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地球防衛

草むしりをしていたらスネがかゆくなって、むしってないほうの左手でさすった。
掌には血がべったり。スネには痒みがじんじん残る。

血吸いを謳歌してるところ、私という巨人の手が、一撃でほふった……のではないか。
状況証拠から察する。蚊かブヨか。もしかすると発見前の未知の生命体か。

地球探索中の宇宙人が遺伝子を採取している最中だったかもしれないなら、悪いことをした。ひとこと言ってくれれば喜んで提供したのに。

いずれにしても、証拠は無い。掌に残った赤い血となって、軟らかい生命は跡形も無く存在を消したのだった。

いつだって、無自覚に地球防衛の前線に立っているのは、名も無きヒーロー達なのだ。


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