発達障害者雇用①就労継続支援B型事業所とは
はじめましての方に改めて自己紹介しますと、北川と申します。
発達障害を持って生まれ、加えて大人に守られない過酷な幼児期から思春期を過ごしたせいで二次障害の双極性障害になりました。
現在は精神障害者であることをオープンにして、アルバイトという形で働いています。
氷河期あるあるで、体調を崩す前はずっと派遣だったので、直雇用安心! 理解ある職場助かる! というポジティブな気持ち満載で働いております。
そこに至るまでの紆余曲折を何回かにまとめて、今障害者雇用について悩んでいる方や、今後就労を考えている方のお役に立てればと存じます。
就労継続支援B型とは
私は18年頃から地域の保健師さんに勧められ、就労継続支援B型事業所に通っていました。
よく、知的や発達障害のお子さんを持つお母さんが「働いても日給200円」と嘆いているのがXで見られますが、そのお子さんたちが通っているのがB型の作業所です。
A型とB型の違い
就労継続支援の作業所にはA型とB型があります。
どちらも『作業所が一般就労には堪えられない障害者の受け皿になって企業と繋げる』のは変わりませんが、内実はかなり違います。
A型は作業所と利用者の間で勤務日数や労働条件の契約を交わし、基本的に決められた時間に出勤して『労働』します。
『労働』なので、各都道府県の最低賃金が『給料』として保証されます。
それと違ってB型では特に取り決めはなく、利用者は体調に応じて好きな時間に来所して『作業』します。
B型の利用者は手を動かすことによって家の外の世界との繋がりを保ち、社会性を身につけるのが目的で、生産性は二の次です。
こだわりが強めの発達障害者や、軽度ではないと思しい知的障害者の方が、スタッフさんから丁寧に介助を受けているケースも多々あります。
契約を結んで『労働』しているわけではないので、支払われるのは『給料』ではなく『工賃』で、最低賃金の縛りには当てはまりません。
工賃は作業の質量に応じた額になるので、「日給200円」となることも普通にありえます。
『工賃』は妥当?
私にはA型の利用経験はないのでB型だけの話になってしまうのですが、私は工賃の額は妥当だと思っています。
私が通っていた作業所では作業の責任を取るのはスタッフさんで、委託された仕事は利用者の作業の後に必ずスタッフさんが検品して納品します。
また、A型・B型問わず作業所を利用すると『サービス料』が発生します。
世帯の納税額などによって利用者の払う金額が決まりますが、多くても利用者が負担するのはサービス料の1割ほどで、残りは自治体が払うことになっています。
作業所にとって利用者は労働者ではなく、サービス料を発生させてくれる『お客さん』なのです。
利用当時の私の工賃も決して高くはありませんでしたが、それは『責任を取らない』こととのトレードオフだという認識がありました。
また、作業の量や質によっても工賃は変わるので、工賃の少なさを批判する方はB型を『働いてお給料を得る場所』ではないと認識する必要があるかと思います。
生まれつきの知的・発達障害者ではなく、社会で精神の健康を崩して働けなくなって社会復帰を目指している方の自尊心が折れるのも理解はできるのですけれどね。
少し言い方が悪くなってしまいましたが、実際私の知るすべてのスタッフさんは利用者を細やかに気遣い、親身に面倒を見てくれていました。
次回は
今回お話ししたB型作業所の概要を踏まえて、私が自己肯定感を獲得したいきさつをお伝えできればと思います。