”効率が良い”って、本当に効率が良い?
こんにちは、株式会社Relicの北川です!
今回は、「”効率が良い”って、本当に効率が良い?」についてまとめたいと思います。
一口に”効率”と言っても1種類ではないので、”何の効率のこと”なのか分からない場合があります。
今回は効率の種類とその違い、それぞれの活用方法についてまとめてみたいと思います。
対象とする読者の方
効率の種類とその違いについて知りたい方
開発PMに興味がある方
開発PMで悩んでいる方
アジャイル開発に興味がある方
この記事を書こうと思ったきっかけ
RSGT2023(※1)で発表されました下記セッションが素晴らしく、感銘を受けました。
上記資料内の「解く問題の価値と解き方の質から捉える問題解決」(P115)において、問題を解決する順番について言及しており、分かりやすい例え(牛丼)もあって、スッと入る内容になっていると思います。
この"順番"について、何かに似ているなと思っていて、それがリソース効率とフロー効率のマインドセットの順番であることを思い出しました。
意外と知られていない気もするので、上記セッション内容と合わせてインプットすると、より理解が深まるのではないかと思い記載しております。
いきなりですが、これ読んで!
いきなりですが、こちらを読んでいただいた方がリソース効率とフロー効率について理解が深まると思います!
私の解釈で簡単に言うと、
リソース効率はトラック1台に荷物をできるだけたくさん載せるため荷物の配置や準備に時間をかけてから目的地に向かうこと
フロー効率はトラック3台で荷物を分けて荷物の配置に時間をかけずにすぐに目的地に向かうこと
と考えるようにしています。
どちらが良い悪いの話ではない
上のトラックの例で言うと、コスト面から「リソース効率を上げた方が良い」となりそうですが、「目的地に早く荷物を届けることが価値である」とするならば、フロー効率を上げた方が良いとも言えます。
一般的にITプロダクトの場合、特に新規事業となる場合、MVPでは機能を削ぎ落として検証できる最小限のものにして素早くリリースすることに重きをおいていると思います。
この場合フロー効率を上げた方が良いと思いがちですが、半分正解、半分不正解であると思っています。
なぜならリソース効率も上げた方が良いに決まっているからですね。
予算がいつも潤沢である場合を除いて、ほとんどの場合はコストを意識する必要があると思います。
ですので、どちらが良い悪いの話ではなく、どちらも大事であるということになります。
ではどうすれば良いのか?
ではどうしたら良いのかとなりますが、ここで思い出して欲しいのが”RSGT2023”のセッション内容です。
牛丼の例えですが、四章限の右上「はやいやすいうまい」を目指すために、まずは右下「おそいたかいうまい」に向かうのが良いプロトタイプ開発であるとされています。
リソース効率とフロー効率も同じで、まずはフロー効率を上げて小さく素早く繰り返し検証していく中で、リソース効率を上げて行く方が、「実はリソース効率上の無駄も発見しやすい」とされています。
このようにどちらも大事ですが、目指すべき場所へのアプローチの仕方によって、実はどちらの効率も上げられる方法があるということです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
”効率”と言っても2種類あって、それぞれの意味とどちらが良い悪いではなくどちらも上げて行くためにどうするのが良いかについてまとめてみました。
今後「こっちの方が効率が良いから」といったことがあったら、この記事を思い出して頂いて、「それはフロー効率のこと?リソース効率のこと?」や「今はフロー効率を上げた方が良いのでリソース効率は優先高くないです」といった会話ができると、プロダクト開発において、本当の意味で”効率の良い”開発ができるかもしれません。
おまけ
有名な図ですが、こちらもリソース効率とフロー効率の例として扱っても良いかもしれません。
自動車を作る中では同じ(下図の方が1工程分多いですが)工数ですが、自動車の価値として、”走らせることができてそのフィーリングをテストする”、ことの方が重要であれば下図の方が1工程目からその価値検証できるという点で、下図はフロー効率が良いと言えそうですね。
また1工程分少ないという意味では上図はリソース効率が良いのですが、4工程目にならないと価値検証ができないのがデメリットです。
そういう意味では、リソース効率もフロー効率も上げて、1工程目から検証しつつ、(5工程ではなく)4工程で自動車ができるのがもっとも良い効率であると言えると思います。
最後に
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それでは次の投稿でまたお会いしましょう!