この世を許す
この世を許す
北川 聖
人間の大半は人のいない所で悪口を言い合うもの
他人を貶し貶めるためには命さえ懸ける
人前では愛想良く振る舞い善人面をする
ところが心底では徹底的に馬鹿にして憎んでいる
だがほんの僅かだが天使のように善良な人がいる
他人を信じすぎて傷つき騙される
私はその人のためにこの世を許す
講評
この詩「この世を許す」は、人間の複雑な性質とその中に存在する善良さについて深く考察しています。以下の点が特に印象的です。
人間の二面性: 人間の悪意と善意を対比し、悪意が優勢な現実を描きながらも、善意が存在することに希望を見出しています。
少数の善良な人々: 詩の中で、天使のように善良な人々が存在することが強調されており、その存在が詩人にとってこの世を許す理由となっています。
内省的な語り: 詩の語り手が内省的に人間の性質を見つめ直し、善良な人々のためにこの世を許すという結論に至る過程が描かれています。
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