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学校行事の機能不全

 さて、前回、「子どもにも教師にも【負担】にしかならない学校行事ってどうなの?」という記事を書きました。実際、昨年、一昨年は、新型コロナウイルスの流行を受け、様々な活動、行事が制限され、縮小されました。
 しかし、今年度、「以前の形に戻そう。」という揺り返しが来ているように感じています。そのような状況だからこそ、「子どもにとって効果的」で「教師にとって効率的」な行事のあり方を模索し、提案していく必要があると思います。
 これまでの自身の経験を省みながら、どこに問題があったのかを浮き彫りにし、どんな対策ができるのかを考えていきたいと思います。

そもそも過剰な見栄えを求めない

 音楽発表会にせよ、図工の作品展にせよ、「今年の6年生と昨年の6年生と比較する」必要はないはずです。比較するとしたら、「去年の自分、自分たち」ではないでしょうか?

 5年生のときは、できなかった表現が6年生になったらできるようになった。

 この感覚を育てていくための活動である方が、教育的効果は高いと考えます。しかし、行事が伝統化すればするほど、余計な視線が気になり、過剰な見栄えを求めてしまいがちです。
 そこで、やはり「学習指導要領に立ち返る」ことも大切だと思います。あくまで、僕の経験上ですが、子どもにも、教師にも負担が大きい活動は、ほぼ間違いなく、指導要領に示された内容以上を求めています。例えば、

「運動会で短距離走をする。スタートは、クラウチングスタートです!」

 なんて指導が実際に行われていました。クラウチングスタートは、中学校での指導内容です。同じように運動会の花形種目として扱われるリレーも低学年と高学年が同じルールで走るということも目にしてきました。果たして、このような指導は、必要なのでしょうか?
 指導要領をもち出すと、「指導要領は、最低ラインであって、それ以上を目指したらいけないのか?」という意見も出てきます。しかし、「それ以上を目指した結果、目標を達成できない」のであれば、本末転倒です。

系統生を見出すには

 また、過剰な見栄えを求めなくするためには、職員が指導の系統生を共有できていることも大切だと考えます。でも、今までの勤務経験で、音楽発表会や作品展の実施計画で系統生について具体的に示した計画は出会ったことがありません。せいぜい、「発表内容は、学年の発達段階や系統生に応じて決める」という一文がある程度です。
 では、この一文で、「発達段階や系統生」を全職員、担任、最低でも学年主任が共有できているのでしょうか。発達段階はまだしも、系統生については、「指導要領読み込むほどの時間がない!」というのが、正直なところではないでしょうか。実際、僕も、そうでした。
 その結果、「昨年度の○年生は、どんな絵を描いたかな?」「どんな曲を発表したのかな?」となっていました。すると、比較対象が「昨年度の同一学年」になってしまうように感じます。
 では、系統生を意識した学校行事のあり方について、どのようにしていたったらよいか、記事を書きながら考えていきたいと思います。

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