経験からさらに良いワークショップ開催ができるようにしたいと思います。

最後に

Relicではオンライン勉強会を定期的に開催しております。
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さらに他のRelicメンバーが書いた記事は以下にまとめられていますので、よろしければ見ていただければと思います!

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それでは次の投稿でまたお会いしましょう!

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