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発達障害者雇用⑤牛後となるも鶏口となるなかれ+まとめ
前回は、奇跡的な需要と供給のマッチアップ!生きててよかった!労働楽しい!というお話をしました。
今回は、就労で得た気づきと、こんな心構えでいればいいんじゃないかな…というふんわりしたまとめです。
ことわざは間違いではありません
『鶏口となるも牛後となるなかれ』ということわざをご存知の方も多いでしょう。
大きな集団の中に埋もれるよりも、小さな集団でもトップに立てるような人間になれ、という意味ですね。
勤めているうちに、逆の言葉の方が私に適しているような気になってきました。
上で話したように、何年もB型作業所でサービス料を生み出す『お客さん』として扱われ、あまり社会に適応できていない皆さんの中でエースとして作業してきました。
作業所は外の世界と繋がっていない、小さく狭い部屋です。健常者はスタッフさんしかいません。
それに比べて障害者雇用では、業務に責任とクオリティを求められます。
「障害を持ってるからミスしてもいいよ! こっちで責任をもってカバーするよ!」なんて言われることはありません。
ですが今、私はそんな環境で重宝されています。
『面倒を見ればお金がもらえる』のとは正反対の、『賃金を支払う』に値する人間だと評価されているのです。
おかげで時給も2回上がり、半年に1度ボーナスをいただいています。
外の生活では、『障害者』扱いを受けていることも感じます。
気のせいとかひがみではないかと言われたらそれまでなのですが、どうも健常者とは違う特別扱いを受けているような……。
(それが『配慮』だと言われたらまぁそれはそうと言わざるを得ないのですが)
とはいえ、週4日出勤して、パートタイムとはいえ働き、ウィークリー・マンスリーの業務を把握して行い、客先に提出する用の報告書を整形するために社員さんに記入のリマインドをするなど、『ちゃんと働けて』います。
体調を崩した原因のひとつに、自分の特性や障害を理解せずに健常者のつもりで働き、失敗を重ねて自己肯定感をより損ねたこともあるので……。
小さい障害者の集団のトップに立っているよりも、大きな一般社会の最後尾でも自分の役目を持って生きる。
『牛後となるとも鶏口となるなかれ』という言葉を噛みしめて生きています。
まとめ
正直、あまり他の方が真似できる環境や経緯ではないという自覚はあるのですが……。
ご縁は大事にした方がいいと思います。
あまりここで働きたくないな……この人たちとうまくやっていける自信がないな……と思ったら、条件がよくても避ける勇気が必要です。
ただでさえ精神がデリケートになっているので、元気なら耐えられることでも心が折れることがあります。
自分の能力の棚卸しをして、アピールポイントを明確にしておけば、「この人はうちの役に立ってくれるかな……?」と企業が判断しやすくなります。
また、自分の病気や障害を正しく理解して、何ができて何が苦手かを説明できれば、適切な配慮を受けられます。
そのためには、自分という人間の内面を見つめて理解し、言語化できるようになっておけばよりベターです。
内省は正直楽しいことではありませんが、就職の際のメリットだけでなく、よりよく生きるための手がかりにもなるので、ぜひやってみてください。
この文章を読んだ方が、無事希望に近い職に就けることを願っています。
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